まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 904

2014年04月22日 |  マツタケの林地栽培 

 香川山のナシの花にも花粉を媒介する昆虫がやってきている(写真1)。このようにして里山の植物も維持される。私たちもそんなことを考えてニホンミツバチの巣箱を置いている。少しの蜜をいただくことも考えているのだが。
 田んぼの準備をする、畦づくりである。たった一人でがんばるTさん(2)。いま、タケノコが大変美味しくなってきました。鹿背山からいただいたタケノコを使ってちらし寿司が準備された(3、4)。山椒の葉を飾りにと摘んでいる(5)。美味しそうにいただく仲間(6)。
 仲間の談笑、これもいろんな話が飛び交い、勉強にもなり息抜きにもなる(7)。
 ヤマガラ班の皆さんの作業の効果を見に出かける。効果なんて難しいことではなく、うっそうとした放置林に手を入れると、日陰で苦しんでいたツツジ科の植物が一斉に咲き始める、これを確認することなのだ。コバノミツバツツジの鑑賞会がなされた(8)。ついでに、人によるのか鹿などによるのか現認はできていないが、ネットの点検・修理も行われた(9)。
1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 写真は左クリックで大きくないます。

 

 4月25日(金)は、まつたけ山復活させ隊第436回活動日です.当日は、夏日の気温となりそうです。熱中症、マダニなど虫刺され、事故に気をつけて、マツタケ山づくりを楽しみましょう! 午前10時に京都市左京区岩倉 村松 香川山(自称:下記の§活動拠点へのアクセスを御参照下さい)にお集まり下さい.本日の活動の様子は、三輪新造さんが当日の夜に報告します.体験希望の皆さんの参加日を、下記<まつたけ山復活させ隊活動 予定日>欄に記入いたしました。
 
 
マツタケ山づくりの話12
 
  前回までに、マツタケ発生量の減少の様子とマツタケの宿主であるアカマツ、それが含まれる里山林の危機的状況などをレポートしてきました。里山林を守るためには、訴えているような諸問題を解決せねばなりません。 
 今回も、高文研出版の「まつたけやま復活させ隊の仲間たち」を引用しながら、いろんな解決法の切り口がある中で「マツタケの生える里山づくり」に取り組む必要性などについての続きを書きました。

★参加者の数だけ夢がふくらむ
「里山再生のためにマツタケを復活させよう」運動を!
 
 確かに、かつての里山は生物多様性に満ちた豊かな生態系だった。しかし、現在の里山は、私たちの住居エリアを見ても農業用エリアを見ても、もちろん林業用エリアも瀕死の状態に陥っている。環境省のレッドリスト(2012年版)を見ると、じつに哺乳類の23.3%、両生類では33.9%もの種に絶滅の恐れがある。また種子植物とシダ植物が含まれる維管束植物も6740種のうち32.0%が絶滅危惧種になっている。そして、それらの5割が里山の生物である。里山は、放置によって緑豊かであるが、緑豊かであればよいという考えは里山には通用しないのである。まさしく喘いでいる。
 
 この里山を何とか再生したい、生物多様性を復活させたいというのが、私のずっと持ち続けてきた強い思いである。私は長年、微生物生態学の研究者として里山の代表的な樹林であるアカマツ林をフィールドにアカマツと切っても切れない相利共生関係を持つマツタケと土壌細菌の関係を研究し、それをマツタケの林地栽培という実践につなげようと取り組んできた。その経験を生かした里山再生となると、やはり日本にある770万㌶の里山林の約30%を占めるアカマツ林の再生を抜きにしては考えられない。
 
 マツ林土壌の富栄養化でアカマツ林は荒廃が進み、マツノザイセンチュウ(松枯れ病・松くい虫。その原因がヒトなどの寄生虫の回虫と同類の長さ1㍉足らずのセンチュウで、これを媒介するのがマツノマダラカミキリという体長2㌢内外の昆虫)の蔓延がそれに拍車をかけ、それによってマツタケも激減している。実際、京都府でも(全国10府県)マツタケは保全の必要がある準絶滅危惧種になっている。

 一方、万葉の昔からマツタケと日本人の関係は独特の「食文化」になっていて未だに松茸フリークも多い、私は「まつたけ山づくり」が里山再生活動としてふさわしい、多くの市民に参加してもらえるものになるに違いないと考えている。里山を取り巻く環境はきわめて深刻だが、「里山再生・保全のために、まつたけを復活させよう」を目標にしたら、きっと夢がふくらむ楽しい運動になると考えている。

 「マツタケのグローバリゼーション」をテーマに、人と自然のあり方の多様性や、その一つの表現である食文化を調査・研究している文化人類学者で米国・カリフォルニア大学教授のアナ・ツィンさんとカナダ・トロント大学助教授の佐塚志保さんたちのグループが、何回か私たちの活動を取材に訪れたことがある。

 その佐塚さんは山仕事の合間に汗を拭きながら笑顔で川柳を詠んだり、そうめん流しや手製の緑茶、紅茶を楽しんでいる私たちを見て、「市民運動の概念を覆された思い」と感想を述べている。さらに、「まつたけ山復活させ隊の活動は、世界的にみてもユニークで社会的にいろいろな示唆のある貴重な活動だと思う」とも評価している。

 この運動は、参加者たちの熱い思いとアイデアと行動力で成り立つものだから、楽しいことが参加者の数だけある、というのが私の基本的な考えだ。その意味で、とても幅広い活動を展開できると思っている。

 だから、私たちの活動の場はアカマツ林にとどまらない。いつの間にか畑や田んぼも作られ、稲や野菜、果樹やお茶の栽培なども始まった。里山林の手入れで伐採された木は材や薪として利用する。残りは燃やし、その消し炭は土壌改良のため畑にすき込まれる。また、全国の支援者からのカンパで本格的な陶芸窯を造り、枯れたアカマツを燃料にみんなの作品(岩倉焼)が焼かれている。昨年はその作品でまつたけを食すイベントも開催した。みんなの夢が次々とふくらみ、育まれている。

★「里山はオジさんをテツガクシャに変える」から楽しい
 「文化的な創造なしにはアカマツ林(里山)の再生もマツタケの増産もない」ということなのだと思っている。歴史を振り返っても、万葉の時代から日本人は歌を詠み、杯を交わしながら松茸狩りを楽しんでいた。今も、その遺伝子は受け継がれていて、たとえば、長野県上田市のまつたけ採り名人、宮原文男さんは軽快な「松茸音頭」のCDを制作した。作曲と唄は地元の宮下賢さんが引き受けていて、松茸が人を結びつけているのだ。
 
 また、仲間の一人で京都府南部の木津川市で幅広い里山再生運動「鹿背山元気プロジェクト」に取り組む中村伸之さんは「里山はオジさんをテツガクシャに変える」と言った。彼は「便利な生活の中で私たちは、場所も時間も身体も自由自在になると思いがちだが、じつはそれによって環境に大きな負荷を与えていて、そのツケを子どもたちに回していることに気づきはじめている。電気やガスや水道がなくクルマも入れない里山で過ごすと、場所も時間も命も有限で、環境や歴史の制約を受け、自然の理にしたがうべきものであることが身に染みて分かり謙虚になる。その分、美しさや楽しさや充実感を見つけることもできる」と続ける。

 里山にいると、心に響く発見や人間の本質とか、自分自身に迫るような気づきがあるのだと思う。もちろん、オジさんに限ったことではない。仲間たちと一緒に汗をかきながら山の作業をして、あまりの山の荒廃ぶりに心底情けなくなると同時に、それでもなお山の命が私たちの心身を癒してくれるのを感じる。その空気に包まれながら私たちは、ふと自分と家族と故郷の人々、そしてこの国と人の来し方、今、行く末を思う。そこにある病根に気づいて、考え悩む。

 それでも、ここでのテツガクはとても楽しいから、みんな里山に通い続ける。新しい自分と、これまでにない温かくて優しい「価値」が存在するのだということを、マツタケやアカマツたち里山の住人が気づかせてくれるし、里山という「テツガクの場」に集う仲間たちが互いに気づかせ合ってもくれる。そこでは隣同士がビビッとかへーっと響き合い、大人たちがそれぞれの人生で培った、飛び切りの知恵と技と心意気が花火のように色鮮やかに輝いている。

 こうした私たちの生態系の再生・保全と有機物の循環利用をベースにした考え方と実践が、全国の森林保全ボランティア団体や里山再生、生物多様性の保全に関心を持つ人たちにとって一つのモデルにもなってきているように思える。続く


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ブログ左欄ブックマークのNIKONオンラインギャラリーを左クリックしてギャラりーに入り、活動風景を御覧ください.
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§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山 (京都バス停留所「岩倉村松」から北東へ450m徒歩6分) 
 活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.
アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」に乗車.
このバスに乗車するには、
ア)JR京都駅七条口から(バス停「C6」番、所要時間約60分)
イ)阪急京都線四条河原町駅から(四条河原町交差点河原町通り北へ上ル東側)40分
ウ)京阪本線出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側、約30分)
エ)京都地下鉄烏丸線国際会館から(3番出口からバスターミナル1番)約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、現在、食材費+消耗品費として400円を徴収.登録外参加者・見学者などは要500円(施設利用代などを含む).

§参加や見学希望の方は、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について 
§1 我々のまつたけ山再生運動とは? 
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには 
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています! 
§5 今年の予定と目標?

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まつたけ山復活させ隊活動

予定日  2014年4月~6月
回  開催日  報告担当者  男厨シェフ

436 4月25日 金 三輪
437 5月03日 土 池内   内田       藤井さん夫妻(茨木市) 見学
438 5月09日 金 内田
439 5月17日 土 榎本
440 5月23日 金 三輪
441 5月31日 土 宮崎                 京都精華大学 地域環境学(板倉 豊教授担当)受講生25名参加
442 6月06日 金 内田
443 6月14日 土 池内   川崎
444 6月20日 金 榎本
445 6月28日 土 三輪

    11月7日(土)             京都造形芸術大学 環境学受講生 マツタケ山づくり体験 

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§カンパありがとう!  

§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173

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§主 催
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学)
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
090-6227-4305 redpinemushroom@gmail.com

香川理化学研究所
代表 香川 晴男

§共 催
京都大学マツタケ研究会
代表 大石 高典

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