田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

幻のカレーライス3  麻屋与志夫

2023-06-08 07:02:38 | 
6月8日
幻のカレーライス
3

あの日あの時のことを日記につけた
「ここからこの日の彼女のことから小説を書こう」
彼女は、なぜ故郷にかえったのか
待っている男がいたのだろうか
いまだに彼女はぼくの小説にはあらわれない
ぼくはいたずらに肥厚しレストランのマスター
川澄さんの激辛のカレーライスをたべても
涙はうかんでこない
今日もぶじ
なにごともなく閉店することができた
なにもおこらなかった
それを幸せとする歳になっている
二階の照明を消して
階下への
階段を下りよう 
                完



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