まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 848 まつたけ発生予想

2013年09月25日 |  マツタケの林地栽培 

 

 

                               写真1 :今の香川山のアカマツ林

 台風18号は、京都府下で大きな被害を残して去った.私たちの活動の場である左京区岩倉では、マツタケ山づくり現場への林道破損が心配されたが、仲間がこまめに世話をしているためにか、被害を最小限にとどめることができた.感謝である. 一方、香川山BCには、始めての経験とでも言うべきか、風の被害が目立った.アカマツ林は、何事もなかったように元気であるが(写真1)、薪の保管場所の屋根他が土台ごと持って行かれた. ただいま、薪を移動し、土台をつくりトタン屋根を葺く作業が続いている.その修復には16日以来毎日有志が力を注いでいる(写真2,3,4,5、6).27日(金)には佐賀県の小林由佳さんが応援に、28日(土)には石川県能登町の中山吉男さんが応援にお越しになります.ありがたい感謝である!

 

2 3 4 畑の修復 5 食当のがんばり

 この台風一過、あの蒸し暑さから解放され、秋晴れが続いている.日中は暑いが夜は寒いくらいである.となると気になるのは、当然今年のマツタケの発生である.まつたけの発生は、寒いところから始まる.桜前線の逆に移動する.ということは緯度の高いところや標高の高いところが一番早い.
 
 発生の早い地域は、日本では、トドマツやアカエゾマツ林でマツタケが見られる北海道、ツガやコメツガかシラビソ、もちろんアカマツ林の多い岩手県、標高の高いところにあるアカマツ林や「ツガ」林で発生する長野県などである.今年は、福島県会津で同じ頃発生を見ている.

 北海道のS情報では、今年の発生は意外に遅くそして意外に早く終わってしまったようだ.岩手では、地温が12℃を下回るとそろそろ発生も終わりとなる.それだけ秋の終わりが早かったらしい.発生期がだらだらと長い年は、おおむね発生量は悪く、短い年もこれまただめである.マツタケ子実体の発生が確認できて、およそ10日くらいでその発生量が幾何級数的に増えると大豊作となる.その立ち上がりの有無を見ると今期の発生状態がおおむね分かる.長野県は豊作と伝えられている.

 僕たちの活動の場、香川山では、市民の協力というか主導で写真1のように受け入れ体制は万全にできている.平均樹齢は、ほぼ40年を過ぎている.京まつたけの発生があっても不思議ではない.しかし去年までは発生はなかった.理由は二つである.おそらく付近に、この頃の風向きを考えねばならないが、マツタケの胞子が有意な数だけ飛んでこない.あるいは、シロが形成されていて、発生の条件(生息地の状態、温度、雨)が整うのを地下で心待ちにしているかもしれない.

 9月になって、香川山の地温データを毎週回収し、いつ出るかどうかと眺めている.図1は、それを処理したものである.被陰度7割、標高165m、南南西斜面、地表下10cmの測定である.見ると、17日に19.5℃になっている.京まつたけの発生はまだ先だ.気温は、緯度や標高が高ければそれだけ低い.丹波まつたけの本場は、低い山が多いが、香川山より高い山は子実体原基形成刺激を受けているところもあるはずだ.しかし、その日の最高地温で、形成スイッチが取り消されたと考えられる.これは、今の残暑を考慮すると、未だ出ないことはむしろラッキーであろう.

たった今、入った情報では、丹波の入り口でマツタケが5本発生.いよいよですかね? 気温の推移と雨が気になります(9.25.20時).

            図1 香川山の地温 横軸は9月の日付け.縦軸は温度(左クリックで大きくなります)

 これらは過ぎたことである.これからの気象が気になる.頼りになるのかどうか1週間後になると逆になるケースも多いが、気象庁の長期予報である.9月20日発表の9月21日~10月20日までの平均気温は北海道を除いて高め予想(40%)である(図2).平年よりどのくらい高めか全く分からないので、何ともいえないが、東北は、秋の終わりが遅くなるので、マツタケ発生量が期待される.丹波は発生の始まりが遅れることにつながるが雨がこの通りだ(図3)と良い発生ではないか.

図2 図3 左クリックで拡大します.

 気温が高いと晴れることが多いが、雨の予想は図3である.本州の太平洋岸は多いという予想(40%)である.広島・岡山が少ない(40%).すると丹波は発生は遅れてもでるのではないかと思われる.岩手県もこちらで言う梅雨系統(土用まつたけ)が終わり、秋本番の良いものが出始めているが、気温が高く雨があるとなればうれしい限りである.和歌山富貴も、四国も梅雨の雨がすくない年だったが、シロの成長に見合った発生量があるだろう.以上、当たるも八卦当たらぬも八卦でした.


 
 9月28日(土)は、まつたけ山復活させ隊の活動日です.午前10時に京都市左京区岩倉香川山(自称:下記の§活動拠点へのアクセスを御参照下さい)にお集まり下さい.  当日の活動報告は、内田 正明さんです. 
 
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お知らせ  
1)10月7日(月)~8日(火)岩手県洋野町大野高校生とマツタケ山造り交流会 7日講演会.8日マツタケ狩りと昼食会.            

2)10月19日(土)~20日(日)岩倉焼展示会 作品でまつたけを味わい講演を聴く(詳細は下記)

3)10月26日(土)~28日(月)
           26日(土)高松市塩江町のマツタケ山造り交流会.
           27日(日)お祭りなど見学.
           28日(月)帰京(参加募集は5人まで,27日までの費用は、塩江ふるさとの会より助成.  申し込みは猫田さんへ).  
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§カンパありがとう!          
     
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173

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まつたけ山復活させ隊活動      
 
予定日  2013年9月から12月
回     開催日  報告担当者    男厨シェフ
408    09月28日土    内田    
409    10月04日金    三輪    
410    10月12日土    宮崎    小原
411    10月18日金    榎本    
412    10月26日土    内田    
413    11月01日金    三輪    
414    11月09日土    池内    松浦
415    11月15日金    宮崎    
416    11月22日金    榎本    
417    11月30日土    池内    
418    12月06日金    三輪    内田
419    12月14日土    宮崎    
420    12月20日金    内田    感謝祭
421  2014/1/11土    池内    川崎


☆10月19日(土) マツタケ山再生と岩倉焼 勉強会(第2回ラボJIDF後援)開催         
    岩倉焼作品の展示 岩倉焼のぐい呑みでお酒を、岩倉焼の器でまつたけ料理を味わい、里山林と岩倉焼を語る 

時 間 午後1時~8時 開場は12時30分
会 場 遊狐草舎(京町屋)075-493-9369 京都市北区紫竹西南町17-3 (今宮大徳寺西入る)
        市営地下鉄 烏丸線「北大路」駅下車、北口より今宮通を西へ約15分.市バス大徳寺前から5分
 明月記に、定家が参内すると、土御門帝はマツタケ狩りに出かけていた.そこは船岡山らしい.大徳寺をはさんで対角線上に遊弧草舎(物理学者林 忠四郎生家)はある.すなわち大徳寺の東北角に位置する.

講 演(無料):16:00~17:00
      田端英雄氏(植物生態学者)深泥池から岩倉にかけての森林植生の変遷    
                 -須恵器に始まり平安京建設につながる瓦の製造と森林との関係などから考察-

討論会(無料):17:00~18:00
      近藤高弘氏(陶芸・美術作家)・若林広幸氏(建築家)+ まつたけ山復活させ隊陶芸班メンバー

食事会(有料):18:00~20:00
     松茸は有名ブランド『岩泉まつたけ』200g/人を用います.岩倉焼の器に合う松茸料理は、焼き物、松茸ご飯、吸い物と伝統的なものを考えています.しかしその発生は天候に左右されるため、不作凶作時は、松茸料理は提供できないこともありますので、あらかじめご承知おき下さるようにお願い申し上げます.

定 員 展示品鑑賞 定員なし 講演会と食事会30名  

参加費 作品鑑賞と講演会の参加は無料  食事会参加は1万円(要予約、当日徴収) 
 
 申し込みは、まつたけ山復活させ隊陶芸班世話人内田正明さん(iwakurayaki.lab@gmail.com)まで.
  申し込み締め切りは、10月8日(火).
  

§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山 (京都バス停留所「岩倉村松」から北東へ450m徒歩6分) 
 活動開始は午前10時頃から,終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.
アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」に乗車.
このバスに乗車するには、
ア)JR京都駅七条口から(バス停「C6」番、所要時間約60分)
イ)阪急京都線四条河原町駅から(四条河原町交差点河原町通り北へ上ル東側)40分
ウ)京阪本線出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側、約30分)
エ)京都地下鉄烏丸線国際会館から(3番出口からバスターミナル1番)約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、現在、食材費(実費)+消耗品費として400円を徴収.見学者は要500円(施設利用代などを含む).


§参加や見学希望の方は、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について 
§1 我々のまつたけ山再生運動とは? 
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには 
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています! 
§5 今年の予定と目標?


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§主 催
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学)
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
090-6227-4305 matsutake10@gmail.com

香川理化学研究所
代表 香川 晴男

§共 催
京都大学マツタケ研究会
代表 大石 高典

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