ねこ庭の独り言

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近代中国は日本人が作った - その 1

2016-08-19 17:45:19 | 徒然の記

 黄文雄氏著『近代中国は日本人が作った』( 平成17年刊 ワック株式会社 )を読了。

 複雑な気持ちで読み終えた。歴史認識がない、侵略の過去を忘れたのかと、中国と韓国・北朝鮮がわが国を責める。残虐の限りを尽くしたと、日本軍の悪逆非道が非難される。

 だが氏の書を読むと、事実が逆転する。数字の裏づけを持って過去が示されると、中国、韓国、北朝鮮の主張がどれほど一方的なものかが分かってくる。最近は、こうして日本の過去が見直される書物が出版されるようになったが、これも時代の流れなのだろうか。

 中学生や高校生だった頃は、「日本は中国を侵略し、韓国を植民地化し、酷いことばかりやった。」「隣の国を荒らし回り、弾圧し、言語に絶する苦しみを与え、深い恨みを買っている。」という、新聞や本の思い出があるばかりだ。だから、日本人であることが恥ずかしいと、そう思って生きてきた。

 昭和61年、中曽根内閣の文部大臣だった藤尾氏が、「南京問題はデッチあげだ」と発言して大問題になり、散々こき下ろされた挙句に罷免された。昭和63年には、奥野国土庁長官が、「日中戦争で、日本に侵略の意図はなかった。」と発言して、即座に罷免された。

平成7年の村山内閣の時、江藤総務庁長官も激しい非難の中で罷免された。氏の発言は、「日本は植民地時代に、悪いこともしたが良いこともした。」という、それだけのものだった。平成20年には、中山国土庁長官が、「日教組は日本の教育の癌だ。」と言って罷免された。

 日教組は、日の丸と君が代を軍国主義の象徴として唾棄し、日本の歴史を悪とする教育を子供たちに教え続けている。私から見ても、国民をダメにする反日・亡国の教職員組合だ。しかるに、当時の自民党は、世論に迎合し、中山氏を除名処分にした。

 氏が大臣を罷免された平成20年と言えば、今からたった8年前のことであり、この本の出版された3年後の話だ。この事実から推察しても、黄氏の意見は国内に広まっておらず、私の意見も少数者のものと理解できる。残念でならないが、これが今の日本なら、じたばたしても仕様がない。

 黄氏の意見を、こんな見方もあるのだという意味で、若い人達には知ってもらいたいと思う。

 「戦後、日本侵略を糾弾する歴史認識が、近隣諸国から強要されている。」「日本が80年間、東アジアで果たした役割や貢献を、」「文明史的観点から、冷静、客観的に見直そうという作業は、ほとんど行われていない。」「 " 日本は侵略国家ではない " と言うだけで、非難轟々なのだから、 」「 " 日本帝国のアジアへの貢献 " においておや、だ。」

 「かって日本人は中国で何をしたかという問いに対し、」「若い世代が、" 侵略戦争 " と答えるのは、日中共通だろう。」「だが日中100年戦争と言われる、日清戦争、北清事変、満州事変、支那事変でさえ、あっという間に終結し、この100年間、実は中国が内戦に明け暮れていたというのが、史実である。

 ここまで言い切って良いのかと、私すらためらうような結論で、氏はこの本を締めくくっている。「日中戦争とはむしろ、日本が中国の内戦のブラックホールへ吸い込まれたというのが実相であって、」「日本はむしろ、中国内戦の被害者であったと、私は断言する。」

 「文明史から見れば、日清戦争以降の百年来の日中関係の本質は、」「戦争というより、むしろアジアにおける第二の " 文明開化 " の波を、」「中国が日本から受けていたという事実にある。」「そうような見方こそ、当時の歴史の主流からしても、確かだと言える。」

 現在の日本では、日本人自身ですらこのような意見を受け入れていない。というより、敗戦後の、徹底した連合国による日本弱体化政策のおかげで、氏が語る事実さえもほとんどの国民が知らない。一部の保守思想家が知っているのかもしれないが、国内の隅々にまで行き渡った「日本人悪業神話」のため、彼らも口をつぐむしかないのだろう。

 事実の一面を語っただけで、罷免された大臣たちを思えば、敗戦後の日本は、誠に奇妙な国に成り果てたものだ。いつの日にか、黄氏の意見が主流を占めるようになったら、人でなしのように扱われた罷免大臣たちが、実は「憂国の士」だったと、見直される日が来るに違いない。平成28年の現在、私を乗せた日本丸は、まだまだ敗戦後の大波にゆられ、失った祖国の島影すら捉えていない。

 私は本の著者である黄氏に感謝すると共に、今は亡き叔父にもう少し大きな感謝を捧げる。私の知りたかったことが、この本に詰まっており、知る喜びを噛みしめる。

 喜びを共有してくれる人がいるのか、いないのか、まあそれは、どうでも良いだろう。自分の心の足跡として、黄氏の本が与えてくれた知識の続きを、あと一回だけ綴ってみよう。暑さで参っているが、そんなことは言っておれない。

 

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3 コメント

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一方の了見だけではダメだ (HAKASE(jnkt32))
2016-08-19 21:03:39
今晩は。黄 文雄さんは、大変優れたご見識をお持ちだと心得ます。
亡き音楽家 黛 敏郎さんが生前仰っていたんですが、
戦中の日本は、それは負の所もあろうが、中韓などで
社会資本整備など、良い事もしている、と。
今思うと、黄さんや黛さんのご見解の方が、真実に基づいているとの意を強くする所です。
日教組の歪んだ教育には、拙方も苦しめられました。
歴史の勉強が、終いには嫌になった記憶がありまして。
中韓などの政府見解も、基本はそれと大差なく、あわよくば、我国を世界最悪の暴力国家だった様に喧伝したいのでしょう。
勿論、史実とは違い、ここの所は我々日本人も強く主張して参らないとって所ですが。
どちらにしても、一方の一方的了見だけではダメで、多くの意見や情報を出し合って検証し、本当の所を見極める姿勢が大事かと思います。
まあ、今のままでは中韓は「話にならない相手」と見られても仕方がないかもですが。
確実に信じられる事は、先の大戦で我国のした事は、
全てが侵略ではなかったと言う事でしょう。
このつまらない対立が元で、多くの有能な閣僚の方々が、辞任に追い込まれたのは遺憾です。
双方の見方 (onecat01)
2016-08-19 21:46:17
HAKASEさん。

 双方の意見と、双方のデータが必要ですね。
敗戦という負い目を追って以来、現在の日本では、片方の意見ばかりが流布いたしました。
私たちが賢くならなくては、いつまでも歴史が取り戻せません。理想は高くては低くという言葉があります。胆力のある指導者たちが、有無を言わさず処刑されて以来、現実を見る意見が消えてしまい、言葉だけの平和や人権が世の中に溢れるようになりました。

 やはり国際社会は、非情なものです。それを改めて知らせてくれたのが、黄文雄氏です。

貴方のコメントを、ありがたく読ませていただきました。
修正です (onecat01)
2016-08-19 21:48:37
HAKASEさん。

 誤 理想は高くては低く

 正 理想は高く手は低く

      すみませんでした。

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