Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

索引 2022年06月

2022-06-30 | Weblog-Index



カオスのおもしろさ 2022-06-30 | 音
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想定が進む列車旅 2022-06-26 | 生活
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合理的に往路を創造 2022-06-24 | アウトドーア・環境
悪魔に取り憑かれるか 2022-06-23 | 文化一般
洗礼のような仮死化 2022-06-22 | 女
オペラのメソード 2022-06-21 | 女
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年数回だけの指揮活動 2022-06-08 | 文化一
かっと眼を開いて聴く 2022-06-07 | 女
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多様性の音楽芸術環境 2022-06-05 | 暦
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専門的な値踏み感覚 2022-06-03 | 音
視神経に訴えるウイルス 2022-06-02 | 生活
谷の見晴らしの良い所 2022-06-01 | 試飲百景
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カオスのおもしろさ

2022-06-30 | 
マンハイム中央駅の十五番線に14時10分過ぎには立っていた。30分発だったのでそれほど早い時刻ではなかったが、フランクフルトぐらいで大きな遅れがあれば対抗策を打つためである。暫く待っていると表示が出て来て、10分ほど遅れの感じだった。先ずは一等席の場所が印刷表示とは異なり電光表示では反対向きになっていた。そこから三本ぐらいが入る順番に入れ替わりになる。一つはTGVでバーデンバーデン経由のマルセイユ行きだった。流石にそれが出ると南仏の女性たちが前に出る。声を掛けてみないと確認はできないが、様子を見ていると雰囲気から地中海の人たちで嬉しかった。車で動いているとこれだけのインターナショナル性は無くて、精々ベネルクス諸国の人が多いぐらいだ。名俳優タチの映画ではないが、これを時間速度を変えて映し出すと人の列が前に行ったり後ろに行ったり交代するのが見えるだろう。

そしてその駅内放送が勿論フランス語でも英語でも流されるのだが、そのカオスさは素晴らしかった。ゲーテインスティテュートなどの語学学校の試験ではそれが聞き取れるようになると外国人として住むためのドイツ語力として認定される。しかし、あのカオスの全てを聞き取るのは余程頭が冴えていないと駄目だと確信した。勿論自分に関心があることだけをそこから自動的に掴み出すという作業が味噌なのだろうが、情報とはどのようなことだろう。

月曜日の新制作「ルードンの悪魔」の評が出てきた。その音の情報氾濫をどのように扱うのか扱えるのか、勿論ペンデレツキの楽譜は上のホームの上の拡声の様なカオスにはない。しかし、作曲家本人が後年には指揮者ユロウスキーに「改訂版で演奏して欲しい」と語っていたように、初版版にはそれなりの過激性があったのだ。指揮者はその時には面と向かって初版版の方がいいとは言えなかったようだが、作曲家本人の当時の自分はその通りだったとする言質を取っていると語っていた。

音楽的に今回の制作の評価をしようと思えば、この改正の意味合いも考えなければ片手落ちとなるだろう。概ね好評で、大絶賛にも近い、しかし音楽的にも芸術的にも切り込んでいる批評は数少ない。私自身もプログラムにまだ眼を通してはいない。しかし当日現場では立ち会えなかった演出家のストーンと指揮者ユロウスキーのインタヴューもオンデマンドで確認した。

そしてこの作品の上演としては、これ以上のものは存在しないとすることに関しては異論の余地はないであろう。少なくともその時点でオペラのメッカのミュンヘンでの音楽監督指揮公演としては成功している。更にこの座付き楽団が現時点では世界の頂点にいることも疑いようのない事実であって、丁度前任者のペトレンコがベルント・アロイス・ツィムマーマン「ディゾルダーテン」指揮で大絶賛を浴びた状況に酷似している。さてその相違は何なのか?今回の制作がバイエルン州文化相が音楽監督ユロウスキーを賞賛するように、今シーズン上演のハース作曲「ブルートハウス」等を凌いで、歌劇場の最高の出来となったのかは議論の余地が既に生じている。(続く

Bayerische Staatsoper DIE TEUFEL VON LOUDUN (EN) ― 英語字幕版




参照:
痛みを分かち合う芸術 2022-05-27 | 音
殆ど定刻通りの往復 2022-06-28 | 生活
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