Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

脱東京、脱原発、脱近代

2011-03-16 | アウトドーア・環境
危機管理能力とは最悪の場合を想定して行動出来るかどうかの想像力の問題であろう。世界のジャーナリストは東京を脱して阪神に移動した。脱関東、脱東京の流れは、公共交通機関・自動車網の交通量の絞り・開放の制御をもってパニック無しに進行しているようである。已む無く仕事の関係で東京を離れられない者を除いて、経済的・時間的に余裕のある子供を含む家族は南へ、関西方面へとまた海外へと脱出が粛々と進んでいるとドイツでは報道されているようだ。しかしネットで注視する限り、これは日本では報道されておらず、ただ東北から首都圏への難民の流れしか触れられていない。まさに、この点が危機管理と報道・交通規制の実態のようである。

NHKなどもあれだけの航空映像を提供しながら空気中の放射能量は報道していない。自衛隊などが、大気中の放射能量を把握しているのは当然のことであろう。今回はチェルノブイリの場合とは異なり主に水蒸気として発散するので、少なくとも三十キロ圏の地上、低層と中層の各々定点四箇所(容易に気球を使う事も出来る)の刻々の数値を速報しておくべきである。首都圏に取り残される者はそれを基準に判断が出来るに違いない。一体なにのための線引きなのか不可解である。日本社会の隠匿性は今回も世界で盛んに批判の対象となっている。

この時点で、既に六機全ての原子炉の溶炉とその使用済み放射性物質を閉じ込めることは不可能となった。要するに一時的には制御可能となっても、高い放射線で現地で活動が出来ないので、それらを収束するまで閉じ込めることは不可能となっており、この先少なくとも数ヶ月間は首都圏は風向きなどを見ながら被爆の度合いを測る生活を余儀なくされることになる。首都機能を維持することは不可能となっている。

そこで考えられるのは南海・東海地震の可能性の無い京阪神に暫定的に首都機能を移すことであり、その方針を早めに出すことが、経済・社会・政治的な障害を最少に留め、クリーンな日本の再建に最も早いと思われる。まさにそれが危機管理なのである。



参照:
ルフトハンザ成田発着最終便 2011-03-15 | アウトドーア・環境
輪番停電という外出禁止令演習 2011-03-13 | マスメディア批評
東京への旅行を控えるように 2011-03-12 | マスメディア批評
脱リビア、脱毛、脱貧困 2011-03-01 | 歴史・時事
脱思想・脱原発・脱体制 2008-01-29 | 歴史・時事

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5 コメント

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悲しみ、疑惑、怒り (next dream)
2011-03-16 23:41:33
激震、広域(超)災害直後からの報道、特にTVでの情報は、疑惑、何かを隠していると感じられる、ものばかりです。今日、現在では放射性物質から放射線へと内容が変化したにも、関わらず対処方法は子供騙しでパニックを恐れているのか、又は全く違う思惑なのか、真実を報道できるだけの勇気を見る事は難しい。初期、到着の米軍は三陸沖から北海道近海へと避難したらしく、その後に被災地範囲に戻ったのか不明、50数カ国と報道された各国からのレスキュ-、災害援助チ-ムの動向も殆ど報道されず、自衛隊の耐放射能・防護服を警察・機動隊が借受けて原発事故・現場で放水とか?在日米軍が、日本側の対応を看かねて専門チ-ムを投入、活動を開始したとか、放射線数値の測定を日本側とは別個に測定を開始するとか、日本政府は各国から信頼を失い始めたかも知れません。

娘の携帯には、こんな時にと感じる偽情報や詐欺メ-ルやヒトデナシ達からの怪しいメ-ルが、続々と着信。。。。東日本・大震災、以降、長野県から静岡県まで幾つもの不安な地震が多発。。被災地とは遠く離れた、各都市で無用な買占めも。。。。
そうですよね (pfaelzerwein)
2011-03-16 23:58:16
私が恐れているのは本当のパニックでしかありません。今の情報操作、報道規制では、まことに残念ながら時間の問題です。

子供騙しで護ろうとしているのは虚構でしかない首都機能でしょう。人は事実を見つめる事できっと光りが見えてくると思います。そうですよね。津波で生き残った人達の方がそれを知ってます。しかし、彼らが生還して見るものは闇でしかありません。
『下北の悪魔』から・・・・ (next dream)
2011-03-17 00:46:47
随分と昔に、交友関係から手元に届いた本とも呼べない薄い小冊子の題名です。今は、その『悪魔』の意味を理解できます。
ほんの数年前の『柏崎刈羽、震度7』あの警告は無視されたのだと・・・明治から東北は、犠牲にされて来たと、そして反原発の声は弾圧・無視され、この柏崎原発・用地の売却益4億円は、あの田中角栄(元)首相へ流れた問題はメディアは詳しく報道しない。地震国で原発と共存する為に、云々は根底から間違っていると言わない、言えない学者たち、メディアの論客とは?

新潟日報社特別取材班『原発と地震/柏崎刈羽・震度7の警告』再読しようと思います。

真実を隠せば、隠すほど・・・悲劇は増長、拡散し混乱は拡大する。この数日、報道各社の中で誰かが反旗?真実に近い情報をネットで暴露しないかと・・・東電社員の家族が、僅かですが現場で働く作業員の壮絶、悲惨な覚悟を伝えています。今この時も、被災地で乏しい食料、支援無く危険極まりない作業を必死で、、、映像に出て来る社員、広報担当者、幹部達は、何時の日にか重い責任を負うべきでしょう。メディアにも、それは言えるでしょう。


被災地、被災者の側に立つ報道従事者は本当に少ない。独からの緊急支援チ-ムが戻ったと、初めて知りました。
多分、もうすぐ株価が、どうの、輸出品や観光は大丈夫とか、そんな話題に情報がシフトし出すでしょう、失った信頼とか安全神話(その神話そのものが、元々はしかった)を回復するのは難しいでしょうね。この災害は、メディアから報道されている以上に悲惨で、日本に住むことの意味や、多くの人に、言い知れぬ不安さや疑念をもたらしそうです。

今は、大きな犠牲で保つ事が可能かもしれない、?未来を見つめるしかありません。
自分が何を出来るか、再び考えなくては。
海外メディア一部撤退 (やいっち)
2011-03-17 01:16:46
「海外メディアではこれまで、被災者の忍耐強さや規律正しさを称賛し、激励する論調が主流だったが、原発の事態悪化につれて、悲観論が目立ってきた」とか「同原発で注水作業などにあたる作業員数が約50人まで減らされたことについて、15日の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、「大惨事の防止をあきらめたように思える」との専門家のコメントを掲載」だって:
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110316-OYT1T00840.htm

お金持ちはともかく、清貧な(?)生活を送る小生は、最後まで日本に踏みとどまる…しかない。
残念ながら、もう駄目です (pfaelzerwein)
2011-03-17 07:03:08
next dreamさん、「作業員の壮絶、悲惨な覚悟」も、「ハイエナ経済」の話しも今晩の独日協会の話しに出ましたが、もうそれどころの話しではないです。事故は誤魔化しでは収束しません。被爆による病弊や環境汚染は、高度成長時代の公害とは質が違います。すんなりと平常化へと移行するプロセスなどは311にはないと思いますよ。行き着くところまで行って仕舞いました


やいっちさん、」あきらめたように思える」の原文は読んでいませんが、昨日のヘリ放水や今日の高圧放水車などはただの子供騙しの時間稼ぎの芝居でしかないからでしょう。

しっかりした避難のあり方を示さなかったことが、パニックとなる時にプルトニウムのように脂を注ぐことになります。日本の方はもう既に身体に放射能を慣らしたのでしょうか?残念ながら、もう駄目です。

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