まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

マツタケは林地栽培できる その3

2018年12月31日 |  マツタケの林地栽培 

マツタケの話を3回に分けて、書いてきました.今年最後の日で「マツタケは林地栽培できる」を終わります.
皆さん! 良いお年をお迎え下さるように祈念いたします!
 
 第1回目には、マツタケの分類学的位置づけを簡単にのべ、その寄主植物を、ついでマツタケの産地、やはりこのきのこの香を好むのは日本人などを紹介.本題として、人が豊かな生物の住まい・里山をつくり出し、そこにマツタケも生活をしていたことを書いています. 2回目には、マツタケとアカマツは相利共生、アカマツ林の登場とマツタケ、全国的なアカマツ林の量・質の変化、メタボアカマツ林では菌根性キノコは生活しない、人がマツタケの発生を減らした、でも展望はあるのではないか!で締めくくっている.
 今回は、マツタケの人工(菌床)栽培の課題と唯一栽培に成功している林地栽培について書きました. 

マツタケの栽培には、二つの方法がある
 一つは温度,湿度,培養基の性質など物理的要因や化学的要因を制御した環境で,マツタケの胞子や培養菌糸を培地などに接種してマツタケ子実体を得る方法である(菌床栽培).最近、バカマツタケの菌床栽培に成功したというニュースが話題になっている.マツタケに応用を考えているようだが・・・.
 マツタケでは、親指大のマツタケ子実体原基様のものが得られるが、その後大きくもならず(4cmくらいにはなるが分化しない)子実体に生長した例は全くない.人為的形質転換を考えようにも、マツタケゲノムは4000万塩基対といわれるが、1次菌糸あるいは2次菌糸由来もので大きく異なり、その役割もまだ解明できていない.また、ミトコンドリアが培養中に失われるなど困難な課題もあり、何をどうすれば良いのかも分からないのが現状である.菌根性でなく自由生活するマツタケの先祖の発見があれば、それを解析・利用して、新たな展開も期待される.
 人工栽培が可能となったとしても、培地成分が高価、また培養期間が長いためコストも高い.その上、大きさ(水ぶくれなく、1本で70gは欲しい)・香り(本物は菌床栽培ものとどこか違うと思われる)などまつたけらしくないきのこ(やはり本物ではなく菌床まつたけ)であろうし、このようなまつたけを、改良は可能であると思えるが、まつたけ大好き人間が支持するとは思えない.
 まつたけは喰わなくても死ぬことはない.本物の菌根性キノコを味わうことはステイタスシンボルとしておいておくべきだろう.商業主義の末路は、菌床ホンシメジである(鳴かず飛ばず).しかし、林地栽培技術に大きく貢献することは間違いない.これを期待したい.

 二つ目は、唯一、栽培に成功している方法である.アカマツ林をマツタケの生活しやすい環境に整え,マツタケ子実体を得るのである(林地栽培).最近、腐生性キノコで、電気刺激を与えると子実体収量が増した、あるいはマツタケでは、RNA物質撒布で収量増があったという報道がある.これらの実用性はどうなのか.また、奈良県でバカマツタケの林地栽培試験に成功している.
 マツタケの林地栽培法は,マツタケとアカマツの共生関係を利用している.森林生物(植物と微生物)や森林土壌の物理・化学性のコントロールである。土壌微生物には,マツタケの生活に有利なグループと有害なグループと無関係なグループとがある.アカマツ林に手を入れると、それらの関係がうまくコントロールされ,マツタケが天然あるいは植栽アカマツ林で栽培できるのである.手入れ作業は、高等植物の密度調整と地表堆積物の地掻と簡単な作業であるが、やる気が必要である. 

京まつたけ復活に成功!
 私たちの活動拠点は京都市左京区岩倉 村松にあり、近代的マツタケ学発祥の地・尼吹山試験林(1946年濱田 稔先生開設)に近い.1975年頃(伐採アカマツ年輪で推定)、住宅地として整備された.当時の林相は、ヒノキの混交した常緑カシ・シイ-ソヨゴ林であったと推察される.宅地に迫る南東斜面は、勾配が極めて急で、崖崩れの恐れがあった.
 崖崩れ防止のため、斜面の木々を皆伐、重機で林床を「地掻」した.母岩が露出したところや母岩まで10cm位というところもあり、地掻の程度は一様ではない.整備後、京都市が市街化調整区域に指定したため、住宅地にはならず放置された.しばらくはアカマツ優占林であったが、その内、放置アカマツ林となったと思われる.2005年5月の事前調査では、成長の極めて悪い平均樹齢30年ほどの放置アカマツ林で、ニホンジカの食害なども見られた.
 2005年6月16日、まつたけ山復活させ隊が、マツタケ山づくりを始めた記念すべき第1回活動日である.28名ほどの市民学生が、マツタケ発生環境整備作業に入った.寄主樹の保全・微気象調節のため、高等植物の密度調整を実施.ここでは、アカマツ以外の植物はほとんど除伐された.ついで林床に堆積する落葉落枝を熊手やクワなどで調整、地掻である.これは、富栄養化源の除去、競争微生物の排除、アカマツ細根の増殖、微気象調節などの効果を持つ.全国の仲間の応援を受け、9月には、このエリアのマツタケ発生環境整備作業が終了.その後、毎年補整作業を実施し、マツタケの発生を待つことになった.マツノザイセンチュウ病に打ち勝ってアカマツ美林となっている.
 2016年秋、京まつたけ14本が発生した.開発後約40年の間、マツタケの発生は皆無であったろう.2017年は、10月発生期の異常気象で大物ではあったが、1本の発生に終わった.シロは1つ増えたことになる.2018年は、3本の発生であり、泣く子と地頭とお天道様には勝てぬ思いを持つ.
 来年は、土壌水分の保全と地温上昇の影響軽減を考慮したシロの保育作業に取りかかる.     了                       

参考図書(マツタケの生物学・栽培技術)
1)ここまで来た! まつたけ栽培 吉村文彦.(株)トロント発行(03-3408-1521)2004.
2)まつたけ山復活させ隊の仲間たち 吉村文彦とまつたけ十字軍運動 高文研 2010.
3)まつたけ山復活させ隊のブログをご覧下さい!


まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学;マツタケ生物学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com

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マツタケは林地栽培できる その2

2018年12月30日 |  マツタケの林地栽培 

今年も、いろんな方々に応援をいただき、すべての活動を無事終えました.感謝申し上げます!
 まつたけ山復活させ隊活動参加者の皆さん! 当ブログに付き合って下すった皆さん! 来る年も 元気でやりましょう.

 では、表題のことに戻ります.
 前編では、マツタケの分類学的位置づけを簡単にのべ、その寄主植物を、ついでマツタケの産地、やはりこのきのこの香を好むのは日本人などを紹介.本題として、人が豊かな生物の住まい・里山をつくり出し、そこにマツタケも生活をしていたことを書いています.今日はこの続き2回目です.計3回シリーズとなります.

マツタケとアカマツは相利共生
 日本では、まつ-たけと言うように松林に生えるきのこと考えている.英語圏では,日本語訳以外の何ものでも無く、Matsutake Fungi(or Mushroom)、Pine Mushroomと表現.
 マツタケはチッ素やリンというミネラル分をホスト植物に与え、糖類をホスト樹種からもらうなど相利共生関係を維持する.また、土壌病原菌からホスト根と自分を守る.感染するとホストの成長が良い.アカマツとマツタケは良いパートナーシップを築けるが、アカマツをホストとする菌根菌はマツタケモドキ、シメジ類、テングタケの仲間、イグチ類、クロカワなどいろいろある(200種以上というデータもある).
 マツタケは、アカマツなど寄主になる植物がなければ、その生活は成り立たない(子実体が出来ない).一方、アカマツはマツタケがなくとも生活できる(マツタケの代わり(上述きのこ)を準備).両者は、絶対的相利関係を築くまでに至っていない.どちらかといえば寄生的関係も保持している.

アカマツ林の登場とマツタケ
 花粉分析によると、日本にマツ属の花粉が急増した時期は、500年頃と考えられている(長野県野尻湖、大阪府羽曳野市).奈良時代になると、原生林の活用が激しくなり、はげ山が誕生、アカマツ林が内陸の山の尾根筋に侵入・定着したのである.奈良県高圓山にマツタケが発生し、まつたけ狩りの様子が万葉集にうかがえる.
 平安時代には、人口の増加とともに相変わらず寺院や住居、道具のための材や毎日の薪炭・柴や肥料としての刈敷や落ち葉などの需要も飛躍的に増えた.そのために、平安京周辺の林が破壊され、アカマツが都周辺にも登場し(7世紀頃)、マツタケも増えてきた(905年 古今和歌集 マツタケ狩りの歌が見られる).しかし、平安京周辺の山には林が無くなり、亀岡や周山から材など物資を持ち込んでいる.都は相当な物資不足であったらしい.
 鎌倉時代~室町時代になると、公家達も入浴がこの上ない贅沢と記している.しかし、全国的にもアカマツ林が増え、天皇や公家、高級僧侶がマツタケ狩りを楽しみ、盛んに贈答しあっている(三条実房 愚昧記).
 徒然草(吉田兼好、1330年頃)に、「きじ、松茸などは御湯殿の上にかかりたるもくるしからず、その外は心うきことなり」とあって、鯉とともに雉、松茸は高級食材であるとうかがえる.松茸狩りは、季節の移ろいを味わうという、大切で外すことが出来ない行事となった.定家が内裏に参内すると天皇は松茸狩りに出掛け、帰りは遅いとのことと日記に記している(藤原定家 明月記).関白近衛政家公は、「1467年9月28日宇治に行って椎の実を拾わせてまつたけをとったが、大層面白かった.一献かたむけて夕方帰参した」とある.応仁の乱の最中である.10月11日にも紅葉狩りに出かけて「余以外みな泥酔.正体も無く前後覚えなし」とある(後法興院日記).秀吉も伏見の稲荷山でまつたけ狩りを大いに楽しんでいる(翁草).
 江戸時代にも、“下﨟の口にはかなわない”しろものであったが、京都の錦小路や大阪天満にまつたけの市がたち、金持商人が買っていたようである(本朝文鑑、支考編).与謝蕪村に言わせると “松茸や食ふにもおしい遣るもおし”いものであったようだ.元禄の頃には、嵯峨産が良いとか北山産がいいとかブランド化している.
 明治以後の治山治水工事によって、はげ山がアカマツ林化し (千葉徳爾;はげ山の研究)、1930年代にその面積は極大となり、生産量が増えてくる.その頃、マツタケが「蹴飛ばすほど生えた」とか言われたが、1941年(昭和16年)の12,222tの生産量を最高に、戦中、戦後の木材伐採圧力増で減少し始め、1960年頃からその生産量が大きく減少している.直近の10年間の年平均生産量(2008-2017:52.5t)は、1930年代(7582t/年)の0.7%である.2015年、京都市場で30万円/Kgの値が付いた.いま、外国産も減っていて、輸入量は787tであるが、安価に売られている(2017).

全国的なアカマツ林の質の劣化
 全国のアカマツ林も、1950年代までは、適当な人の活用(人為的撹乱)が続き元気だった.今、林は放置され、広葉樹が鬱蒼と繁り、アカマツはそのような樹種との競争に喘ぎ、被圧されている.しかも、マツノザイセンチュウ病に見事にやられている.その被害は,太平洋側では岩手県中部まで、日本海側では青森県まで進んでいる.里山のもう一つの代表樹種・ナラ枯れも似たようなことだ.その結果、里山の景観は元の姿をとどめず無残である.
 現在のマツタケ生産日本一は長野県であるが、気候変動がこのまま続けば、長野県の産地は更に標高の高いところ(1,300m以上)に追いやられる.すると、岩手県にその主産地が移る可能性がある.更に温暖化が進めば、北海道のアカエゾマツやトドマツなどをホストとするマツタケが主となるのではないか.
 気候変動をストップできないと、中国雲南省と四川省の高地や吉林省、黒竜江省、朝鮮半島北部、スウェーデン、フィンランド、ノルウェイなどでないとマツタケにお目にかかることができなくなるかもしれない.

メタボアカマツ林では菌根性キノコは生活しない
 アカマツ林は遷移林(2次林)であり、人の手が入らず放置されると、その土地のクライマックス林にとって代わられる運命にある.簡単に言うと、西日本では照葉樹林に、東北地域ではブナ林やミズナラ林(夏緑樹林)に必ず遷移することを意味する.岩場や尾根の痩地には残るだろうが、残ったアカマツは、病原性線虫を運ぶマツノマダラカミキリの標的だろうから、それも安心はできない.
 放置されたアカマツ林内は、今まで活用していた広葉樹が残り、増加して、地表に落葉落枝が堆積し腐植層が厚くなる.その結果、アカマツ林土壌はメタボ化(富栄養化)する.
 このようなアカマツ林土壌には、乾燥した貧栄養土壌とは異なる微生物も多くなり、微生物との競争に弱いマツタケは生活しにくい.もちろん、他の菌根性のキノコの発生も少なくなるし、そこに生活するキノコの種が交代する.腐植が堆積し過ぎると、アカマツの細根がそこに伸長・上昇し、マツタケの生活空間である土壌中に細根が少なくなる.マツタケは褐色森林土壌(鉱物質層:深さ30cmくらいまで)に生活するキノコであり、腐植層では生活できない.マツタケの胞子は、雨水によって下へ移動する.落ち葉を通り抜け、腐植層にいたる.ここで問題が起こる.腐植はマツタケの胞子を掴んで離さないため、鉱物質土壌への胞子のさらなる移動が妨げられる.その上、富栄養化土壌では、ミネラルなど栄養吸収を助けるパートナー・マツタケは、アカマツにとって不要となり、アカマツの感染拒否にあう.腐植層があれば新たなシロができにくいのはこのためである.

人がマツタケの発生を減らした
 1960年代のマツタケ生産量激減の原因は、エネルギー源の変化による里山林放棄によるものである.高度経済成長で私達の生活が近代化し、農業の変化と丸太の完全自由化などによって林業が衰退したことも大きい.里山が宅地やゴルフ場に転用されたり、アカマツをパルプ材として伐採することはマツタケ生息地の減少となった.
 手入れ不足のアカマツ林の変質・劣化は,マツタケに決定的なダメージを与えている.また、現在、高齢アカマツ林にはマツタケは生活しないため、手入れをしても生産量回復が望めない林となってきている.
 昔、人は、材木や炭の材を得るために、また、毎日の煮焚き物用の薪や柴をあるいは水田に鋤き込む緑肥を採取するために、林を活用した.これによって山を健全に維持し続けた.すなわち、植物の茂りすぎを押さえ、土壌の富栄養化(メタボ化)を防いできた.
 里山を放置しておよそ60年になるが、最近、樹木の生長を助ける様々なキノコの発生量が減っている.山を活用しなくなったために、植物が茂りすぎ地表に落葉・落枝が大量に堆積し厚い腐植層を形成した.それらが分解を受け養分として土に還ったのである.マツタケの生活に不向きな、昔と異なる森林土壌となったことを理解せねばならない.こうなると、菌根性きのこは生活できないのである.
 また、富栄養化したアカマツ林土壌には、糸状菌、細菌、放線菌やそれらをエサとするセンチュウなどの微生物数がマツタケの発生するアカマツ林土壌のそれと比べると非常に多くなっている.これらのことは微生物との競争に弱いマツタケにとって致命的なことである.それのみならず、菌根性キノコと“共生する“「ヘルパーバクテリア」あるいは「ヘルパー菌根菌」が減少する.
 里山の放棄は里山という環境に適応していた多様な生物を追い出している.樹木と共生するキノコの発生減で、最近の森林は疲弊し公益的森林機能も不充分である.アカマツ林に続いてナラ林が、まず、菌根性キノコの生えない林となり、カシナガキクイムシの運ぶナラ菌によって枯死する.
 これらは、自然の警鐘と受けとめるべきだろう.この警鐘を軽視したりおろそかにすると、人類は自然から手痛い反撃を食らうことになりはせぬか.
生き物にとって、山に緑があれば良いと言うものではない、緑の質が問われるのである.

でも展望はあるのではないか!
 多くの林家がまつたけ栽培に意欲を持たないことがアカマツ林若返りのネックとなっている.しかし、岡山県は、備前焼産業がアカマツの薪を必要としたためにか県の努力のためにか、若いアカマツ林が多く、広島と比べるとマツタケ産業に勢いが見られる.2018年の生産量を3tと予想していた.
 広島県、岡山県、鳥取県や兵庫県など中国地域やまつたけ山復活させ隊BCや京都府南部、和歌山県高野町、岐阜県、石川県珠洲市などは、いずれもアカマツ枯損が激しい地域だが、アカマツ林に手を入れることによって枯損をまぬかれた美林がある.これはマツタケ林地栽培にとって大きな教訓である.  続く
 

 

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マツタケは林地栽培できる

2018年12月25日 |  マツタケの林地栽培 

マツタケの林地栽培法を2回に分けて掲載します.

再生アカマツ林にマツタケが復活

マツタケとは

担子菌類の仲間で、ハラタケ目キシメジ科キシメジ属マツタケ(和名)、学名Tricholoma matsutake(S. Ito et Imai)Sing.といわれる特有の香りを持つ大型の食用きのこである.隔膜を持つ多細胞の菌糸からなり、単相核を持つ一次菌糸と複相核を持つ二次菌糸が見られる.有性的に作られる胞子はきのこのヒダの担子器の上に4個できる.

マツタケの生活様式は、有機物の分解能を無くし(腐生性ではないということ)、生きた植物(寄主、宿主、ホストという)と相利共生関係を持つすなわち菌根性である.マツタケは、寄主樹と共生しないとその生活環が完結しない(子実体をつくらない).

マツタケはその化石が見つからないため、いつから日本にあったか定かではない.万葉集に 『高松の この峰も 背に笠立てて 満ち盛りたる 秋の香のよさ』という歌がある(783年?、万葉集2233 巻第十秋 雑歌、詠み人知らず).これは、奈良県高圓山の尾根道に発生するマツタケを詠んだと思われる.どうしていち早く奈良に登場したのか?寄主樹の分布とその登場を理解する必要がありそうだ.

 

マツタケの寄主植物は?

マツタケの寄主植物は、主に、マツ科植物(カラマツ・ヒマラヤスギなどを除く)とブナ科コナラ属やシイ属の一部である.日本ではアカマツ、クロマツ、ハイマツ、アカエゾマツ、トドマツ、ツガ,コメツガ、シラビソ、ヒメコマツなど、朝鮮半島ではアカマツやチョウセンゴヨウ、アメリカ大陸ではダグラスファー(ダグラスモミ;トガサワラ属)やツガの仲間やコントルタマツ(ロッジポールパイン)、地中海沿岸ではレバノンスギ(マツ科)、ヨーロッパではアカマツの仲間である.

東南アジアの一部、中国雲南省辺りにはマツ科植物以外に、シイ、コナラなどの仲間をホストにするマツタケがある.日本にもシラカンバの仲間であるオノオレをホストにするマツタケが岩手県岩泉町にある.ヒノキ科のネズ(野外で)やセドロ(センダン科:人為的)に感染するが、子実体は見たことがない.

現在のマツタケ産地は?

中国、日本、朝鮮半島、ネパール、ブータン、モロッコ、アルジェリア、トルコ、スゥエーデン、フィンランド、ノルウェイ、カナダ、U.S.A.、メキシコなどが知られる.ロシアも輸出国である(財務省).いずれも北半球の中緯度~北極圏に位置する.

 

まつたけを好むのは日本人!

中国のある地域では、香りが彼らの好みに合わないらしく皮を剥いで、ニンニクと辛みのあるトウガラシを効かせたきのこ炒めか油ぎとぎとのきのこ鍋の具材である.Woo~n!

やはりマツタケの産地である韓国では、慶州(Kyongju)の人は昔から松茸を好んだという.その食べ方を見ると、表皮を剥いだ松茸の薄切りを肉と焼いて食べる.あるいは、同じく表皮を剥いでスライスした松茸に薄切りニンニクをのせ、加熱せずに生を食べている.「旨いか」と訊くと「美味しい」と返事が返ってきた.我々から見ればこれもWoo~n!.ヨーロッパでも好まれず、アメリカ大陸、アフリカ大陸、オーストラリア大陸の人たちも香りを嫌う.しかし、例外もありますね!10月6日、米国ペンシルバニア州ハヴァホード大学の学生がまつたけ山復活させ隊にやって来た.彼は、マツタケの傘を鼻に付けて香りを嗅ぎ、マツタケの香りが「大好き!」とニコッとした.

 

人とアカマツとマツタケの関係

里山林は、古くから、集落近辺の林を薪炭林として繰り返し利用することによって生まれた.また農業用水を育み緑肥を提供するため、農業とも深い関係を持つ.水田と共に全国的に拡がったと考えられている.

日本で、マツタケの生産量の多い寄主樹はアカマツであり、日本のマツタケはアカマツの存在抜きには考えにくい.里山の中核的存在は里山林で、里山林の過度の利用は、アカマツ林を登場させた.人がアカマツ林を育てそれをホスト樹にマツタケが生活するという関係で結ばれている.

里山は豊かな生物相

日本の緑はかつてないほどの豊かさである.でも、最近の京都三山は、5月といえば、シイの花の黄緑とスギ・ヒノキの深緑とのパッチ状で奇異な景観である.山の姿がなんか変だと思いつつも、「緑が豊かなことは良いことだ」と人は思ってしまう.しかし、豊かな緑の中に棲んでいるはずの生き物が、絶滅したり生活を脅かされていたりする.これは変じゃないか!絶滅を危惧される動植物の50%が里山の生き物である.

日本では、細菌・ウイルスを除いて94,500種の生物が記載されている(生物多様性センター、2000年).環境省のレッドリスト(2018年)によれば、動物の評価対象約41,936種の内2819種(7.1%)が、維管束植物評価対象約7,000種の内2159種(30.1%)

が、菌類評価対象約3,000種の内160種(5.3%)がレッドリストに上がっている(動植物・菌類あわせて5,715種=9.9%掲載).マツタケも絶滅が心配される菌類である.世界では、91,523種の動植物や菌類などを評価し、そのうち26,840種(29.3%)を、特に絶滅のおそれの高い「絶滅危機種」として掲載した(2018年11月、国際自然保護連合).

「里山林なんてなくてもよいよ」と考える人は多い.果たしてそうでしょうか!里山林の生物に果たす役割は、今も昔と変わらない.里山とのふれあいを無くした現代人は、縄文時代から里山で育まれた自然観や人間観や感性を無価値化させ、人の命をも軽んじる現在の風潮を生み出していると思えてならない.

マツタケとアカマツは相利共生

日本では、まつ-たけと言うように松林に生えるきのこと考えている.英語圏では,日本語訳以外の何ものでも無く、Matsutake Fungi(or Mushroom)、Pine Mushroomと表現.

マツタケはチッ素やリンというミネラル分をホスト植物に与え、糖類をホスト樹種からもらうなど相利共生関係を維持する.また、土壌病原菌からホスト根と自分を守る.感染するとホストの成長が良い.アカマツとマツタケは良いパートナーシップを築けるが、アカマツをホストとする菌根菌はマツタケモドキ、シメジ類、テングタケの仲間、イグチ類、クロカワなどいろいろある(200種以上というデータもある).

マツタケは、アカマツなど寄主になる植物がなければ、その生活は成り立たない(子実体が出来ない).一方、アカマツはマツタケがなくとも生活できる(マツタケの代わりを準備).両者は、絶対的相利関係を築くまで進化していないと考えている.どちらかといえば寄生的である.

 

アカマツ林の登場とマツタケ

花粉分析によると、日本にマツ属の花粉が急増した時期は、500年頃と考えられている(長野県野尻湖、大阪府羽曳野市).奈良時代になると、照葉樹林の活用が激しくなり、はげ山が誕生、アカマツ林が内陸の山の尾根筋に侵入・定着したのである.奈良県高圓山にマツタケが発生し、まつたけ狩りの様子が万葉集にうかがえる.

平安時代には、人口の増加とともに相変わらず寺院や住居、道具のための材や毎日の薪炭・柴や肥料としての刈敷や落ち葉などの需要も飛躍的に増えた.そのために、平安京周辺の原生林が破壊され、アカマツが都周辺にも登場し(7世紀頃)、マツタケも増えてきた(905年 古今和歌集 マツタケ狩りの歌が見られる).しかし、平安京周辺の山には林が無くなり、亀岡や周山から材など物資を持ち込んでいる.都は相当な物資不足であったらしい.

鎌倉時代~室町時代になると、公家達も入浴がこの上ない贅沢と記している.しかし、全国的にもアカマツ林が増え、天皇や公家、高級僧侶がマツタケ狩りを楽しみ、盛んに贈答しあっている(三条実房 愚昧記).徒然草(吉田兼好、1330年頃)に、「きじ、松茸などは御湯殿の上にかかりたるもくるしからず、その外は心うきことなり」とあって、鯉とともに雉、松茸は高級食材であるとうかがえる.松茸狩りは、季節の移ろいを味わうという、大切で外すことが出来ない行事となった.定家が内裏に参内すると天皇は松茸狩りに出掛け、帰りは遅いとのことと日記に記している(藤原定家 明月記).関白近衛政家公は、「1467年9月28日宇治に行って椎の実を拾わせてまつたけをとったが、大層面白かった.一献かたむけて夕方帰参した」とある.応仁の乱の最中である.10月11日にも紅葉狩りに出かけて「余以外みな泥酔.正体も無く前後覚えなし」とある(後法興院日記).秀吉も伏見の稲荷山でまつたけ狩りを大いに楽しんでいる(翁草).

江戸時代にも、“下﨟の口にはかなわない”しろものであったが、京都の錦小路や大阪天満にまつたけの市がたち、金持商人が買っていたようである(本朝文鑑、支考編).与謝蕪村に言わせると “松茸や食ふにもおしい遣るもおし”いものであったようだ.元禄の頃には、嵯峨産が良いとか北山産がいいとかブランド化している.

明治以後の治山治水工事によって、はげ山がアカマツ林化し (千葉徳爾;はげ山の研究)、1930年代にその面積は極大となり、生産量が増えてくる.その頃、マツタケが「蹴飛ばすほど生えた」とか言われたが、1941年(昭和16年)の12,222tの生産量を最高に、戦中、戦後の木材伐採圧力増で減少し始め、1960年頃からその生産量が大きく減少している.直近の10年間の年平均生産量(2008-2017:52.5t)は、1930年代(7582t/年)の0.7%である.2015年、京都市場で30万円/Kgの値が付いた.いま、外国産も減っていて、輸入量は787tであるが、安価に売られている(2017). 続く

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まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1376

2018年12月21日 |  マツタケの林地栽培 

第666回(12月21日(金))忘年会

本日は今年1年の締めくくり、忘年会。
みなさんの日ごろの行いの良さか、数日前の天気予報がウソのようなさわやかな快晴でした。

本日の参加者は、周田、橋本、大島、前田、川崎、三輪、内田、有山、阿閉(仁)、阿閉(眞)、川本、三品、宮崎、藤井、小長谷、吉川、北村、松田(武)、松田(洋)、西村、中野、マリコ、TAKE、猫田、大久保、山田、小林、ホリイ、吉村、河内の30名
(+児童1)のみなさんでした。

(上の画像をクリックで元の大きい画像が開きます)

献上いただいた飲み物。

賄い担当の方々には早くから準備いただいていました。ありがとうございます。

まずは代表者で恒例、尼吹山の濱田稔先生顕彰碑詣でへ。

まるで顕彰碑から射す後光のように、清々しい朝日が差し込んでいました。
この光の差し込んでいるあたりに顕彰碑はあります。

尼吹山山頂到着。濱田稔先生顕彰碑を囲みマツタケ発生を祈念して乾杯。

顕彰碑の前でしばし宴。

顕彰碑の前には小動物からのお供え?が。来年は”うん”がつくかも?

顕彰碑裏書き。「(濱田先生の)教えを受けたものこの碑を建立する」

香川山ベースキャンプに帰って、吉村代表よりあいさつ。今年は3本でした。来年はこの数を超えることを期待して整備に励みましょう。

宴が始まりました。

賄い担当でご用意いただいたのは、だし巻き、サラダ他のオードブルプレート、牛肉たっぷりの芋煮、まつたけご飯、デザートのフルーツ、ピザ、あん餅などなど。

お餅。メンバーも高齢となり体力的にも厳しいため、今年は餅つきは機械に頼ることになりました。






今日は仲睦まじいご夫婦での参加が2組。うらやましい方もおられたのでは?

(宮崎 記)

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まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1375   忘年会写真で見る13年間、 皆さん ありがとう! マツタケも災を喰らう

2018年12月17日 |  マツタケの林地栽培 

12月21日(金)は、第666回活動日.忘年会です.京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.ブログ報告は、宮崎 昭さんです.当日夜、是非ご覧ください.
 今年の岩倉香川山での活動は、49回予定されていたが、7月7日の大雨で中止が1回あり、48回の開催となります.番外活動として和歌山富喜試験林には4回出かけました.
 
 2018年12月最後の活動日となります.今年は、清水寺森清範貫主が今年の漢字として【災】を書いた.登場は2度目らしい.天候不順、暑い日が続いたり連続して大雨があったり、秋らしい秋も少なかった覚えがある.香川山BCの雨よけが広範囲に大きく損傷を受けたことも記憶に残る.
 それは香川山のマツタケ発生数にも表れているように思えます.2017年にはシロが5つ形成されたが、今年のマツタケ子実体はシロNo.1にのみ発生、しかも発生は3本にとどまった.10月11月の子実体発生期に地温が19℃ラインを11回も上がったり下がったりしたことが主因と言えるだろう(もちろん雨も少なくなる).発生期の気温上昇と少雨対策を試みます(断熱と土壌水分保持).また、9月7日の台風で、シロNo.5の傍のアカマツが倒れた.このシロは消滅する恐れが高い.
 富貴試験林のマツタケ発生も、山主岩田さん存命時には、量的把握も出来ていたが、今はそれもなく実態は分かりませんが、質も量も大いに不作の感があります. 
 
 さて、2005年6月以来丸13年を経過しました.参加者の皆さんの齢もこれだけ増えたことになりますが、皆さん若い、元気で はつらつとされている.しかし、一方で、この間に体調を崩された方々も居られる.また、残念なことには、大月さん、杉山さん、森さん、榎本さんをなくしました.合掌!

 次回、21日は今年の締めです.足が遠のいている方も、「元気だよ!」とお顔を拝見したいものです.

 忘年会/山神祭のお誘い
  今年の無事故を謝し 来年の松茸大発生、メンバーの健康と多幸を祈念しましょう! 
 芋煮(牛)、まつたけご飯、餅つきなどで盛大に楽しみたく存じます.

 【日時】12月21日(金)午前10時過ぎから宴の準備が始まります.お手伝いをよろしく願い上げます.
 【場所】京都市岩倉香川山BC
 【会費】2000円. 当日は、まずは会費を司会も兼ねる川本 勝さんにお渡し下さい.
          酒類は提供されませんので飲みたい(める)方はお好みをご持参下さい.差し入れは、何でも大歓迎です. 
 
 宴の準備を手伝うもよし、いやむしろ手伝うべきでしょう! 今年の山の見納めも良し、プレ宴会も良し、濱稔の碑を囲んで(担当三輪 新造さん)一杯も良し.とにかく楽しみましょう! 

13年間の忘年会風景です.

 2005年 日差しが明るい.

2006年

2007年

2008年

2009年

2010年

2011年

2012年 濱稔の碑前にて 右端に故森さんが見える

2013年

2014年

2015年 この頃までは夜遅くまで

2016年

2017年

さて、今年は、どんな宴になるでしょう!

 

【お知らせ】
きのこ観察会
○京都御苑きのこ観察会
【日時】12月23日(日) きのこ観察:午前9時30分~12時 第47回顕微鏡観察会:午後1時30分~3時まで 
【場所】京都御所 堺町休憩所集合(間之町口 地下鉄烏丸丸太町駅下車、東へすぐ)、検鏡会場は御所内の閑院宮邸跡
 主催者は京都御苑きのこ会(世話人 佐野修治氏)  HP(http://gyoenkinokokai.web.fc2.com/)参照下さい.
 参加料は無料、事前申込不要.京都御苑は国民公園のため、動物・植物・菌類の採集は禁止されています.

○交流会 
滋賀県彦根 荒神山 松茸復活プロジェクトとの交流会 参加者を募ります.
 2019年3月23日(土) 作業エリア診断と意見交換会 詳細は未定

 

§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学;マツタケ生物学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

 

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まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1374

2018年12月15日 |  マツタケの林地栽培 

 

平成30年12月15日 第665回目の活動日の報告を行います。

 前夜からの冷え込みで雨が雪に変わり、比叡山の中腹から上は雪景色となりました。初冠雪かな?

 本日の参加者は26名で次の方々。

 前田、大嶌、村岸、ホリイ、藤井信、三品、TAKE、中野、川本、アトジ(ヒ)、

アトジ(マ)、橋本、小長谷、桑野、山田、藤井貞、有山、太田、尾林、三輪、

松浦、松本、内田、吉村、女坂、長谷川。

 ベースキャンプ 本日の畑の様子

沢山の野菜の種類が植えられています。

 いちご

にんにく

ネギは霜に会うと甘みが増すそうです。これから美味しくなります。

ブロッコリー

白菜

大根は根っこ以外に、葉の部分も食べられ、捨てるところがありません。

人参

玉ねぎ

水菜

分葱(わけぎ)

蕗畑

これらの野菜は我々の昼食の献立に使われています。

本日の賄い班は何を作ってくれるのかな。

 中野さん、アトジ(マ)さん、 松浦さん、藤井貞さん、小長谷さんらが担当してくれています。

お米を研いだり、野菜を刻んだり、大忙し。

午前中、玉城山の三輪班は尾林さん、太田さん、内田さん、三輪の4名で現場に向かいました。

 まず作業を始める前に、紅茶で楽しい一時を。今日はここから眺められる大阪方面の景観を今以上に

良くする為の作業をします。

午前中の作業を終えてベースキャンプに戻りました。すると御酢の匂いがします。賄い班はバラ寿司を

作る作業におおわらわ。

お昼まで少し時間があったので、ベースキャンプの上部の山で作業をしている三品班の様子を見に行きました。

 綺麗に整備されていますね。

 三品さん、村岸さん、藤井信さん、長谷川さんらが精力的に活動をしていました。

 そうこうするうち、昼食時間となりました。

 本日の献立は

 昼食を終え、午後からの作業時間となりました。

玉城山の三輪班は休憩場所となる場所から見る京都南部、大阪、奈良方面の方向に生えている

樹木を伐採しました。見晴らしが良くなりました。

 早めに作業を終えて、他の班の様子を見に行きました。

 カメラのバッテリーが底をつき、ここから以降は写真データなしとなりました。

吉村代表は全体の管理監督。

有山さんはいつもどおり、ベースキャンプの中の草刈り、畑、下草刈りなど精力的に活動。

松本さんはマキ割り作業、女坂さんは久しぶりのの参加で、午後から用事があるとのこと。

 桑野班では、アトジ(ヒ)さん、山田さんが下草の整理を行っていました。

 班長の桑野さんは午後から三品班で活動中とのこと。

 ヤマガラ班はA地区では前田さん、TAKEさん、ホリイさん、橋本さんたちが、こなら、ミズナラ、桧など太陽の光を遮っている樹木の伐採に精を出していました。

 川本班は川本さん、大嶌さんが沢山の樹木の伐採、整理をしていました。

 午後2時半過ぎ、他の班の様子を見て少し早いがベースキャンプを後に家路に着きました。

文責 三輪

 

 

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まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1373  山神祭のお知らせです.大阪のハルカスを遠望する.

2018年12月10日 |  マツタケの林地栽培 

 12月15日(土)は、第665回例会です.本日の昼食づくりは、ちらし寿司シェフ松浦 輝雄さんです. 京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.ブログ報告は、三輪 新造さんです.当日夜、是非ご覧ください.

玉城山三輪班活動地から 大阪阿倍野にあるハルカスが望める.空との境界線上で、中央より右の凹型に見える建造物です.

京都市にも雪が舞った.初雪です.寒さを厳しく感じますが、家に引きこもらず、万全の寒さ対策を講じて、香川山でちらし寿司を食べましょう! アウトドア活動は、体にも心に良いようです.

今年も残り少なくなってきました.恒例の山神祭・忘年会は以下のように12月21日(金)に執り行います.お元気な姿をお見せいただければ幸いです.

【忘年会(山神祭)】
 今年の無事故を謝し 来年の松茸大発生、メンバーの健康と多幸を祈念しましょう! 
 芋煮(牛)、まつたけご飯、餅つきなどで盛大に楽しみたく存じます.

 【日時】12月21日(金)午前10時過ぎから宴の準備が始まります.お手伝いをよろしく願い上げます.
 【場所】京都市岩倉香川山BC
 【会費】2000円. 酒類は提供されませんので飲みたい(める)方はお好みをご持参下さい.差し入れは、何でも大歓迎です. 
 
 宴の準備を手伝うもよし、いやむしろ手伝うべきでしょう! 今年の山の見納めも良し、プレ宴会も良し濱稔の碑を囲んで一杯も良し.ご自由にお楽しみ下さい.当日は、まずは会費を司会も兼ねる川本 勝さんにお渡し下さい.


 前回は、玉城山三輪班の活動地に整備されつつあるカフェテラスから大阪方面がみられるというので出かけました.写真をご覧下さい.画面中央少し右に凹型の建物が見えます.阿倍野はるかすです.直線距離は50Km強です.

       

【お知らせ】
○交流会 
滋賀県彦根 荒神山 松茸復活プロジェクトとの交流会 参加者を募ります.
 2019年3月23日(土) 作業エリア診断と意見交換会 詳細は未定

きのこ観察会
○京都御苑きのこ観察会
【日時】12月23日(日) きのこ観察:午前9時30分~12時 第47回顕微鏡観察会:午後1時30分~3時まで 
【場所】京都御所 堺町休憩所集合(間之町口 地下鉄烏丸丸太町駅下車、東へすぐ)、検鏡会場は御所内の閑院宮邸跡
 主催者は京都御苑きのこ会(世話人 佐野修治氏)  HP(http://gyoenkinokokai.web.fc2.com/)参照下さい.
 参加料は無料、事前申込不要.京都御苑は国民公園のため、動物・植物・菌類の採集は禁止されています.


【まつたけ山復活させ隊に参加するには!!】
 ヒトとアカマツそしてマツタケの共生関係には学ぶものがあるように思える.Key words:相利共生(Mutualism), 共生体(Symbiont)

 この会は、個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるように自由に主体的に活動できる.参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用(いいとこ取りする参加)は、これを認めない.「香川山に来る」こと、それは、当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持ち、また、自らの能力をみんなのために提供することを厭わない.そういう同志の集いである.
 
 我々まつたけ山復活させ隊には、山づくりをすること、資材等を運ぶこと、薪をつくること、病害木を焼却すること、畑や水田を守ること、食事を作ること、道具類を整備すること、拠点を整備すること、道路を補修すること、バイオトイレを守ること、多機能窯を守ることなどがある.これらの作業実施に際して、すべての参加者は自らの体調・体力にあわせて、互いに支え合い助け合うことが必要である(応分の負担).


【まつたけ山復活させ隊の心得】
あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!

暑さと寒さ対策を充分に致しましょう!!

1.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう.

2.チェーンソーで立木を伐る作業は、周りの人払いが必要です.取り扱いを習熟するまでチェーンソー作業は厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.

3.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生します.作業は慎重に!

4.切り株を残さないように地際から伐りましょう! 急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.

5.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性 脳炎症も日本に存在する.

6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.

7.以下のことを留意下さるよう願います.
 家庭廃棄物無断持ち込みは厳禁(問い合わせは吉村へ).
 食費の払い忘れなども時々あります.ご注意下さい.
 小物が時々なくなります.これも共有財産です.大切に使わねばなりません.
 使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.
 ガソリン缶などの放置がときどき起こります.元に格納すること.
 用いたコップなどの洗浄・後片付けも忘れないように! 

 


【まつたけ山復活させ隊活動】

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.初参加者・見学者などは500円(二度目からは400円).ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.

まつたけ山復活させ隊 活動日
回 開催日   報告担当者 男厨シェフ 特別企画 

665 12月15日(土) 三輪   松浦
666 12月21日(金) 宮崎        忘年会
667 01月11日(金) 吉村
668 01月19日(土) 池内
669 01月25日(金) 内田   川崎
670 02月02日(土) 三輪
671 02月08日(金) 宮崎
672 02月16日(土) 池内
673 02月22日(金) 内田   松本
674 03月02日(土) 池内
675 03月08日(金) 三輪
676 03月16日(土) 宮崎
677 03月22日(金) 吉村
678 03月30日(土) 内田   松浦


 なお、やむを得ず開催日・担当などの変更が生じることがあります.ご了解下さい!
 

§活動場所:京都市左京区岩倉 村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:公共の乗り物利用を薦めます.自家用車駐車スペースも2台分はある(下記(a)をご覧下さい).

 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

a)車の方は、岩倉ゴルフクラブを目的地にすると便利です.ゴルフ場入り口の案内看板が見えると(ゴルフ場専用道路の右折は行き過ぎです)、左に大きな駐車場(松尾ガレージと小さく表示がある)が見える.その北側に道路(路面に滑り止め化粧)がある.その道路(住宅内道路に見える)を左折で進入、次いで右折、左折そして左にカーヴすると車止めが見えます.車止めの右側に入り口あり.不安な方は駐車場付近から電話下さい.

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

§カンパありがとう!
 
   
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学;マツタケ生物学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

 

 

 

 

 

 

 

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まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1372   

2018年12月07日 |  マツタケの林地栽培 

平成30年12月7日(金) 第664回定例活動日の報告

一寸やりすぎか(カメラに極彩色というボタンがあったので・・・)川本班の高地から

明け方にかけて雨が残り、一日中曇天だった。BCの昼食時間の気温も12度で朝から上がらず、終日なんとなくぱらついているようで、とうとう冬が始まったという感じだ。

今日の参加は、小長谷・川本・内田・有山・前田・TAKE・大島・ホリイ・三品・橋本・吉川・周田・ヤマダ・北村・三輪・アトジヒトミ・アトジマユミ・藤井貞子・松本・中野・松田芳久・松田洋子・吉村・猫田・まりこ の25名だった。

また一名、腰にコルセットをつけたので当面通常の活動を休むとの連絡があった。厨房作業などはつづけるよということだが、寒くなるので大事にしてください。しかし季節は巡るのだけれど歳は重ねる一方でなかなか若い人は多くならないことを思うと、活動の仕様もだんだん変わってゆかねばならないことを思ってしまう。10年近くブログ記録を分担してきたが、多くの班で主力が皆伐・地掻き作業から補整作業に移ってきていることがわかるが、これも一つの対応だろう。ヤマガラ班からは数年の周期で旧作業地区の補整作業に取り掛かる計画で次の段階に移っていることを知らされた。3回も廻るころにはもう立派な青年の林になっていることだろう。期待は大きく、その時の自身の健康もと願うのだ。

山の様子

澤田山桑野班・本日は藩主はなにわの方面で活躍中の由で、例により留守方の大家老衆二方が補整作業に従事。この見事に弓状になったご自慢の松は、作業地入り口の尾根筋で伐採から残したものだが、だんだん曲がってとうとう先が地面に接してしまった。ここまでくると補整対象外に安着らしい。

澤田山川本班・作業は相当の高みにまで達していてここまで来るのはなかなか大変だった(冒頭写真)。しばらく話をして一休みとする。やおら何かしているところを記録しようということになって、ソヨゴの丸太を担ごうということになった。これは重い木だ。右奥に黙々と本当の作業を続けている大島さんが映る。見事。

沢田山ヤマガラ班・やまがらの里A地区の補整作業。A地区はH20~24/1の開拓から鹿ネットを張って閉じていた。今般A~D地区の初期段階の整備を終えて今後は各地区を順次再補整してゆく段階に移る計画を立て、A地区を今後一年ほどをかけて手がけてゆくこととしたという。A地区の1区は10年前に日本ミツバチを飼った場所で懐かしく覗いたのだが、立派に松林になってしまっていた。写真では久々にチェーンソーでコナラなどを倒している。

斧入れて香に驚くや冬木立/与謝蕪村 しかし蕪村大人もチェーンソーでは驚かれることでしょうなあ

香川山三品班・毎回この空の広さに感心する。つい先ごろまで杉ヒノキが鬱蒼と空を覆っていたのだが。ここでマツタケが出るようになれば最高の立地だ。しかし腐植層は厚くここまでと目標を定めた地掻きはなかなか力がいる仕事だ。写真は今年の目標線に達してバンザイする三品北村両大将。マツタケが出たら爆竹騒ぎだろな。

玉城山三輪班・出席メンバーが二人だったのでブログを名目に松林整備地を逍遥三昧。ところでここはどのくらいの標高だろうということになり、吉村代表がいつもの大阪・金剛山まで見える地点まで来たところで高度273mを測定。ゴンド池の堰堤下で141mだった。数字にしてみるとここを歩くのも力仕事なのだね。

昼食

だんだん食事や畑がテーマになってくるのだろうという予感がするのだけれど、どうですこの美味しそうなー美味しい焼きそば(目玉焼き載せ)+かぼちゃスープ

驚くべきはこの巨大児達。有山農園を超える腕の持ち主はまだ出てきていないようだ。下の写真でべた一面に蒔かれたのは”のちしゃー野萵苣”。レタスのように生で食べられる。日本ではまだ野草扱い(賀茂川の堤防でも見かける)だが、あちらではLamb's lettuce, Feldsalatという名もありでサラダの主役にもなる。もう少し成長したら香川山の昼食の皿に載ってくるでしょうから御試食あれ。

では、また来週12月15日に香川山に集まりましょう。お元気に!         (内田 記)

 

 

 

 

 

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まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1371   香川山京まつたけの不作原因は高温障害 畑の緑が美しい

2018年12月03日 |  マツタケの林地栽培 

12月7日(金)は、第664回例会です.京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.ブログ報告は、内田 正明さんです.当日夜、是非ご覧ください.

香川山畑、見事な出来映えではありませんか!

 2005年6月に活動を開始する前には、京大生が栽培作物の原種を栽培していた.住宅用地として重機による地ならしがなされているために作物が育たないと嘆いていた.土が硬く締まり根が伸びないらしい.

 そこを団塊世代の我々が、開墾をし土を改良し作物が育つようにしていったのである.その経緯は、昔のブログにみられる.

 前回の活動日の畑の様子です.緑がまぶしい.この作物が、昼食に供せられている.栽培管理をする方々は、種を播き堆肥を与えナースされている.ありがたいと感謝せねばなりません.

 マツタケの全国的生産量は、多くの生産地で、不作の昨年と比べて少なくとも3倍はあったでしょう(不作地もそれなりにあった).しかし、この統計数値の信頼度は不明.統計を取る担当者と生産者の人間関係がものをいうらしい.不作年でも、販売店の取り扱い量はそれほど変化がないとも聞く.これは流通の怪であろうか.

発生と面積がはっきりとつかめる香川山のマツタケ発生は、

2016年10月22日2本
      26日1本
      28日7本
    11月05日2本
      16日1本
2017年10月27日1本
2018年10月16日3本  である.

 マツタケ子実体の発生は、アカマツ林の状態と発生期の気象が決める.香川山のアカマツ林は平均樹齢43年(2018)前後であり、2016年から2018年の発生に影響する状態変化はないだろう.これから発生量が飛躍的に伸びる樹齢に掛かってきている.大変楽しみである.

 すると、発生期の気象因子は、雨と地温である.2016年と2018年のそれらをご覧下さい.
まずは雨の降り方から
2016年9月の降水量は458.5mm、1mm以上の降水日数は18日、1回当たり25.5mmの雨、毎日15.2mmの雨に相当.
2018年9月の降水量は390.5mm、1mm以上の降水日数は19日、1回当たり20.5mmの雨、毎日13.0mmの雨

10月と11月の雨の降り方も さほどの違いは認められない.

 このデータをみると、両年のデータ間には有意の差は無いように見える.確かに記憶としては、9月頃の雨をみて今年もこれはいけると思ったことを思い出す.

 雨の降り方にさほどの差が無いなら、後は地温、気温ということになる.地温が19℃を下回り、そのまま19℃を上回ることなく変化することが理想だが、自然はそうはうまくいかない.子実体原基形成刺激温度19℃を切り再び19℃を上回ると発生に高温障害が出る.
その回数をみてみたい.
 高温障害発生数
2016年 9月1回
2018年 9月3回 10月4回
 子実体原基が形成され、その日の19℃上昇は、原基形成刺激のキャンセルと言われる.原基が子実体に分化完了する間に、地温が19℃を超えると原基分化障害を起こすため、原基は子実体にはならないで腐る.温度変化に耐える小さな子実体に成長した後は、雨が大きく影響する.雨がないと小さな子実体で成長が止まることもある.2018年は計7回となっているが、測定地点が異なると11回になるところもあった.

 従って、今年の香川山は、9月には期待を持たせたが、発生期10月の気温の上下が3本の発生にとどめたということになります.

【お知らせ】
○忘年会(山神祭)今年の無事故を謝し来年の松茸大発生、メンバーの健康と多幸を祈念しましょう!
 【日時】12月21日(金)午前10時過ぎから
 【場所】京都市岩倉香川山BC
 【会費】2000円. 酒類は提供されませんので飲みたい(める)方はご持参下さい.差し入れは、何でも大歓迎です.     
     芋煮(牛)、まつたけご飯、餅つきなどで盛大に祝いたく存じます.

○交流会 
滋賀県彦根 荒神山 松茸復活プロジェクトとの交流会 参加者を募ります.
 2019年3月23日(土) 作業エリア診断と意見交換会 詳細は未定

きのこ観察会
○京都御苑きのこ観察会
【日時】12月23日(日) きのこ観察:午前9時30分~12時 第47回顕微鏡観察会:午後1時30分~3時まで 
【場所】京都御所 堺町休憩所集合(間之町口 地下鉄烏丸丸太町駅下車、東へすぐ)、検鏡会場は御所内の閑院宮邸跡
 主催者は京都御苑きのこ会(世話人 佐野修治氏)  HP(http://gyoenkinokokai.web.fc2.com/)参照下さい.
 参加料は無料、事前申込不要.京都御苑は国民公園のため、動物・植物・菌類の採集は禁止されています.

講演会

京都森林インストラクター会20周年記念講演会 

  「KYOTO地球環境の殿堂」入りされた山折哲雄氏と同会の名誉顧問である只木良也氏に「森の循環と輪廻」についてお話をしていただきます 

  ○日時:平成30年12月16日(日)15:00~17:00

  ○場所:御所西京都平安ホテル1階 平安の間

  ○テーマ:「森の循環と輪廻」

       記念講演:山折哲雄氏

       対談:山折哲雄氏・只木良也氏 

  【お問し込み】12月7日(金)までに協会事務局まで

      電話・ファックス:075-823-0170

   Eメール:info@kyoto-modelforest.jp


【まつたけ山復活させ隊に参加するには!!】
 ヒトとアカマツそしてマツタケの共生関係には学ぶものがあるように思える.Key words:相利共生(Mutualism), 共生体(Symbiont)

 この会は、個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるように自由に主体的に活動できる.参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用(いいとこ取りする参加)は、これを認めない.「香川山に来る」こと、それは、当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持ち、また、自らの能力をみんなのために提供することを厭わない.そういう同志の集いである.
 
 我々まつたけ山復活させ隊には、山づくりをすること、資材等を運ぶこと、薪をつくること、病害木を焼却すること、畑や水田を守ること、食事を作ること、道具類を整備すること、拠点を整備すること、道路を補修すること、バイオトイレを守ること、多機能窯を守ることなどがある.これらの作業実施に際して、すべての参加者は自らの体調・体力にあわせて、互いに支え合い助け合うことが必要である(応分の負担).


【まつたけ山復活させ隊の心得】
あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!

暑さと寒さ対策を充分に致しましょう!!

1.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう.

2.チェーンソーで立木を伐る作業は、周りの人払いが必要です.取り扱いを習熟するまでチェーンソー作業は厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.

3.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生します.作業は慎重に!

4.切り株を残さないように地際から伐りましょう! 急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.

5.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性 脳炎症も日本に存在する.

6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.

7.家庭廃棄物無断持ち込みは厳禁(問い合わせは吉村へ).
 食費の払い忘れなども時々あります.ご注意下さい.
 小物が時々なくなります.これも共有財産です.大切に使わねばなりません.
 使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.
 ガソリン缶などの放置がときどき起こります.元に格納すること.
 用いたコップなどの洗浄・後片付けも忘れないように! 
 


【まつたけ山復活させ隊活動】

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.初参加者・見学者などは500円(二度目からは400円).ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.

まつたけ山復活させ隊 活動日
回 開催日   報告担当者 男厨シェフ 特別企画 

664 12月07日(金) 内田
665 12月15日(土) 三輪  松浦
666 12月21日(金) 宮崎     忘年会
667 01月11日(金) 吉村
668 01月19日(土) 池内
669 01月25日(金) 内田  川崎
670 02月02日(土) 三輪
671 02月08日(金) 宮崎
672 02月16日(土) 池内
673 02月22日(金) 内田  松本
674 03月02日(土) 池内
675 03月08日(金) 三輪
676 03月16日(土) 宮崎
677 03月22日(金) 吉村
678 03月30日(土) 内田  松浦


 なお、やむを得ず開催日・担当などの変更が生じることがあります.お許しください!
 

§活動場所:京都市左京区岩倉 村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:公共の乗り物利用を薦めます.自家用車駐車スペースも2台分はある(下記(a)をご覧下さい).

 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

a)車の方は、岩倉ゴルフクラブを目的地にすると便利です.ゴルフ場入り口の案内看板が見えると(ゴルフ場専用道路の右折は行き過ぎです)、左に大きな駐車場(松尾ガレージと小さく表示がある)が見える.その北側に道路(路面に滑り止め化粧)がある.その道路(住宅内道路に見える)を左折で進入、次いで右折、左折そして左にカーヴすると車止めが見えます.車止めの右側に入り口あり.不安な方は駐車場付近から電話下さい.

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

§カンパありがとう!
 
   
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学;マツタケ生物学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1370 今冬は暖冬、その功罪.山神祭開催のお知らせ! 

2018年12月01日 |  マツタケの林地栽培 

12月1日(土)第663回例会の活動報告です.暑くもなく寒くもなく少し汗ばむが快適でした.昼食はおでんがメイン料理で、食材に出汁が良くしみこみ大変結構でした.食当の皆さんありがとう!

 参加者の皆さんは、名簿記載順に、前田、関、松本、大島、有山、松浦、ホリイ、橋本、太田、尾林、アトジ(ヒ)、アトジ(マ)、ヤマダ、TAKE、三品、フジイ(テ)、中野、内田、吉村、猫田、西村、女坂(昼から)、ふらっと寄りの金子夫妻(リス森)の24名でした.
 気象庁の観測では、エルニーニョが春までは続くため、暖冬予報が出ています.我々アウトドア派にとってはありがたいご選択だが、その通りになるということは、生物現象としては大きな問題を含んでいる.

 常々、思っていることですが、最低気温が5℃を上回る日が続くと、生き物は代謝活動を落とさず、いってみれば休まず働きづめになる、それはどんな影響を持つのだろうか.
 植物病理学研究室の知り合いが、連続光で植物を育てると植物は休まず成長を続け、言い換えるとそれは植物にストレスを与え続けることで、植物にウイルスを感染させると、尋常じゃない結果を生む恐れを述懐していた.
 このことをマツタケの林地栽培に援用すると、アカマツも、マツタケも、カミキリの幼虫もザイセンチュウ達も休眠せず成長を続ける.これは、アカマツやマツタケの生活リズムを壊していることになり、ザイセンチュウもホストの仮導管にダメージを与え続ける.また、地上部の落葉・腐植層で休眠する害虫や病原菌の生残率が高まり、春の被害が、いや増すことに繋がっている.

 はてさて、どちらが良いのであろうか! ヒトができることもあろうとは思うが.

 さて、今日の香川山の様子をご覧下さい.

香川山マツタケ発生地の左のエリアも、来年はマツタケが出そうに見える.何回そんな風に思ったことでしょう(-_-;)!

ザイセンチュウ病枯損に、加えて獣害(鹿)による枯損が続く.

除伐ヒノキで椅子を作る.まだヤニが出ます.

                 トンビが眺めている.

歳時記風景を三つどうぞ!

大きく育った”エノモト”ゆず

サカキのお飾りをつくる.

もやっているが、最低気温が下がり、先週より紅葉がよろしいようです. 

【お知らせ】
忘年会(山神祭)開催
 【日時】12月21日(金)午前10時過ぎから
 【場所】京都市岩倉香川山BC
 【会費】2000円 酒類は提供されません.差し入れは、何でも大歓迎です.
     今年の無事故を謝し来年の松茸大発生、メンバーの健康と多幸を祈念しましょう!
     芋煮(牛)、まつたけご飯、餅つきなどで盛大に祝いたく存じます.

交流会 
滋賀県彦根 荒神山 松茸復活プロジェクトとの交流会 参加者を募ります.
 2019年3月23日(土) 作業エリア診断と意見交換会 詳細は未定
 

 


まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学;マツタケ生物学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

 

 

 

 

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