まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ十字軍運動NEWSLETTER-第151号-

2006年10月27日 |  マツタケの林地栽培 
新しく手入れを始める澤田山植生




第65回(10月27日)報告

 本日は、天気も良く、多少暑い感のある一日でした.先ずは岩倉香川山に集合、そのような陽気の中、澤田さんとの約束の場所に車で移動.
澤田さんに山をご案内いただいた(5142―5146).私達と一緒にマツタケ山づくりをしようとされる姿勢は、大変うれしく思う.

貸していただける山は2ヶ所で、一つは、写真5142―5144に見られるように、アカマツの立木密度がかなり低くなっている(澤田山Ⅰと命名).もちろん、ここも30年前には、マツタケがわんさか出たところであるが、アカマツが老齢化し、マツノザイセンチュウの洗礼を激しく受けている.

京都に戻って、多くのアカマツ林を見せていただくが、東北のように良いアカマツ林が少なく、これでは、手入れ無用という状態が多いので、ここでマツタケ山診断で留意すべき点を述べる. 

今の関西のアカマツ林は、マツタケ山づくりをする際に注意しなければならない要素を多く有している.主要な点は、一部でも生きたシロが残っているように見えないことである.地上部の姿は、昭和30年以前のそれに似た形に戻せるが、マツタケが生活する地下部の物理的・化学的条件をその時代の状態に戻すことが難しいからである.

岩手県の経験では、80年生のアカマツ林でも5,6年前にはよく出たのだがと評価される山であれば、手入れのその秋にマツタケの再発生が見られる.全国で、そのような実験を繰り返して見たが、いずれも同じ結果を得ている.
しかし、マツタケの発生しない若齢林での経験であるが、一旦富栄養化した土壌は、手入れ後15年では、マツタケの生活できる状態に戻らなかった.しかし、そのような林でも尾根筋では、マツタケの胞子が飛んでくるようであれば、5年後には新しくシロが形成された.

結論であるが、今のアカマツ林に生きたシロが、一部でも良い、残されているアカマツ林であることが大切である.その判断は、2000年代のマツタケの発生に不適な気象を考慮すると、5年位前にはマツタケが発生していたことがはっきりする山が手入れに適するのである.

二つ目は、写真5145に見られるように、榎本さんが、赤いテープを巻いてマークしているが、澤田山Ⅰと比べると、アカマツの樹齢が比較的若い、ここも15年前にはマツタケの発生が盛んであったところである(澤田山Ⅱと命名).山主の澤田さんは、こちらのほうのマツタケ発生調査はされてないので、シロの有無を確認は出来ないが、若いアカマツであり、アカマツの代替わりがないので、シロの一つや二つは生き残っている可能性を否定できないと考えられる.

サァー、来週から玉城山を上と下から、澤田山ⅠとⅡの手入れをして行きましょう!

 本日の参加者(敬称略)は、三輪、岡阪、周田、川崎、安永、今西、松浦、川越、浅沼、鎌田(高槻市;初参加)、小吹、大久保、加藤、中廣、大島、有山、阿閉夫妻、藤田(亀岡市;初参加)、藤井、小長谷、橋本夫妻、井上(三好)、松田、中城、井上(勝)、猫田、中川、宮崎、榎本、石原、橋本(敏)、筆者の34名.
 
猫田シェフに女性陣は、岩手まつたけ十字軍(準)の小沢さんから送られたイクラを使って散らし寿司を用意(5147).それに、加藤さんのイタリア土産のポルチーニ(5153の画面左下参照)入りのスープが付いた.大変リッチである.

食後は、思い思いの作業に分かれたようだ.玉城山へ手入れに入るグループとベースエリアで麦畑の準備をする人たち(5148,5151、5159、5161)、来春の作物栽培のために畑の手入れをする阿閉(仁)さん(5150)、ミニ果樹園の整備に余念が無い有山さん(5149,5163,5165)、阿閉(眞)さんや橋本(立)さんは、春に植えたアカマツの実生苗などをナースしている(5156).

麦畑や果樹園に地掻した腐植層を敷き込むために、一輪車で運ぶ松田さん(5166)や有山さんのルート整備を、中城さん、榎本さん、浅沼さん、橋本(立)さんが(5158,5162,5163,5164)が行なうというチームプレーが取れている.素晴らしい!

また、玉城山へのアクセスが非常によくなったことに多くの方が気付いておられるが、これは5日連続で橋本(敏)さんが整備してくださったのである.感謝!!

京都府の藤田さんが、以前教えてくれたカヤタケ属の新しい毒キノコの新たな情報を榎本さんが掲示板に張ってくれている(5153).皆さん! 見ておいてください.

写真5154を御覧下さい.ツルムラサキである.上の部分に葉が付いているが下には無い.これは鹿の食害である.今までは、見向きもしなかったが、今週は喰っている.『どう考えればいいのか』議論せねばならない問題である.我々も自然保護運動を展開している.動物保護運動を展開する人も大勢いる.この現象の見方が正反対になるのだが、何故なのだ?

次に、写真5157を見て欲しい.上部に植わっているのは、マツタケを感染させたアカマツである.手前の札にはチューリップを植えていると書いてあり、肥料が入れてある.
我々の運動は、参加者の各位が思い思いに活動をして良いことを原則にしていて、それが正しいことだと思っている.しかし、先に『何か』をした人の後に『何か』をする人は、十分に自らの行為を検証せねば、この原則は単に無秩序に堕するばかりでなく、建設-破壊-建設・・・の連鎖になりうる.
このケースは、マツタケという生物は、土壌が富栄養化すればアカマツに拒否され、あるいは微生物との競争に負け生きていけないことをご存じない方の行為であろうと思うが、我々の運動は、何をしても許されるということでもないことをご理解いただきたい.


<写真の見方>
皆さんの活動の様子は、このブログの左下にあるBookmarkのマツタケ十字軍運動写真集(Nikon:今週の活動風景)、まつたけ十字軍運動活動風景(Yahoo、ここ1ヶ月分の活動風景)で見られます.それらを覗くにはパスワードが必要.
 Bookmark中のまつたけ十字軍運動写真集(Nikon)をクリックすると、ニコンオンライン写真集の画面に飛びます.その画面の右上にパスを入れるところがある.そこに10ji(半角英数)を入れる.これでOK. スライドショウが見やすい.
 もう一つ、まつたけ十字軍運動活動風景(Yahoo)をクリック.Yahoo Japan のフォトに入る. IDはmatsutake40,パスワードはtricholoma(すべて、半角英数).フォトアルバム内の「アルバムを見る」をクリック.画面が変わり、“まつたけ十字軍”の文字をクリックでOK.
両者とも必要な写真は、右クリックで保存されたい. 

<お知らせ>
1)次回の活動は、11月4日(土)岩倉です.

2)10月31日(火)木津町鹿背山でマツタケ山整備作業の一環でマツタケ発生調査をします.問合せは中村(075-256-5055)まで.

3)11月3日(文化の日)午前10時から、京北ふるさと祭り開催.多数の地場産品の出店.まつたけ十字軍運動もシンボルと写真出品.JRバス周山駅徒歩5分、右京区役所支所前広場にて開催.(京都駅発9:20(11:20)、周山着10:43(12:40)などあり)

4)11月26日(日)午後1時より、京大11月祭北部祭(理学部2号館)で、マツタケのシンポジウム開催.京まつたけ復活・里山再生『まつたけ十字軍運動』の紹介、パネルディスカッション(まつたけの魅力).問合せは、大月(090-4280-3334)まで.

<メール便り>
10月23日の今西山マツタケ観察会の司会進行を務めた石原敏行さんから
今西山観察会・・・・・顛末記
 心配された天候も出発の頃は曇り空ではあるが昼過ぎまではどうにか持ちそうである、待ち合わせ場所をチョンボする人がいないかと案じながらドタバタと八条口へ、9人全員が揃っているのを見て一安心、遠い昔・小学生の頃を思い出すあの楽しい遠足への集合風景の様子、銘々のお喋りが姦しく今日一日が巧くいくのか心配、予定の時刻に近鉄大久保を出発したバスは少し遅れそうと云っていたが定刻に到着、バスにはちゃんと十字軍の優等生が6人乗車していた、15人になると車中は話の渦が巻き起こった。
 早めに参加費の徴収をはじめて混雑を回避しようとするが一人一人が突っ込みを入れる関西人ばかりなので早めにやって正解だった、少し遅れていたら収拾がつかなかった。
 滑り出しは順調、次の停車場烏丸御池へ20人が待っているはずだ、猫さんが前もってバスから待ち人に「今・バスは烏丸御池手前まもなく、交差点を左折します、白いバスです、人員はそろっていますか?」「名簿がないから解らないと」とムベなる返事、バスは定刻より少し速く着いた、御池には14人が、そこへ員数外のM君が居るではないか折角の前もっての集約が台無し、Yさんも緊急参加、「まつたけスキヤキ」が功を奏したか参加者増えに増えた、M君・N君・新聞社のO氏・Iさんと到着、Hさんがまだだ携帯で主幹が連絡すると日を間違えて未だお休みとのこと、M君で埋め合わせが出来た、サー出発、待てよ20人のハズが一人欠席だから19人これで良いのか名簿外が一人、あと一人まだだ、積み残してはならずと混乱した頭を整理する、解った判ったOさんが突然のキャンセルしたのであった、19人これで遺漏ないはず、サアァ出発、34人の安心か車中はまるで幼稚園の送迎バスだ。
 堀川高辻で2人、西大路五条で3人、葛野大路で2人、ここで乗車のAさんが自分のスイ場で収穫した「京(みやこ)まつたけ」の差し入れ、これこそ本物の松茸を車中に回すとソレゾレ臭いをオモイッキリ嗅ぎ「まつたけ」が痩せてしまうかと心配、この「まつたけ」の威力で車中はもおパニック状態、今西山でまつたけに巡り会えなかったら困ったことになるのではと少し不安が頭をヨギッタ、桂川五条で1人を拾い最終停留場の馬堀へ・・・・。
 JR馬堀駅に定刻10時少し前に到着、京北からのIさんSさん福井からのKさん大阪のYさん夫妻、共同通信の記者が皆さん鶴首で我々のバスを待っておられた。
 何処でも皆さんをイライラさせず、定刻通り誰も遅刻せず、サスガ軍であるこの規律正しい乗車、バスは定員ピッタリの45名・随行車を引き連れて、イザ今西山へ。
 定刻通りの進行で今西山に11時前に到着、我が軍のメンバーは大声を出さなくても分かり易く秩序ある行動をされていた、心はウキウキと小学生の遠足だがサスガ年の功山入りにも安全を心がけていただき感謝致します。
 引き替え報道陣は先陣争いか銘々勝手な振る舞いが目に付き少し辟易しまた、我々の思いの丈を上手く啓めてくれたら良いのだが、彼らの去ったあと斜面には見残し松茸が数本発見された、可哀想にその松茸は傘の部分が跳んでいた。
 今西山の松茸観察、50名もの大勢が斜面を闊歩して蝮も逃げ惑っていたに違いない、実際に松茸が生えている様を見ていただこうと10日以上も前から出たままに地面に残しておく努力は大変なことだっただろう、新たな菌根形成には充分に胞子が散って良かったのであろうが・・・・・・・・・?鹿も来るだろうし頭の黒いヤマアラシもそれらから松茸をあの状態で守るために実直な今西さんならではの性格が垣間見えた、本当にご苦労をお掛けいたしました先ずは多謝、十字軍もこの感激を胸に、やがては香川山・玉城山・鹿背山・今井山でもその姿を実現したいと決意を新たにしたのは私だけではないと思う。
 傘が開ききっていたのは今西さんの丹精の証しです、3㎏強の「まつたけ」は誠に壮観だった、報道陣の誰かが10年分以上の松茸を見せていただき感激したと、松茸山盛りの駕篭を抱き我が主幹吉村先生と今西さんとのインタビュー景をガシャガシャと写真にとる、ウラジロの上に松茸を並べて皆を驚かそうかというのか何よりの証拠写真撮影、ご婦人達も両手に松茸を掲げて記念写真、たれが獲物か皆が松茸に群がった、混雑に紛れポケットに忍ばした奴がいなかったかナ、しかし我らが十字軍においてシンボライズされた松茸がこの様に目の当たりに出現したモノで軍のメンバーも興奮気味、話半分に松茸を夢に描く我々をドンキホーテとサンチョパンサぐらいに思っていた随行のジャーナリスト達も目から鱗が落ちたのか私達への視線が柔らかく成り、私達の運動の理解を少しは深めてくれたことだろう、彼らが感じたまま正直に報道してくれたら良いのだが、「まつたけ」の写真が先行して煽り記事になるのも心配ダ。
 籠に山盛りの今採取したばかりの松茸、市場価格10数万円~20万円弱を全部、スキヤキ・ヤキマツタケ・マツタケご飯・贅沢な松茸酒にする大宴会、この大量の松茸を見てか某報道記者が私は取材だけと云っていたが急遽、参加すると会費を払ってきた、これで2000円の参加費はお得ですヨ。
 自然からのお裾分けをこの様に価格で換算する生業がでて恐縮ですが、松茸はこんなに希少価値を生んでしまった、昔、里山を大事にして自然からの恵みをミンナで分かち合ったそんな暮らしをしていた、その昔は松茸は美味ではあったが今ほど羨望の的ではなかったと思います、十字軍は如何に自然と人間・全ての生物が共生できるかを希望に、そして松茸と赤松美林の共生こそが自然の再生、蘇りと先の5年10年を目指して行動しています。
 丹波地鶏と自家製の野菜でスキヤキ、差し入れの本場三田の紫頭巾と云う枝豆、ビールがサーバーで36L、各地の銘酒や焼酎が差し入れられてそれが飛び交う、酒池肉林の世界がいや肉林はありません、サァー無礼講のドンチャンが・・・。
 オマケに160㌘の巨大松茸をお土産にと三等分にして、しかし厭くまで目分量を各テーブルでジャンケンの勝者が持ち帰ることにした、しばし子供帰りの白熱したジャンケンが行われた、運の良かった人がお持ち帰り。
 進行の私としては十字軍のこれからを粛々と討議したかったのだが60名ものクラス討論会は40年ブリなので、声は嗄れるは酒も飲みたいは、誰も聞く耳を持ってくれない、為すがままにの時間がアットいう間に過ぎた、後日建設的な意見を求めて行いたい。
 殆どの方がお客様になって開拓者や里山再生をましてや軍の事などしばし忘れた様子、この行きつ戻りつの姿が自然との対峙には必要なんであろう、目の当たりにしたこの今西山の現実を急いで取り戻すのも良し、30数年ホッタラカシにしていた里山の自然をユックリと優しく全ての動物達と共生できる環境にして往くのも良し、先ずは人としての心の健康を自然の営みを参考に楽しくやっていきましょう。
 不作法な進行を反省しています、これも今西さんの松茸を拝ましていただいた事と帰りの雨に流して下さい、重ねて今西さんご家族、手伝って下さった隣の奥様有難うございます。
 先ずは皆様お疲れ様でした。 
                      
 
寄付等の振込先: 氏名: まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
                銀行名: 京都銀行 山科中央支店
               口座No.: 普通預金 3698173 
主 催 団 体
吉村 文彦(マツタケ生態学者)
まつたけ十字軍運動 本部(http://blog.goo.ne.jp/npoiroem/)    
〒607-8421 京都市山科区御陵岡ノ西町38-27、 075-581-8932, 090-6227-4305
大月 健(代表)
京都大学マツタケ研究会(京都大学農学部図書室気付、大月 健 090-4280-3334)
共 催 団 体
NPO国際環境微生物応用研究機構、香川理化学研究所、NPO市民環境研究所
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« まつたけ十字軍運動NEWSLETTE... | トップ | まつたけ十字軍運動NEWSLETTE... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

マツタケの林地栽培 」カテゴリの最新記事