割と早く、病院に着いても安心は出来ない。いくらでもと言っていいくらい、早い方がおら
れて、その競争に参加しようという考えはない。後は、待つしかないが、この待つのというのが、
特に病院の場合、どこかへ見学に行くわけにもゆかず、また早々おしゃべりも出来ず、いつ自分の
番が来るか、わからないでもない。が、そのときが近付くと、トイレに行きたくもなるという
状態なので、だから病院なのだが、それが今回は、もしかしたらすっと行くか、という期待はあった。
病院というのも、安心出来るようで、今は流行の病気があるから、もしかしてそこでウイルスを
もらうということも十分に考えられる。だから、出来るだけ滞在時間は短いほうがいい。特に
むつかしいことでもない。ある種の薬を飲んでいるが、それだけでよくはならない。まー、
でも飲んだほうが、というか、これが助けになるのも事実で、お医者さんに行く。ここは大病院
である。でも早く行くと、これもいろいろ事情があるが、今だかって一番に診てもらうという
ことがなかったか、というと、あったかも知れない。これはいい調子だと思う。するとその後の
用事も割りとうまくいって、多少は街の雰囲気も味わえる。
ところがである。この最近は、段々と早く来る方が多いのと、なぜか時間がかかる、という
場合がある。それで、待ち時間が増えるが、さてそこで本を読むなど出来ない。ある時間になると、
ぐっと患者さんというかお客さんが増える。するといろいろな話し声が聞こえる。たまに後の方
を見る。ギョッとというくらいに、お客さんの数は増える。あれあれという感じである。マスク姿
の方、小さな子供と一緒の方。車椅子の方、いろいろ。でも時間とともに人の数は増える。一時、
この大病院はすいている方だと思ったが、それは勘違いである。とんでもない。
で、診察が終わって処方を待つ、会計も一緒で、次回の予約もある。複数の科の受付を一つの
カウンタでやるから、ときに混雑する。これも、それほど混雑することもなかったが、今回は、
割と早く病院には着いたものの、診察の待ち時間はしょうがないとして、その後の事務処理でも、
ずいぶんと待たされて、その間に、何度、何とか科の何とかさんという呼び声を聞いたか、それこそ
通勤電車並みの混雑の仕方で、頭が痛くなった。その中から自分の番号を聞き取るのに、耳を
縦にしたり横にしたり、斜めにしたりして神経を集中した。その間、100という数くらい、番号が
呼ばれて、ようやく自分の番号も呼ばれて機械とかが壊れていないことがわかり、また受付の
方にも、ご苦労様でしたと、ゆっくりとした声でお礼を言うことも出来た。
言葉が右に左に、上下に、飛び交うとはこうゆうことか。せりの緊迫感はないが、それでも
かなりの数の中に、自分の番号は一つで、もう少しゆうと、受付の方も、かなり疲労困憊して
いるのではないか。中には、お年を召された方にしかられるという場合もあるようで、これは
たしかに医療関係の従事者も疲れるが、そこに行く人も、疲れる。
もう少し、多い少ないを考えて、やればいいと思う。ことしから、4月から、こちらの科が
移動したところが混雑の激しいところなのである。これがわからない。
妙な感じもするが、見舞いというと、特に何かに拘束されることはない。無論、家族である
とかいう、そうゆうことは最初に確認されるけど。その後は楽である。で、診てもらう本人は、
というとうまくいった、と思うのは早く終わったときであって、これも妙なものだ。後の方に、
ずいぶんとたくさん待っている方がいた。あの方々はどうなったのか。
記憶でいうと、もっとも長く待たされるというのは、午前の病院の「始まる時間」に初診で
いって、診てもらったというのが、午後の2時過ぎというのが、大体限度のようで、それより
遅くなった記憶はないかなー。そうゆう我慢が出来た時代があった。なぜか今は待てない。
薬局に行く。するとここはさほど込んでなかった。決めているところである。インフル
エンザのことについて、薬剤師の方に聴く。かかる人は、若い人が多いようですねー、そのよう
ですが、高齢の方もやはり受けたほうがいいですね。もっともである。高齢というのは私の
母の話しである。で、普通のインフルエンザのワクチンの接種というのはどうなるのでしょう
かねーとも聴いてみるが、これは野暮な質問だったかも知れない。そこはすいていて、込んでいた
病院の人の行き来の姿がまだ残っている。まったく、通勤電車。
それから、他の用もあるし、そうは気も抜けないが、いつものポケ・カメ、でときに立ち
止まって、街の表情を撮る。ちゃんと歩道もあるが、何と上を見ていて、側溝に、さほど広くは
ないが、あるところに金属の覆いというか、蓋というか、そうゆうものがないところもあって、
危うく足を突っ込んで、こけそうになった。それ以上はどうなるか想像したくないが、上ばかり
見てはいけない。安全確認をして、ポケ・カメもやらんとあかんと、自分を戒めた。
まったく、陥穽というのはどこにでもある。
街のブルーというもの。
いい天気で、快晴で、山もよく見えてという日だから空も青い。真っ青。
ケヤキの紅葉もあるかも知れない。
緑の葉も、だんだんと色付く。街の紅葉。
やけにきれいではないか。
これはきれいだ。
こちらは、少し赤茶色、赤みさえある。
再び、ブルー。
この辺りで、蓋のない、金属の蓋のない、側溝にはまりそうになって、ただ
よろけただけで済んだ。危ないこと。クワバラである。あー嫌だ。
どこまでいっても、青い。青いというより、ブルー。