ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

自民党

2010-07-05 22:25:22 | 随筆

 いずれ、自民党に戻る日が来るのだが、当分は、民主党に投票することとした。

 こうした時期に総裁となった谷垣さんには、気の毒と言うしかないが、演説の内容が、民主党への批判と、あら探しばかりというお粗末さが情けない。たかだか半年あまり政権を担当した民主党の政策や、国会運営を批判すればするほど、「ならば、これまでの自民党はどうだったのか」、という反論が生じてしまう。そこに気づかない自民党の議員たちは、それほど国民が愚かだと思っているのだろうか。

 過去の反省の上にたち、自民党はこうすると、消費税の時みたいに踏み込んだ提案を大胆にやってこそ、新生自民党と思うのだが、与党攻撃だけで参議院の選挙を戦おうとする谷垣さんと、そればかりを言わせている自民党の幹部たちが、情けない。

 鳩山さんが、基地問題で軽い発言をし、話をこじらせたことを除けば、国家財政の破綻、官僚依存の政治、政治と金、税金の無駄使い、沖縄の基地、杜撰な年金管理など、現在問題となっているのは、すべて自民党の時代に端を発したもので、どれも民主党を責める材料にはならない。

 真の保守政治家なら、今は民主党に、政治の方向転換を大胆に任せ、時には協力して法案を成立させ、政権党になった時のための、準備をすべきではないのか。憲法改正や、教育改革や経済の活性化は、自民党にしかできないのだし、その時が来れば、組合依存の理想主義が破綻するのは、目に見えている。3、4年の野党暮らしが、なぜ腹をくくってやれないのか。

 マスコミも評論家も口にしないが、政治を軌道に乗せるキーポイントは、いずれの党が、官僚組織をコントロールできるかなのだ。

 「大臣の首がいくら短命で変わっても、日本の政治は基本が揺るがない」と、戦後長く語られた話の土台にあったのは、「世界一優秀で清廉な官僚組織」だった。

 敗戦後の荒廃した国を再建したのは、自民党の政治家と、役人たちであったという事実を、忘れてはなるまい。凡庸な大臣が沢山いても補佐し、身を粉にして働いた官僚たちの、国家への献身と誇りについては、歴史の事実として、記憶しておくべきだろう。

 その官僚たちが金まみれとなり堕落したのは、高度成長期の頃からだ。自民党の政治家たちが、ふんだんに金を使うようになり、役人と組み、税金による錬金術を考案したころから、組織の腐敗が生まれた。だから、マスコミや評論家たちが、物知り顔に、官僚批判だけをする不公平さに、ついていけない。

 賄賂なしでは動かない、どこかの国の役人や、私情まるだしで、家族の利益を追求する官僚たちのいるどこかの国を、思い出してみればいい。そんな国に比べたら、わが国の役人がいかに素晴らしい集団かと、そういう見方も必要だ。

 欠点や悪事をあげつらうだけでなく、善なるものにも目を向け、この巨大で強力な官僚機構を、如何にすれば駆使できるかが、政権の命運を左右する。高級官僚の天下りや、渡りは腹立たしいが、それならば、定年前の退職制度を見直すべきだろうし、やるべきことは残されている。

 自民党の政治家なら、マスコミの口車に乗り、魔女狩りみたいに大騒ぎするのを止め、官僚組織の活性化策を考える方が、先ではないのか。何故と言って、官僚組織を駆使し、国を再建したのも自民党なら、官僚たちを堕落させたのも、同じ自民党だからだ。

 いいも悪いも、そうしなくてならなかった、戦後の事情を知っているのは、これもまた自民党の政治家だから、個々の議員の生命には限りがあっても、永遠に存続する国のため、気を長く持ち、政治に取り組んでもらいたいものだ。

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