李栄薫教授の講義の続きです。
「このような悲壮な気分になった時、私は1904年に青年李承晩が、港城監獄で書いた、『独立精神』と言う本を思い出しました。」
1904年は明治37年のことで、日露戦争が始まった年です。何の罪であったのか、その頃若き日の李承晩が監獄に入れられていたのです。別途調べてみますと、李承晩が入獄していた1904年は、李氏朝鮮が日本と「第一次日韓条約」を結び、日本の保護国となった年でした。
そうなりますとこの話は、私たちと無関係でなくなります。おそらく李承晩は、日韓条約に反対し、監獄へ送られたのでしょう。反共であると同時に、反日主義者だった李承晩の姿が見えてきます。
さらにで調べてみますと、1909 ( 明治37 ) 年に、伊藤博文がハルピン駅頭で暗殺された時の資料がありました。
「 この時、〈韓日合邦 〉を要求する声明文が朝鮮人より出された」と、記述されていました。今まで私は、日韓併合が日本の意思だけで進められたと思っていましたが、事実は少し違い、朝鮮人の中にも併合を希望する人間がいたということです。この人々がいわゆる「知日派」、つまり「売国奴」です。
知日派問題がすでに当時から、韓国内を分断する重大事であったことが分かります。李承晩は彼らと戦っていたのですから、反日の闘士と言われる訳です。李教授は説明をしませんが、李承晩の敵は欧米列強や清やロシアだけでなく、日本があるのです。
「青年李承晩は、亡国の責任がどこにあるのかを、本の中で問うていました。」「他でもない、嘘をつくと言う悪習と、堕落した精神文化が、この国を滅ぼしたと、絶叫しています。その言葉を、引用したいと思います。」
長い引用ですが、そのまま転記いたします。
「今、この大韓国を台無しにしてしまった、第一の原因は何かと言えば、嘘をつくと言うことがまず一番目である。」「嘘の悪習について列挙しようものなら、限りがない。上の者は下の者を、息子は父親を騙し、他人を欺く者を聡明だの賢いだの言い、人を騙せない人間を出来損ないだの、おめでたいなどと言う。」
「嘘で家庭を修め、嘘で友達と交際し、嘘で国を治め、嘘で世界と交渉すると言うのだから、国の重大な問題がどうして正しく検討し、決定できるだろうか。」
「それで世界の人々は、大韓と清の国を嘘の天地だと言って、公使や領事に選ばれると額にシワを寄せ、頭を振り赴任するのを嫌がるのだが、実に恥ずかしく悔しいことである。」
別の動画で、氏が聴衆の一人に襟首を掴まれ、土下座をさせられている姿を見たことがありました。それでも、こうして自分の国を批判する氏を、やりきれない気持ちで眺めます。
「青年李承晩は、このように言いました。」
氏はここでひと息入れ、さらに李承晩の言葉を続けます。
「人が互いに騙し合い、嘘をつくことを当たり前のように考える国。」「他の国との外交も嘘で成り立たせ、どんな条約を交わしても他国から信じられない国が、亡国直前の大韓帝国でした。」
「そんな国が滅ばないとすれば、一体この世で、どんな国が滅ぶと言うのでしょうか。」
ここで氏は、視聴者に呼びかけます。
「青年李承晩の絶叫が私たちの胸に響くのは、今の大韓民国がこのような嘘の文化、嘘の政治、嘘の外交に転落し、このままでは、再び亡国の悲哀を避けることができないと知るからです。」
「ついにこの嘘は、わが国の司法部にまで深く浸透していきました。」「真実を根拠にし正義の原則に従い、判決をしなければならないこの国の判事たちは、何が事実であり何が嘘なのか、見分けることができない中で、デタラメな判決をめちゃくちゃに出しています。」
「つい先日最高裁合議所は、1941年から43年にかけ日本製鐵で働いていた労務者と、その子供に対し、新日本製鐵に一億ウォンの賠償金を支払えと言う判決を下しました。」
長い話でしたが講義のテーマは、韓国の最高裁による「徴用工判決」でした。現在日本と韓国の間で一番問題となっているのが、この判決です。
これだけでなく韓国との間には、慰安婦問題、軍艦島の奴隷労働、竹島問題、盗まれた仏像の不返却問題等々、多くの日本人が韓国を嫌悪しています。
「徴用工判決」が本論なら、偽証罪の件数や韓国社会の一般状況や、李承晩の言葉の紹介など面倒な手間をかけず、最初から判決の話をすれば良いのにと、初めはそう思いました。
しかし最後まで聞き終えると、回りくどい講義のやり方が納得できました。視聴者が日本人なら、直接「徴用工判決」の話で通じますが、韓国人には通用しません。
周辺の事情を説明し、国際社会や国の歴史や文化から話をしないと、韓国人には伝わらないのです。彼らは一度信じ込むと、それ以外の意見に耳を貸しませんし、直ぐカッとなりますから周到な準備が入ります。それでも土下座の動画を思い出すと、韓国人が意見に耳を傾けるのかは不明です。
「他山の石」と私が言うのは、反日左翼の日本人が韓国人と似ているからです。自分の意見を洪水のように喋りますが、相手の話は聞きません。こう言う人物が政治家になり、国会で活動していますから、まさに「他山の石」です。
次回は、「徴用工判決」に関する、氏の意見を紹介します。