写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

商売繁盛

2014年09月21日 | 岩国検定

 8月21日に、「いわくに通になろう」のCD版を発行することについて記者会見をした。その後、全国紙と地方紙合わせて6紙と市報に掲載してもらったおかげで、市民の多くの皆さんへPRすることが出来た。

 そのおかげであろう、思っていた以上の反響があり、連日とはいかないがCDを注文する電話が事務局である我が家にかかってくる。買い求める電話をかけてくる人は年配者が多い。「長年岩国に住んでいるが、岩国にことを何も知らないので勉強したくて……」とか「郷土の歴史講座を受けた時、講師が『いわくに通になろう』という、いい本がありますので読んでみてください』といわれたので……」とか「遠くにいる子どもに地元のことを教えてやろうと思って……」など、購入の動機はいろいろである。

 いずれの人も異口同音に「岩国に長年住んでいるにもかかわらず、岩国のことを知らない。知ろうと思ってもそんな本が見当たらなかったが、このCDのことを知って買おうと思った」という。観光を売り物にしている町には、どこでも、この類の本は発刊されている。「錦帯橋を世界遺産に」と謳っている岩国に、こんな本がなかったので、そんなニーズに少しでも答えることができたことが嬉しい。

 電話が掛って来た時に、必ず確認していることがある。「このCDは、パソコンがなければ見ることができませんが、お宅にはパソコンはありますか?」。パソコンを持っていない人が2人いた。CDということがよく分らない年配者であった。「パソコンはあるのですが、どうすればCDを見ることが出来ますか」という年配の女性も2人いた。

 1人は近くの団地の一人住まいの人だった。出かけて行ってやり方を教えたが、年配とはいえ女性の家に上がるのはやや気が引ける。帰りにカステラのおすそ分けをポリ袋に入れてくれた。お土産付きであった。もう1人は、米軍基地の近くから自転車に乗り、パソコンを毛布に包んでやってきた。

 随分古いパソコンであった。スイッチを入れるとスタートまでしばらくかかる。型式も古くXPであったが何とか立ち上がり、CDを入れるとブーンとうなったあと「いわくに通になろう」の画面が出てきて一安心。CDを挿入してから画面に本文が出るまでの手順をメモしてもらった。「何か困ったことがあったら、電話してもらってもいいですよ」と優しくいって見送った。

 CDの販売は、買い手に念を押したり確認したり、パソコンの手ほどきをしたりなどはあるものの、まずは順調な売れ行きで進んでいる。さてこんなことで一体何枚売れるだろうか。楽しみにしている。