まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

里山林(アカマツ林)とマツタケ -その1-

2005年07月13日 | マツタケの生理生態

 森林をその成林過程で分けると、原生的森林と里山林と人工林に分けることが出来る.人が干渉しない方がよいといえる生態系は原生的森林のみである.多くの人が、森林はすべてアンタッチャブルが良いと思っているようだが、それは間違いである.里山林を放置して置いたために、マツノザイセンチュウ病によって写真のようなアカマツ林になってしまったのである.

はじめに
 環境省のレッドデータブック(2000年)によれば、およそ7000種の維管束植物の23.8%が絶滅危惧種に挙げられている.絶滅の恐れのある動物・植物の生息域は、その多くが里山であることが最近分かってきた.植物に依存している動物、特に、以前どこにでもいた昆虫で絶滅危急種に指定されるものがでている.訪花性昆虫がいなくなることは、虫媒花植物が絶えることを意味し、また、これらを餌とする鳥類に影響が出てくるはずだ.すると、それらの捕食動物も絶滅の恐れをまぬかれない.日本でも、 669種の動物が絶滅危惧種とされている.国際環境NGOコンサベーションインターナショナルが「地球規模での生物多様性が高いにもかかわらず、破壊の危機に瀕している地域(ホットスポット)」に日本列島を指定したように、絶滅の恐れのある動物や植物の種数は、残念ながら着実に増えている.マツタケも、人による森林破壊によって生まれ,最近の森林放置による「破壊」によって,その生を終わろうとしているのかもしれない.
マツタケとは
 マツタケはカビの仲間であるが、独特の香りを呈する大型の子実体(キノコ)をつくる.おがくず栽培が出来るキノコと異なり、生物遺体を分解する能力を欠いた菌根菌である.マツタケという菌根菌は生きた植物(宿主)の細根に感染し,光合成産物である糖類を宿主から摂取する.逆に宿主は,土壌中に伸びた菌糸が集めたミネラル類を受け取ったり,マツタケの菌根が作る微生物排除物質で土壌微生物の攻撃から根を守られている.また,菌根はホルモンを分泌し、アカマツの根をサンゴやフォーク状に分岐させ、根の吸収面積を増やしている.アカマツとマツタケは共生関係にあるといわれる所以である.宿主は日本においては,アカマツ,クロマツ,ハイマツ,トドマツ,ツガやコメツガなどであるが,マツタケの生産量の多い宿主はアカマツであり日本のマツタケはアカマツの存在抜きには考えにくい.
-続く-

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