のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

県試験場研究発表会

2005年02月25日 | 今年の梨づくり
 県農業総合研究センターの果樹部門試験研究発表会へ流山の梨生産農家Oさん、研修生Tくんと行ってきました。
 今年の主なテーマは梨園の草生栽培に適した草種、幸水の芯腐れ症、梨の萎縮病対策、それにブルーベリーのショウジョウバエ対策。

 草生栽培については、刈取り草量が多く、刈取り回数が少なく管理が楽、雑草を抑制するマルチ効果も高いという理由から「ナギナタガヤ」という草がもっとも適しているということでした。わが家で冬期に播いているライ麦については、刈取り草量(有機物供給量)は多いものの、雑草が生えやすく、春先の養水分が梨と競合するという評価でした。
 たしかに春の彼岸を過ぎると、ライ麦の草丈は急に伸び、ちょうど花や葉を出そうとする梨と時期的に競合するかもしれません。しかし、ライ麦は有機物供給の他に根による耕うん効果(できれば天敵生物のためのバンカープランツ効果も)を期待しています。この点についてはナギナタガヤではどうなんでしょうか。また、ナギナタガヤでは秋の早い段階(10月頃)に播種、耕うんすることになり、これまでの施肥管理や落葉処理との整合をどのようにするのか、まだ多くの課題があるようです。ただブームに乗せられることにならないよう何のために草生にするのかを考えないと。

 芯腐れ症は近年大きな問題となっている梨の病気です。その名の通り芯の部分が腐れ、果肉部までひろがると果実全体がぶよぶよとなってしまいます。
 開花時に罹患した病菌が収穫時になって動きだし、収穫後、時間がたつにつれて発症するというやっかいなものです。ですから収穫・出荷時には気付かずお客さまに届けてしまう可能性が高く、毎年、それが原因と思われるクレームをいただきます。こんな泣き言をいってもお客さまの許しを得られるわけでもなく、防除する手立てを考えなければならないのですが、現段階では減農薬とは逆の方向へ行かざるを得ないのが残念。

 梨の萎縮病対策はこれまでの研究成果の整理と先進農家で行われている対処事例が報告されました。萎縮症とは展葉期になっても葉が正常に展開せず、しまいには枝まで枯死してまう病気?です。まだ原因が解明されていません。これも梨の樹体の老木化に伴い大きくなった課題です。

 ブルーベリーのショウジョウバエ対策とは、ブルーベリーの実からハエの幼虫が出てきたという消費者のクレームを発端にして出荷停止まで発展した問題とのことです。健康・無農薬イメージの強いブルーベリーにとっては薬剤防除以外の道を探さなければならず、生産者にとってはこの種の問題は始めての経験かもしれません。

 県の研究者の発表だけでなく、県内の梨生産農家や県の農業普及員が集まり質問や意見交換できる場です。わが家の父はマルナシカイガラムシ?の被害枝を持ち込んで旧知の専門家たちに質問、意見を伺え、興味深い時間を過ごしました。