Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

体が焼けそうな花崗岩

2014-10-20 | アウトドーア・環境
バーデンバーデンに向かうつもりだったが、結局隣りのビュールの谷の花崗岩を登った。もっとも自宅から近い花崗岩の岩場だ。約107KM、一時間半ほどの走行時間である。

B500通称シュヴァルツバルダーホッホシュトラーセ沿いにある岩場のひとつである。前回訪問した場所から80KMほど北だろうか。岩質はむしろこちらの方が風化が少なく、むしろコルマーのそれに近かった。そして規模も十分で、その一つはフランケンのそれとあまり変わらなかった。

残念ながら駐車場から探しながら近い岩場から試登していったので、結局最も大きなものは試せなかったが、素晴らしいものであった。バーデンバーデンを一回登り、これを一回登るぐらいの価値はありそうだ。しかし、その傾斜や規模からして容易なルートはそれほど無くて、可也の技術まで使いこなさなければいけないものでとても期待できるのだ。

最初に登った小さな壁は「死亡事故に注意」の張り紙が張ってあるように、埋め込むハーケンの頭が潰されていて、楔の針金を使った。下の二つだけだったので登り始めたが、乾いていれば問題の無い場所でも濡れていて苔むしているとなると、無いと怖い。何とか針金をねじ入れようとしても上手く入らなかった。2012年に頭をつぶしたなぞの人物はそのあたりの事情まで知っている人間だろう。このようなことが無ければ家族連れでの楽しめる岩場であるが、あまり登られないと苔むして悪くなる。

一つ目のまともなハーケンまで冷や汗をかいて、更に楔を二つ重ねて支点を作って無事ハーケンに届いた。予想より厄介だった。その後は通常に確保されて岩も乾いて気持ちよいが、核心部でありカンテ横の襞を使ってピアッツァ風に登ると同時に細かな足場を選ばなければいけないのは花崗岩特有の感じである。足を滑らせる場所もあり、また手の架け替えなどもあって、難易度五級は当然の評価である。当日の摩擦具合では六級上の摩擦登攀と同じぐらいに難しかったが、最後の乗り越しで再びピアッツァ体勢をとれるなどとても素晴らしいルートである。下部の湿りと潰されたハーケンがとても残念だ。更に上部にもよいカンテラインがあって、草コケがもう少し登られて落ちて綺麗になると素晴らしいだろう。神戸近郊で登った花崗岩よりも断然硬い。

その後最大の岩場に向かう前に手前の二頭のJKTを試した。相棒の町医者がリードしたがったので好きなところを登ってもらった。二本しかハーケンが無いので楔等が必要であったが、的確な設置と戦略に欠けていてほとんどそれにぶら下がっている状態だったが、後続でレッドポイントで登ると結構難しかった。評価は四級下であったが、抱え込むようにする大きなアンダーグリップなどもあまり手や腕がなじまなかった。慣れもあるかもしれないがそれに反発力を加える足元も滑りそうな感じであまり余裕は無かった。抜け口の割れ目はまた素晴らしく、一箇所ある立派な手がかりだけでは乗り越えられずにその横に突き刺さったような石を手がかりにして乗り越えるのだった。この難易度では考えられないほど素晴らしい登攀である。

その後、お目当ての最大の岩場を訪れて頭の見晴台から懸垂下降しようとしたが下部の大きさや長さが見当がつかず歩いて取り付き点に向かった。回り道をしてそこに着いたときには日が暮れようとしていた。しかし、写真で見たよりも立派な岩壁で、フランケンで見たドイツ最初の5.13だったかクルト・アルベルトの拓いた岩壁に似ていた。もちろんそこの石灰岩とは異なって更に素晴らしい輝きで、オヴァーハングを含めてまだ開拓の可能性があるように思えた。

全体としては、態々シュトッツガルトから偵察に立ち寄った若い男に出会ったように、またここの価値が見直されてきている様子があって、当日は他のクライマーとは出会わなかったが、もう少し皆が登ることでルートが磨かれてくるものと想像する。

午前中の濃霧の雲海も消えて、摂氏20度を超えた晴天に汗を掻いて、帰りにシュヴェービッシュ牛の腰肉ステーキを食して、就寝前にほうれん草ピッザを食した。朝、峠までの登りを22分3450歩で流して、帰って体重を量ると71.9KGであった。筋肉痛など結構きているのである。そして体が焼けるようだ。それほど筋力を使ったようには思わないのだが。まさか花崗岩の放射能ということは無いとは思うのだが、少なくとも標高700Mを越える場所の白っぽい岩肌の直射日光の反射は小さくなかったかもしれない。




参照:
黒い森の花崗岩を吟味 2014-10-07 | アウトドーア・環境
フランケンのオーバーハング 2014-08-05 | アウトドーア・環境

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