のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

これはいいこれはわるいといえる秋

2011年08月24日 | 今年の米づくり
気温は30℃にもなろうとした一日ですが
風にはさわやかさが加味されてきたようで
朝にはうろこ雲?も浮かんでいたような

そんな初秋
全国の?米農家は新米の放射性物質検査の結果を
固唾を飲んで見守っています

千葉県でも早場米地帯から順次検査していまして
柏市産のコメからはどこの地点からも放射性セシウムは「検出されず」
22日 “出荷・販売できる”と公表されました


わが家のコメについても収穫後検査しなければなりませんが
ひとまずはほっとしています


その一方で
市内で有機農業を志向する知人から芳しくない話を聞きました

有機農家のほとんどは宅配等の直売をしてきたのですが
例の事故以降 顧客離れが著しく存続できるか心配しているといいます

彼によると有機農産物を求めるお客さんは環境問題に関心が高く
当然放射能汚染に対しては拒否反応を示しているのだそうです

農産品ごとに“検出せず”の検査結果を提示しても納得してもらえず
これからの作付けも稲わらや米ぬか もみ殻などの
身近な有機物が使えない状況では有機を実現することは難しく
一部では落ち葉堆肥を関西方面から
“輸入”しようかという話まででているようです


この話を聞いて同情するとともに
“今日の有機農業”の置かれている状況の脆弱さも
また感じざるをえませんでした

物質循環と命の連鎖による営みの中で暮らすことは
人間本来のあるべき姿と思いますし
わが家も有機農業を目指したいと考えていますが
“今日の有機農業”は消費者と生産者が
有機的な信頼関係で結ばれているのではなかったのかと……

やはり
少数しかいないことの価値を共有することで結ばれるのでなく
有機農業がメジャーになっている社会を目指さねばならないでしょう

もしそういう社会になっていたら
今回の事故はどう受け止められたのかとふと思ってしまいます