田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

襲われたバラ園2/さすらいの塾講師 麻屋与志夫

2010-11-03 10:20:32 | Weblog
7

「ミイマ! おさき」
「さきいくね」
翔子、玲加、百子とガールズがつぎつぎとミイマを追い越していく。
半死の作業員からは林の奥という情報しかうけとれなかった。
ミイマはGGに抱き起された。
顔に血が斑点のようにへばりつき凄惨な表情となっている。
「この奥よ」
「それにしても静かすぎる」
走りながらミイマは顔をぬぐっている。
先行した美少女軍団の姿が樹木の影にみえる。小さくなっていく。
「さきいくね」
ミイマは先ほどガールズにかけられたと同じ言葉をGGに残す。
体がファッと浮かぶような感じだ。
Vウォークだ。
シャキ、シャキと高速カメラでとらえた映像のような走法。
みるまにガールズに追いすが。
追いぬく。「さきいくね」とは声はかけない。
そんな心の余裕はない。
『おとうさん、どうなってるの』
父の側近は十人はいる。
マインドバンパイァだから吸血行為はしない。
あとの能力はBV(ブラックバンパイア)と同じだ。
緊急事態のときはそれらの能力が発動する。
戦っても互角だ。
足もとに作業員が何人も倒れている。
「オバサマ、どうなってるの」玲加だ。
「わたしも能力に目覚めたみたい」玲加がミイマに伴走していた。
『血は争えないものね。玲加は歴女だから奈良の都で起きたこと、平安の都で起きたことを思いだして。あのころから鬼の動きが活性化したのよ。その空気をここで感じるの』
思念で会話していた。
頭から頭に伝わる会話だ。
雷鳴がふいに轟いた。
いや空は藍色の薄闇だが雷雨の気配はない。
雷鳴が轟き渡っている。
でも、これは雷鳴なんかではない。戦いの雄叫びだ。
着いた。東屋のある広い空間。結界がはってある。
父がBVにとりかこまれている。
父の配下もたたかっているがBVの多さに父の護衛につけないでいる。
ミイマは血路を開いて神代寺一族の長、父のとなりにかけよる。
『よく来てくれた』
父のことばが脳裡に沁みた。
青白い粘液がとびちって大地を汚く染め上げている。
足場がねばねはする。気持ちが悪い。

「あんたら、どこのもの。どこの一族なの。わたしたちが神代寺一族と承知の上での襲撃なの!!!」

不気味な沈黙。
翔子と百子、ガールズが参戦する。
数の上からいっても負けてはいない。

「あたいたちをなめないでよ。大江山や戸隠までデパって鬼と戦った忍法よ」
という百子のセリフが勇ましい。


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