本年1月の当ブログにて取り上げた新しい小脳失調の評価スケールであるSARA(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)の日本語版が発表された.運動失調症班ホームページよりPDFファイルをダウンロードすることができる.
このスケールは何といってもICARSと比較し,評価に必要な時間が短縮ができ,忙しい外来でもscalingをすることが可能である.たとえば平成18年度「厚労省運動失調症に関する調査研究班」において北大からの報告ではSCD患者22名に対し施行し,検査に要した時間がICARS(評価項目19個)では平均13分であったところ,SARA(評価項目8個)では4分であったと報告している.また①評価者間での大きな変動がないこと(inter-rater reliabilityが高い),②Barthel indexやICARSと有意な相関を示すこと(P<0.0016およびP<0.0001)を示している.
実際のratingは原文通りにやってあまり間違いやすいような部分はない印象だが,評価項目5の指追い試験や,評価項目7の手の回内・回外運動は一般的に行われる診察とは少し異なっているかもしれない.前者は,検者は自分の人差し指を被検者の予測できない方向に2秒かけて約30cm動かし,被検者の人差し指が正確に検者の人差し指を示すか調べるもので,これは測定障害の程度(ずれが何cmか)で評価する(5回のうち最後の3回の平均を評価する).また後者は一般的に行われる手の回内・回外運動とは異なっていて,太ももの上で回内・回外運動を繰り返し,10回に要した正確な時間を測定するというものである.
今後,運動失調症班では日本語版に対するvalidationを進めていく予定とのことだ.
運動失調症班ホームページ
このスケールは何といってもICARSと比較し,評価に必要な時間が短縮ができ,忙しい外来でもscalingをすることが可能である.たとえば平成18年度「厚労省運動失調症に関する調査研究班」において北大からの報告ではSCD患者22名に対し施行し,検査に要した時間がICARS(評価項目19個)では平均13分であったところ,SARA(評価項目8個)では4分であったと報告している.また①評価者間での大きな変動がないこと(inter-rater reliabilityが高い),②Barthel indexやICARSと有意な相関を示すこと(P<0.0016およびP<0.0001)を示している.
実際のratingは原文通りにやってあまり間違いやすいような部分はない印象だが,評価項目5の指追い試験や,評価項目7の手の回内・回外運動は一般的に行われる診察とは少し異なっているかもしれない.前者は,検者は自分の人差し指を被検者の予測できない方向に2秒かけて約30cm動かし,被検者の人差し指が正確に検者の人差し指を示すか調べるもので,これは測定障害の程度(ずれが何cmか)で評価する(5回のうち最後の3回の平均を評価する).また後者は一般的に行われる手の回内・回外運動とは異なっていて,太ももの上で回内・回外運動を繰り返し,10回に要した正確な時間を測定するというものである.
今後,運動失調症班では日本語版に対するvalidationを進めていく予定とのことだ.
運動失調症班ホームページ