田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

一度きり会わないひと。 麻屋与志夫

2020-11-21 09:06:41 | ブログ
11月21日 土曜日

●ラッキーストライクの赤いマークがめにはいった。ベニマルのレジの脇タバコ販売のケースの中にならんでいた。チラッとめの隅にうつったパッケージデザインはわたしを七十三年前にひきもどした。

●わたしは中学生、朝鮮戦争の起きる前で日光にはGIやアメリカからの観光客であふれていた。通訳になりたくて、愛波英語研究所に籍をおき、土曜日と日曜日には日光に通いつめた。観光客に話しかけて英会話の実践、エクササイスに励んだ。テープレコーダーなどない時代だった。

●日光高校の女子学生がわたしと同じように外人に話しかけて、英会話の勉強にはげんでいた。

●「がんばってるわね」と励ましてくれた。わたしは彼女にはげましのエールをかえしたのだろうか。彼女はあれからどんな人生をおくったのだろうか。英語で身をたてることができたのだろうか。

●国連に勤めているという、ミス……としりあった。クリスマスにプレゼントを郵送してもらった。ついこないだまでは、名前をおぼえていたのに、すべての記憶が薄らいでいく。

●チラッとめについたラッキーストライクのパッケージ――瞬時に、回想が脳裏をかけめぐった。GIのみなさんから、よくラッキーストライクをもらった。それをもちかえって近所のみなさんにわけてあげた。わたしは町の人気者になった。

●一度きり会わない。それでも記憶にながくとどまる人々がいる。
なんでもないような、タバコのパッケージのデザインがいまだに記憶に残っていいた。



●わたしの作品は角川BOOK WALKER 惑惑星文庫で読んでいただけます。

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