8
勝平の記憶。
誠は、父の勝平から聞かされていた。
朝鮮人の長太郎の親たちが教室にとびこんできたことがあった。
敗戦から間もないある午後だった。
生徒たちは昼食をまだ食べていた。
彼らは、竹刀や木刀を手にしていた。
「いまは戦争中ではないのよ。
それがワカラないのか。
日本はとうのむかしに負けたのよ。
あれから何日たっているのよ。
わからないのか。
うの息子を差別していたぶるなんて、おかしいよ」
まず担任の橋田先生が勝平たちのみている前で殴られた。
竹刀でたたかれた。
橋田先生も黙ってはいない。
すさまじい乱闘となった。
ビュと竹刀が鳴った。
先生の足が。
――うちおろされた竹刀のしたで。
おかしなふうにまがった。
先生がうめいた。
イジメに参加していた生徒がつぎつぎにおそわれた。
勝平に竹刀をふりあげた父を太郎がとめた。
「ちがうんだ。
勝平くんだけは、ぼくを殴らない。
殴ったことがない」
そのあとが災難だった。
竹刀でなぐられなかったので。
いじめは勝平に集中した。
朝鮮人に向ける差別が勝平に向けられた。
勝平と太郎はそのかわり無二の親友となった。
その友情はいまもつづいている。
父にも学校は地獄だった。
学校はいつでも地獄だ。
誠は学校にいくのは苦役だった。
学校が、教室が地獄になった。
四十数年にわたり北小学校に君臨した橋田先生が……悪魔だった。
クラスは小悪魔にみちていた。
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それがワカラないのか。
日本はとうのむかしに負けたのよ。
あれから何日たっているのよ。
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うの息子を差別していたぶるなんて、おかしいよ」
まず担任の橋田先生が勝平たちのみている前で殴られた。
竹刀でたたかれた。
橋田先生も黙ってはいない。
すさまじい乱闘となった。
ビュと竹刀が鳴った。
先生の足が。
――うちおろされた竹刀のしたで。
おかしなふうにまがった。
先生がうめいた。
イジメに参加していた生徒がつぎつぎにおそわれた。
勝平に竹刀をふりあげた父を太郎がとめた。
「ちがうんだ。
勝平くんだけは、ぼくを殴らない。
殴ったことがない」
そのあとが災難だった。
竹刀でなぐられなかったので。
いじめは勝平に集中した。
朝鮮人に向ける差別が勝平に向けられた。
勝平と太郎はそのかわり無二の親友となった。
その友情はいまもつづいている。
父にも学校は地獄だった。
学校はいつでも地獄だ。
誠は学校にいくのは苦役だった。
学校が、教室が地獄になった。
四十数年にわたり北小学校に君臨した橋田先生が……悪魔だった。
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