まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ十字軍運動NEWSLETTER-第139号-

2006年09月12日 |  マツタケの林地栽培 
京都市右京区京北のマツタケ(2005年)



第58回(9月15日)開催のお知らせ

 マツタケが発生しているという、岩倉「玉城山」で、本格的にまつたけ山づくりを開始する.前回から、そのための予備調査を始めているが、参加者の皆さんも張り切っていらっしゃる.
前回の反省点として、チェーンソーを使っている人の周りに見学者が集まることが多い.これは危険である.木が倒れる方向に絶対に入らないようにせねばならない.

マツタケ発生環境整備作業の実際
不要な木を伐るために、その木に印をつける.くれぐれも全部伐ることなかれ!
作業手順と注意事項を守ろう.指示を守らず、勝手にやる人は、この作業から外れていただきましょう.

1)最初に、20m×20mの区画で、作業のしやすい平坦部から作業を進める.伐る木残す木を選別する(紐などでマークする).この作業が中心となる.次いで、伐採木や地掻の集積場所を選定する。

2)作業は以下の通りで順番通りに進める.
①植生の調節(除間伐)  植物の密度を適正化する。
a)広葉樹:
ア)大径木 大径木(株元直径5cm以上)の広葉樹を根元から伐り、適当な長さに切って林外に出す。
イ)灌木等 草本や膝頭より低い灌木は地際から切ったり,根から抜く。
ウ)中小径木 最近の異常気象による発生期の高温障害を防ぐために、直径1~5cmの木は4本/m2と密度を多い目にする。中段切りをする方法もあるが、最近は採用しない。    
b)アカマツ:
アカマツは枯死木や病害木や被圧木だけを地際から伐り、適当な長さに切って林外で処分。他のアカマツは切らない。
②土壌条件の適正化(地掻)  落葉落枝層と腐植層の厚みを調整する。
腐植層(落葉などが葉や枝に区別できなくなった状態)は、シロの外側50cm内は地面からの厚み3cmを残して、その上の腐植部分を林外に掻き出す(発生林の作業のポイント)。
ただし、近辺にマツタケのシロのない所(未発生区)は堆積した腐植層を完全に掻き出す(褐色森林土壌が見える程度)。

③翌年の補整作業
萌芽枝や草本類の生長が盛んになるため、必ずこれを怠らない。怠ると前より環境条件が悪くなる。 
 
お知らせ
1) マツタケ接種法に特許が下りる.
マツタケの起源と伝播のルートを探る「日中合同学術調査団」の組織化に向けて、京大の二井 さんとの打合せ終了後、帰ってきたら、2006年9月9日付け河北新報のマツタケの接種法の特許を知らせるメールが複数入っていた.
またか!という思いのあることだが、少し紹介をしておこう.

話題の主は、山形県米沢市 青野修一氏である.
もう大分前になるが、菌糸活性剤入りの菌糸を山に植えたところ、マツタケが発生したので、僕に認知して欲しいと岩泉町にお出でになった.丁重にお断りしたが、その後、そのキノコは、マツタケでないことが判明したと聞いた(東京医科歯科大金城氏談).

その反省から、今度の方法は、『マツタケが3年で発生 定着率30% 「忌地回復法」、現代農業2005年1月号』から抜粋すると、次のようである.
マツタケ培養菌糸の土団子とアカマツの根の活性剤(硫酸パルプ廃液を800℃以上で焼いたもの)をシロの外側50cmくらいの位置に開けた穴に入れた.3(7年という発表もある)年後、マツタケが発生したという.

いくつかの疑問点があるので、列挙しておこう.
多くの方に実験していただいて、確かめるとよいのではないだろうか.
① 800℃で焼いた硫酸パルプ廃液には糖類が大量に残っている.マツタケの培養には不向きである.
②共同研究者であった長野県伊那市の藤原儀兵衛氏は、「埋めてみたが、マツタケは全く発生しなかった.」といっている.再現性がない
③シロの外側50cmくらいに埋めれば、条件が整えば自然にマツタケが発生して当然である.
④発生したキノコは、マツタケである(ITS領域で確認済み)が、接種したマツタケと同一のまつたけであることの証明がない.③でも述べたように、3年から7年の間に、元からあったシロが伸びて、マツタケが発生したのではないか?

2)社会貢献ポータル JAPANWAY NAVI の「町を元気にした話」のコーナーに京まつたけ復活・まつたけ十字軍運動が紹介されます.9月17日10時に公開予定http://www.japanway.or.jp/.
 
3)10月9日(月)、昼の12時30分より 粟田神社の祭礼・神幸祭で、メンバーの吉川さんが、神輿の先触れである重い剣鉾を腰で揺らし、鈴の美しい音色を響かせ、練り歩く.去年に次いで今年も粟田神社前に集合.見学しましょう!

4)10月23日(月)、マツタケの本場・亀岡の今西山で「まつたけ狩り?」を実施.会費2000円でかしわのスキヤキ付.まつたけが発生していたら、スキヤキに入るとのこと.JR馬堀駅に10時に集合.ただし、参加できる人は、まつたけ十字軍のメンバーに限られる(定員は45名ほど).参加者の輸送のため、車で参加する方12人が必要.今西さん夫妻にお世話をかけます.

5)本日は、前回に続いて朝日新聞社大阪本社の重政記者とカメラさんが、また、中日新聞社京都支局の宮川記者が、まつたけ十字軍運動の活動の取材に来られる.生産者(まつたけ採り名人)が、ツライといってやりたがらないしんどい作業をしてみようとするのは何故? そういった皆さんの熱いマツタケの思いを語ってください.

6)私事で恐縮だが、9月21日から、宮崎県にある南九州大学に講義のために出かける.また、岩手県立大野高校のまつたけ収穫祭に出席し、その帰りに岩泉町のまつたけ山を観察.9月27日から出かけます.従って、第59回と第60回の活動を欠席します.ブログの書き換えも休止いたしますので、お許しください(筆者).
      
第58回 開催 要項
1)実施日    2006年9月15日(金)
2)集合時刻 午前10時30分
3)集合場所 京都市左京区岩倉村松町現地アカマツ林か京都バス停岩倉村松集会所前
4)服装等 山で軽作業できる服装、運動靴か長靴か地下足袋、皮手袋、ヘルメット.
5)用意するもの お椀と箸とコップと食材費(200円程度)+α、料理の持ち帰り容器など.
6)アクセス 京都バスの岩倉村松行きに乗車:JR京都駅(七条口バス停「06」番)から、 
阪急線烏丸四条駅下車(交差点西南角滋賀銀行前)から、京阪線出町柳下車
          (加茂大橋東詰北.所要時間25分)から、京都地下鉄国際会館前から
7)雨天の場合   京都府南部が、午前9時現在、雨天の場合や降水確率が50%以上の時、
          本日の作業は原則中止ですが、皆さんは雨の中でも、雪でも集まって楽しんでます.
参加費は無料、資格も問わない.傷害保険等は各自加入のこと.ゴミ等は各自持ち帰り願います.

9-10月の作業日のおしらせ
第59回活動日:9月22日(金) 京都バス 岩倉村松集会所前集合 午前10時30分
第60回活動日:9月30日(土) 京都バス 岩倉村松集会所前集合 午前10時30分
  第61回活動日:10月06日(金) 京都バス 岩倉村松集会所前集合 午前10時30分
第62回活動日:10月12日(木) 京都バス 岩倉村松集会所前集合 午前10時30分
第63回活動日:10月20日(金) 京都バス 岩倉村松集会所前集合 午前10時30分
第64回活動日:10月23日(月) 今西山見学会 午前10時JR山陰線「馬堀駅」集合
第65回活動日:10月27日(金) 京都バス 岩倉村松集会所前集合 午前10時30分



寄付等の振込先: 氏名: まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
                銀行名: 京都銀行 山科中央支店
               口座No.: 普通預金 3698173 
主 催 団 体
吉村 文彦(連絡先;担当責任者)
まつたけ十字軍運動 本部(http://blog.goo.ne.jp/npoiroem/)    
〒607-8421 京都市山科区御陵岡ノ西町38-27、 075-581-8932, 090-6227-4305
大月 健(代表)
京都大学マツタケ研究会(京都大学農学部図書室気付、大月 健 090-4280-3334)
共 催 団 体
NPO国際環境微生物応用研究機構、香川理化学研究所、NPO市民環境研究所
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