愛しきものたち

石仏、民家街並み、勧請縄、棚田景観、寺社、旧跡などが中心です。

丸山千枚田

2009年01月05日 | 棚田景観

 

昨年の11月中頃、三重県熊野方面へ巨樹の追っかけに行った途中にちょっと寄り道して知る人ぞ知る丸山千枚打を訪れた。

その日は少し朝から雨模様で午後には陽が差し込むと言う替わりやすい天気に一日。

ちょうど午後一ぐらいにこの地に付いた頃には薄日が射し、山に薄モヤがかかってえに云われぬ日本の原風景を見せて貰った。

 

 丸山集落に差し掛かる峠のビューポイントから一望する棚田には驚きを禁じ得ない、まるで箱庭のような美しさ、飛行機の窓から眺めているような景観が眼下いっぱいに広がっている。

 

 棚田は刈り取もとっくに終わりおとづれる人も無く、山肌に静まりかえっていた。 

   確かにここは別世界、奈良、和歌山の県境とも接している旧紀和町の北東部の山中、しかしよくもまあこんな山奥に先人は住み着き山肌を開墾棚田を作りあげたものだ。

 それは計り知れない叡智と努力、生への執着の賜物なのかも知れない。

 日本最大規模の棚田と言われているこの棚田は高低差約100mの中に、かっては7町歩余、2,400余枚が造成されていたようで現在約1,300枚余が残されている。

 

確かに日本人の郷愁をくすぐる景観で言葉にするのは難しいが、その美しさの影に隠れている苦しみや辛さも忘れてはならないと思う。 

 ちょっと寂しいが、こうした人里遠く離れたところであるからこそ残る景観です。

 撮影2008.11.15

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