Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

心を揺さぶる貴く強い振る舞い

2011-05-11 | 雑感
かなり心を揺さぶらされた。天皇陛下ご夫妻の五十キロ圏へのお見舞いの旅はまたもや世界の人々に深く語りかけるに違いない。

宮内庁や首相府の意向などとは異なるものを陛下のお姿に見出さずにはいれないであろう。そこに強く感じられるのは、今回の一連の破局的災害に際する陛下の人格であり、憂いである。

日本政府は「中韓日の首脳会談を福島で」と呼びかけたようだが、まさにこれは破廉恥な政治シューでしかない。陛下の貴い行いと比べるまでもないが、如何に政治家というものがその程度のものであって、それ以上でもないということである。大統領制を考える場合の重要な視座となるだろう。

空気中の放射線量は低下しているとは言っても、降る雨の中で、雨傘を除けて、黙祷するような振る舞いが紛れもなく示すものは下卑た政治には不釣合いなヒューマニティーであり、そこに皇帝であり教皇である天皇の本質を見る思いだ。これをしても如何に明治以降の国家神道の道が歪だったかがよく分る。

明仁天皇に関しては、戦犯でありまた戦後の行幸で歴史的人物として存在感があった父君裕仁天皇の陰に隠れて柔な印象が強かったが、今回の一連の振る舞いから、全くそれが的外れな評価であったことが示された。

手袋をして、恣意行為する住民と渡り合う政治家などとはその品位だけでなく人格としてのその強さが違う。

昨今脚光を浴びて引っ張りだことなっている京大の小出助教がいいことを言っている。避難地域のペットの捕獲に関して、「飼い主にとっては人間に対するのと同じなので、たとえペットの内部被曝から若干の放射能があるとしても、それを飼い主は受け入れるのを理解できる。生きるとはそうしたものだ」と。

まさにこうしたヒューマニズムと、安全デマゴーグを流して偽善を演じる卑しいやつらとの決定的な差異をしっかり見抜かなければいけないのである。なにが彼らを分かつかをである。クリーンエネルギーとか新たなライフスタイルとかの議論は、こうした人格としての立ち位置の基礎に根ざした社会があるからこそなのである。



参照:
高まらない緑の運動の背景 2011-04-28 | マスメディア批評
天皇陛下!万歳!万万歳! 2011-04-06 | 雑感
健康・環境被害とは風評なのか? 2011-03-19 | アウトドーア・環境
咽喉元を突く鋭い短刀 2008-08-24 | マスメディア批評
軽蔑される浅ましい輩 2008-08-13 | マスメディア批評
非人間的な近代と優しい新環境 2011-02-26 | アウトドーア・環境
日本人よ、恥じを知れ! 2011-03-25 | マスメディア批評
脱東京、脱原発、脱近代 2011-03-16 | アウトドーア・環境
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