まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1348    マツタケ生産林家が忘れていること!! 松茸は「待つたけ」にあらず!

2018年09月17日 |  マツタケの林地栽培 

9月22日(土)は、第653回例会です.京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.ブログ報告は、内田 正明さんです.当日夜、是非ご覧ください.10月6日(土)はマツタケ祭になり、例会は休みです(お知らせ参照).

 前回ブログ1347号に見られるように、台風21号の風による設備の損壊修復が進んでいる.開催日以外にも有志の皆さんの修復作業が行われています.感謝です!
 食卓の屋根はビニールシートを活用(写真 1).このスタイルなら、風で飛ばされても精神的・金銭的にはダメージが少ないという宮崎さんの解説には納得するものがある.

写真 1.軽便なブルーシートの屋根.本格的にコーフィーをたてる尾林さん

 しかし、厨房設備や薪置き場、堆肥小屋の屋根などは、ほぞとほぞ穴を造り組み立てる方式を採用した修復が進んでいる(写真2-6).修復が済んだ食器類収納小屋も雨漏りなどの点検修理が進んでいる(写真7).畑の作業も再開である(写真8).修復作業の疲れを癒やす本格的コーフィーをたてるサービスにも感謝です(写真 1).まつたけ山復活させ隊の銘板も所定の位置に戻りました(写真9).

写真 2.まずは倒れた屋根を分解、移動する.

写真 3.波板再利用のため、釘を抜いている.

写真4.柱材にほぞ穴をつくっている.

写真5.除伐材で杭をつくる.

写真6. 柱を立てる.

写真7. 修復後、雨漏りなどを点検修理する

写真 8. 畑の作業も再開

写真9. まつたけ山復活させ隊の銘板も戻る.

 香川山には、推定5つのマツタケのシロがある.尾根筋に2つ(No.4、5)あるが、5(画面奥のシロ)のシロから2mほど離れたアカマツが倒れた(写真 10).シロに影響が無ければ良いのだが.

写真 10. 手前のNo.4 真ん中奥に見えるNo.5のシロが二つある.No.5のシロ近くのアカマツが倒れた.影響が心配される.

 マツタケの発生は、韓国ものは、国内市場で言う「早松茸」の発生後、秋物がまだ届いていない.時々姿を見せるメキシコ・カナダものを見る.今や松茸というと、旬は8月で産地は中国(四川・雲南)と市場が言う、そんなものが量的に圧倒している. 市場関係者から、日本の伝統的食文化の破壊が始まっているように思う.一方で、伝統的野菜、京野菜の宣伝がかまびすしい.片腹痛い.所詮、商売、金だけを考える時代である.

 北海道・岩手・長野・福島(会津)から発生しているとの報が届いている.生産量日本一の長野は豊作型と聞いた.その他の地域は発生に勢いが見られない、出方が変だという.会津ものは、もちろん始まった直後で判断できない.また、長年豊作が続く長野であっても、これからの気象によってはどうなるか分からない.西日本は、これからだ.まだまだ分からない.

 長野が豊作、他は思わしくないというこの差の原因を、雨がない、高温障害発生など気象条件に、現場の生産者は置きたがる.それは短期的にはその通りだ.不作の要因を気象条件にのみ求めることは、マツタケの栽培意識の自らの欠如を捨象し、また、搾取するだけを正当化するために巧妙に彼らがつくり出した見方なのである.だから「待つたけ」という.しゃれにもならない.
が、必ずしもそれだけではなく、林を顧みないため、マツタケ生息地の質的(量的)劣化が、ボクシングでいうボディブローのように効いている.これは想像以上に大きなダメージとなる.シロがダウン寸前の状態なのだ.
 
 すなわち、アカマツ林の手入れもなく若返りもないため、生息林の老齢化と共に、土壌の富栄養化が進んでいる.マツタケが生活しにくい状態なのだ.そのような林では、「ホスト樹は、マツタケの感染を断りたい」と思っているだろう.
 シロを取り巻く微気象は常に変動する、また、シロには上から様々な化学物質、カビやバクテリアが降り注いでいる.シロ生態系の気象変動に弱い、生物的変動にも弱いシロに成り下がっている.
 そんなアカマツ林のシロは元気がない.活性の弱いシロは、マツタケ子実体成長力不足を来す.最近のシロは、土壌を調べると、発生期に雨がないときであっても土壌は十分な湿り気を持つのに、原基形成がないことがある.
 
 これらが採れなくなった主たる要素である.これらの解決は、大変な労働を必要とするが、実に簡単なのだ.マツタケの林地栽培においては、林の手入れを怠らないことが必要である.手入れは、米にも畑作物にも共通の作物栽培の基本理念である.
 長野県は行政ぐるみで、かつての知事が多額の予算を組んでマツクイムシ対策を施し、伊那市の藤原 儀兵衛氏の指導の下、林地栽培技術普及の事業を行った.これを不十分ながらも続けているから長年豊作が続くのである.このことをマツタケ生産林家は忘れないで欲しい. 

 マツタケの単価は群抜いているが(ブログ9月3日号)、行政側から言うとマツタケの市場は、今や、極めて小さい.マツタケ産業に重きを置きにくいため、まつたけ産業振興に力を注ぐところはほとんどない.しかし、各地に素晴らしい生産林家が少なからず居られるが、良貨が悪貨に駆逐される状態である.行政を叱咤するに加えて生産者の自助努力が必要である.マツタケ栽培と地域の通年栽培作物をあわせることが必要である.

 
【お知らせ】

0)まつたけ山復活させ隊 松茸祭 JIDF里山再生と岩倉焼ラボ 開催(イベント参加希望が必要です)
日時:10月6日(土)午前10時30分~
場所:香川山BC
会費:4000円(マツタケ抜きの時は1,000円)
松茸ご飯、松茸のすき焼き、松茸の焼き物、松茸の吸い物を岩倉焼で賞味する.山づくり反省と松茸・陶芸作品の出会いを楽しむ!
定員は特に定めたくありませんが、先着30名強ほどに限定します.問い合わせは吉村 文彦(連絡先は下記主催者の項で)へ.尚、応募締め切りは9月28日までとします.

1)京都園芸倶楽部主催 講演会
【日時】9月27日(木) 午後1時30分~午後3時
【場所】京都府立植物園内 植物園会館2階研修室 70歳以上の方は植物園入園料が無料(氏名・年齢証明証提示)、70歳未満の方は植物園入園    料200円が必要.
【演題と演者】人とアカマツ林とマツタケ -マツタケは林地栽培できる-  吉村 文彦 
       1930年代のマツタケの生産量は7582t/年 、直近の10年間のそれは56t、30年代の実に0.74%に激減である.その原因をマツタ       ケの生理・生態、生息地の問題やアカマツとマツタケの共生関係などから探ると共に、まつたけ山復活させ隊の林地栽培の成功       例を紹介する. 

2)京都御苑きのこ観察会並びに第46回顕微鏡観察会 
【日時】9月30日(日) きのこ観察:午前9時30分~12時  顕微鏡観察会(於旧閑院宮邸):13:30~15:00
【場所】京都御所 堺町休憩所集合(間之町口 地下鉄烏丸丸太町駅下車、東へすぐ)
 主催者は京都御苑きのこ会(世話人 佐野修治氏)  HP(http://gyoenkinokokai.web.fc2.com/)参照下さい
 参加料は無料、事前申込不要.京都御苑は国民公園です.動物・植物・菌類の採集は禁止されています.

3)岩手県岩泉町から生中継
番組名 :NHK総合「旬感☆ゴトーチ!」(全国放送)
放送日時:10月3日(水)12:20~12:43
番組HP:http://www4.nhk.or.jp/goto-chi/

「北上高地・森と水のハーモニー(仮)」と題して、龍泉洞の水や森林体験アクティビティ、そして旬の松茸グルメをご紹介する予定です。

 
【まつたけ山復活させ隊に参加するには!!】
 ヒトとアカマツそしてマツタケの共生関係には学ぶものがあるように思える.Key words:相利共生(Mutualism), 共生体(Symbiont)

 この会は、個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるように自由に主体的に活動できる.参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用(いいとこ取りする参加)は、これを認めない.「香川山に来る」こと、それは、当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持ち、また、自らの能力をみんなのために提供することを厭わない.そういう同志の集いである.
 
 我々まつたけ山復活させ隊には、山づくりをすること、資材等を運ぶこと、薪をつくること、病害木を焼却すること、畑や水田を守ること、食事を作ること、道具類を整備すること、拠点を整備すること、道路を補修すること、バイオトイレを守ること、多機能窯を守ることなどがある.これらの作業実施に際して、すべての参加者は自らの体調・体力にあわせて、互いに支え合い助け合うことが必要である(応分の負担).


【まつたけ山復活させ隊の心得】
あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!

暑さと寒さ対策を充分に致しましょう!!

1.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう.

2.チェーンソーで立木を伐る作業は、周りの人払いが必要です.取り扱いを習熟するまでチェーンソー作業は厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.

3.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生します.作業は慎重に!

4.切り株を残さないように地際から伐りましょう! 急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.

5.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性 脳炎症も日本に存在する.

6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.

7.家庭廃棄物無断持ち込みは厳禁(問い合わせは吉村へ).
 食費の払い忘れなども時々あります.ご注意下さい.
 小物が時々なくなります.これも共有財産です.大切に使わねばなりません.
 使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.
 ガソリン缶などの放置がときどき起こります.元に格納すること.
 用いたコップなどの洗浄・後片付けも忘れないように! 
 


【まつたけ山復活させ隊活動】

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.初参加者・見学者などは500円(二度目からは400円).ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.

まつたけ山復活させ隊 活動日
回 開催日   報告担当者 男厨シェフ 特別企画 

653 09月22日(土) 三輪
654 09月28日(金) 吉村   川崎
655 10月06日(土) 三輪       JIDFラボ まつたけ祭
656 10月12日(金) 宮崎
657 10月20日(土) 吉村
658 10月26日(金) 内田   松浦
659 11月03日(土) 池内
660 11月09日(金) 三輪
661 11月17日(土) 宮崎
662 11月23日(金) 吉村   松本
663 12月01日(土) 池内
664 12月07日(金) 内田
665 12月15日(土) 三輪   内田
666 12月21日(金) 宮崎       忘年会
667 01月11日(金) 吉村
668 01月19日(土) 池内
669 01月25日(金) 内田   川崎
670 02月02日(土) 三輪
671 02月08日(金) 宮崎
672 02月16日(土) 吉村
673 02月22日(金) 内田   松本
674 03月02日(土) 池内
675 03月08日(金) 三輪
676 03月16日(土) 宮崎
677 03月22日(金) 吉村
678 03月30日(土) 内田   松浦 

なお、やむを得ず開催日・担当などの変更が生じることがあります.お許しください!

 

§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:公共の乗り物利用を薦めます.自家用車駐車スペースも2台分はある(下記(a)をご覧下さい).

 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

a)車の方は、岩倉ゴルフクラブを目的地にすると便利です.ゴルフ場入り口の案内看板が見えると(ゴルフ場専用道路の右折はダメです)、左に大きな駐車場(松尾ガレージと小さく表示がある)が見える.その北側に道路(路面に滑り止め化粧)がある.その道路(住宅内道路に見える)を左折で進入、次いで右折、左折そして左にカーヴすると車止めが見えます.車止めの右側に入り口あり.不安な方は駐車場付近から電話下さい.

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§カンパありがとう!
 仲間の吉川さんが、設備損壊修理に使うようにと板や柱材を寄付下さいました.ここに記載して感謝といたします.
   
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学;マツタケ生物学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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