名古屋から発するブログつぶて・凡人のひとりごと

身の回り、世間のできごとをを日記風に記す(紙つぶてならぬブログつぶて)。

2020年東京五輪開催費用について思う

2016-10-21 21:23:08 | Weblog
2016.10.21(金)
 小池百合子さんが都知事に就任して突然、2020年の東京オリンピックの開催費用の問題と築地市場の豊洲新市場への移転問題が大問題となって、連日のごとくメディアを賑わしている。
 そのうちの東京オリンピックの開催費用について私見を述べたい。
 そもそもIOC への申請段階では開催費用は、総額7,000億円とか8,000億円といわれていたように記憶している。それが小池都知事が就任して、突如というか実は3兆円にも膨らんだということがマスコミで報じられるようになった(あるいはもっと前にもそうしたことは言われていたかもしれないが、一般国民は知事が代わったことによって明るみになったと理解している)。
 これには誰もが驚いた、いや驚愕したという表現の方が適切であろう。3兆円というのは平成28年度東京都一般会計予算7兆円余の43%に相当するし、名古屋市のそれが1兆円余であるから3倍である。わずか半月余りのオリンピック開催のために、名古屋市の予算の3年分を使い果たすというのだから、もうこれは正気の沙汰とは思えない。
 東京オリンピック招致を進めてきた猪瀬直樹前々知事も舛添要一前知事も知事在任中にこのことを全く問題にしていなかったのに、小池知事になった途端に大問題になってマスコミも大々的に報じるようになった。
 さすがの小池知事も巨額の税金を使う訳にはいかないとあれこれ見直しに手を付け始めた。その一つがボートとカヌー・スプリント会場の変更である。
原案では、東京港中央防波堤内側及び外側埋立地間の水路に新しく整備される施設で、海の森水上競技場といわれているが、整備経費は約500億円に上るといわれている。そしてすでに今年7月には着工されている。
 これに対して、小池知事は宮城県登米市にある長沼ボート場を候補に乗せ、先週15日には現地を視察した。当地宮城県の村井嘉浩知事は早速これに協力する姿勢を示し、選手村経費を含めて200億円で賄えるとの提案をした。その他、埼玉県からも彩湖などの提案がある。
そして18日、小池知事は来日したIOCのバッハ会長と会談した。会談は有効裡に終わったようだが、バッハ会長は一言、東京は実施計画を示して他の国に勝利したことを忘れてはいけない、と述べたという。もっともな発言ではある。
 ボート・カヌー会場一つとってもこのように難題があり変更は簡単ではない。
 初期の7,000億とか8,000億という金の内訳を知らないが、そもそもメイン会場である国立競技場の改築自体が、今から思えば間違いのもとではなかったか。外国人の設計を一旦は採用しておきながら、すったもんだの末、設計のし直しという事態をひき起こし、醜態を演じた。当初案では3,000億円を要するといわれたがあまりに高額で、結局1,500億円余で執行されるという経緯をたどった。これとて今後どれだけ膨らむか予断を許さない。
 ともかく3兆円の内訳が具体的に示されたということを聞いていないが、組織委員会もスポーツ団体も本気でこんな大金を使うつもりなのであろうか。オリンピックの開催は都市ということになっているから、東京都が最終責任をとることになると思うのだが、国はどれだけ負担するつもりがあるのか、都民はそれだけの巨費を負担してもよいのか、誰もまともには考えていないとしか思えない。
 ボート・カヌー会場だけでも500億とか200億とかいわれているが、筆者の庶民的感覚でいえば既存施設について、それこそ数億円もかけて改修すれば良いように思えてならない。現実に国内競技はその会場を使って実施されているのだから。一部政治家やスポーツ関係者の欲望のために税金を無駄遣いしてもらっては納得できない。
こういう巨費をあれこれ言っていると、河村名古屋市長が主張してやまない名古屋城の木造復元費用の500億円など小さく見えてきて(木造への復元に賛成するわけではないが)、どうぞ復元してといってもいい気分になる。