のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

満を持し高家幸水咲き誇る

2014年04月10日 | 春の梨畑
幸水というナシは上品な味覚ですが
その花もなんとなく凛として清く正しく美しくみたいな

以下、9日、7日、5日、4日、3日、30日様子








ほぼ同時期のクリ「ぽろたん」の展葉の様子
順に10日、9日、7日、4日






真綿色した梨の雲にジェット二機

2014年04月09日 | 春の梨畑
わが家上空はいつからか
札幌から羽田への飛行ルートになっているようで
お昼前のような特定の時間になると
数分置きに色々な色したジェット機が飛来します

風向きによりジェット機は
千葉上空?で旋回し戻ってきて
また、わが家上空で船橋方面に旋回していきます
たまたま札幌方面からと千葉方面からの二機のジェット機が
わが家上空で交差することもあって
衝突しちゃう…なんて子どものような妄想をしてしまいます

それにしても
飛行ルートというのが決まっているのでしょうが
何機も見ていると幅広いルートのようです

と、春の日に呑気に空を眺めているわけではないのですが
摘蕾作業をしているとそんな様子が目に入る訳でして

幸水のはなが開きだしました
豊水の花がほぼ満開となりました


朝もやを陽が切り裂いて蜂の音

2014年04月08日 | 春の梨畑
この二日、朝の予想最低気温が3度、4度でしたので
遅霜が心配されましたが
どうにか無事に過ぎたようです
今日は風も止み、どんどん気温も上がりました
新高、にっこり、新興、豊水とナシの花も順次開きだし
遠くから見てもナシ畑にうっすら白く見えてきました

となると、虫たちの登場です
今日は交配中の第一ミツバチ、発見
このままこのままと願いたいのですが
天気予報では木曜日にはまた寒くなるとか
今年は人工交配をしないでみようかと園主がいいまして
(今年から後継者君にナシ栽培の責任者になってもらいましたので)
とにかく自然の蜂たちに頑張ってもらいましょう



と、摘蕾(てきらい)作業をしていると
まだ固い蕾の表面に黒い斑点が…
何らかの傷害でしょう
この前の日曜にでもあられが降ったのでしょうか
まあ大事ではないようですので
心配はしていませんが

凍える朝越えられるかはだか虫

2014年04月05日 | 春の梨畑
暖かいんだか寒いんだか
晴れているんだか雨が降るんだか不安定な天候が続いています
昨日は埼玉でつむじ風が起こったようだし
宇都宮では雹が降ったといいます

こんな時期に寒気が下りてこなくてもいいのですが
そんな天候にはお構いなしにナシの花は動いています
今日は豊水の花が開きだしました

今夜はもしかして雪?なんて予報もあって
花に影響のないことを祈るだけ
霜除けに早くから防災網を開いている農家は
わが家よりもっとひやひやしているでしょう
網の上に雪が積もったら
この2月のビニールハウスと同じ運命ですから

この寒気が行ってしまえば暖かい日が続くそうですから
一気にナシの開花が進んで交配も省力できるかもしれません

そんなのんきなことを考えているから
ほら 何かの幼虫が花を食べ始めましたよ

第一はだか虫、発見

散らし雨芽吹きの雨も同じ雨

2014年04月03日 | 春の梨畑
予報では朝夕に降るということでしたが
一日雨が降っていました
「新高」の花が開き出したというのに

いつかは雨が降らなければならないのであれば
花盛りではなく
咲き始めの今ごろに降ることで納得しなければなりません
桜を散らす雨になろうとも
芽吹きの慈雨にもなるのですから

野良仕事をしていると
何事も考え様次第と思う場面が多いのですが
もしかしてどこかの改憲解釈が議題に上るのは
農耕生活の性?

4月2日に「新高」が開花というのは
過去5年でみると最も近いのは4月4日だった2010年
ちなみに去年は3月23日で、一昨年は4月12日
どっがよかったとは一概に言えないのですが
貯めて貯めて一気にいろいろな品種が
一斉に咲きだすというのが交配にはいいみたいです
週間予報では来週はよい天気が続きそうですので
期待しましょう

写真は今日の「幸水」

田起こしだ花だ団子だ嵐前

2014年03月30日 | 春の梨畑
お彼岸を迎え、急に暖かくなったものですから
ナシのつぼみも日に日に開いてきました
今年も待ったなしの日が続きます

そんな毎日に追われ
最近とみに発信力が衰えてきたことを自覚しているのですが
実は、受信力も衰えていたようで
2014年の新書大賞を受賞した
『里山資本主義』という新書(角川oneテーマ21)
を先ごろまで知りませんでした

グローバリズムや「マネー資本主義」の
経済システムのアンチテーゼとして
中国地方の中山間地で木屑ペレット発電に取り組んでいるとか
木造高層建築物が可能となって
オーストリアではエネルギー革命が起こっているとか
新しい社会の具体例を提示し
お金の循環が滞っても
水と食料と燃料が手に入り続ける仕組みをつくろうといっています
多くの人に「懐かしい未来」として
田舎の可能性が注目されるのはたいへん喜ばしいことです
311以降のなんとなくもやもやした気分を
吹き飛ばしてくれるのかもしれません

『百姓貴族』というコミックも話題を呼んでるようです
最近映画化された『銀の匙』という農業高校を舞台にした
コミックと同じ作者で、農業エッセイをコミック化した感じ

どちらも、そうだよねえとか、あるあるって思う反面
なんだかなあという思いもあるのですが
農業分野に様々な人たちが興味をもって
入ってきてくれることは現場が活性化してありがたいことです

ただ、農業あるいは農村の現場では急速にその姿を変えていて
農地制度を含めた農政の見直しとともに
企業参入や金融機関による農業ファンド、農業起業家たちの
踊る舞台となりつつあることも確かです
(週刊東洋経済2014/2/18 特集:強い農業 世界で勝つためのヒント)

そんな中でわが家の当面の仕事は
ナシづくりとコメづくり
わが家産品を原料とした菓子・ジャム・ソース加工
それに近在農家からの加工受託
これでこれからの荒海を乗り越えていこうと考えています

『里山資本主義』の中に
こんなわが家を後押ししてくれる事例が紹介されていました
瀬戸内海の島で原料を高く買い入れ
人手をかけて成功したジャム屋さん
自分も地域も利益を上げる方法が生まれたといいます
生産、加工、販売を地域で行うことによって
外に出ていく金を減らし、地元で回すことのできる経済モデルです
わが家の加工受託はまさにここを目指しています

また、貨幣換算できない物々交換や市場外での流通もまた
わが家でも以前からいろいろと試みてきました
CSA(community supported agriculture)もそのひとつの形でしょう
グローバリズムや巨大企業に負けない農業はあります

最後に少し弱音を…

今日のこの嵐はなんだあ
最近は雨も風も雪も百年に一度なんていう大きさで
もし農業が行き詰るとするとこういう気候変動かもしれません

やり投げは優しい人が苦手です

2013年05月03日 | 春の梨畑
なぜかといえば“重い槍”を持っているから

最近、“おもいやり算”なるものが流布されています
「+けあう」「-うける」「声を×」「いた÷」
ACジャパンのキャンペーンですが、誰がかんがえているのでしょう
上手い!


“重い槍”を持っているわけではないのですが
春の農作業が遅れています
特にナシの摘果作業

暦通りなら例年と大差ないのですが
なにしろ今年は花が早く、寒い4月だったとはいえ
ナシの実はどんどん大きくなっています

写真は極早生の「愛甘水」
いつもなら真っ先に積果して、次の品種に移っているものですから
こんなに大きくなってから実をよおーく見るのは初めて?

幼果はリンゴのようなきれいな赤い色がさしていたんだと改めて感心
大きくなるとちょっと暗い色具合になるんですけどね

畑にはあけびという名で出ています

2013年04月20日 | 春の梨畑
ナシ畑の角に自生しているアケビが花を咲かせています

地味な紫色でなんとなく夜の雰囲気を醸し出ていますが
ナシ屋にとってもアケビを好物とする害虫を連想させるもので
嫌われ者でした
それは「アケビコノハ」という夜蛾で
多目的防災網を設置していなかった時代は
防蛾灯という黄色い色の電球を夜間つけたり
夜蛾獲りと称して収穫期の夜の畑を見回ったものです

防災網を広げるようになってからほとんど見られなくなって
グロテスクなあの幼虫も数年に一度見るか見ないかという程度

毎年のように蔓を切っても蔓が伸びてきます
すごい繁殖力です
防災網の中ならアケビを育ててもいいかもと思って
数本、制御しながら伸ばしています
アケビの実が商品にできればいいのですが
それよりアケビの苗木が商品にできればなおいいですね

春疾風乙女の訪ふ声吹きさらわれ(中村草田男)

2013年04月08日 | 春の梨畑
              
              

久し振りのupです

梨の花も桜同様、例年より十日も早く開きはじめ
2度の爆弾低気圧やらに見舞われている間に花の盛りを過ぎています
この春は梅もコブシも桜も色々な花が短期間に咲きそろい
北国の春のようだという声も聞きましたが
ナシも例外にもれないようで
たびたびの冷気でぐずぐずしているのかと思いきや
あっという間に開花期が終わるという印象です

問題は交配です
大雨やら南風やら西風やらで花は相当痛めつけられています
昨日の寒冷前線通過時には少し南側で降雹もあったと聞きます
花が早く咲いている割にはムシたちの動きがまだ鈍いようです
決して良い条件とはいえませんが
各品種、一日ぐらいは好天があったようですので
なんとかなるでしょう

木々の春は急いでいるのですが
それに比べて草の春は遅いような
いつもならナシの交配時には腰の高さにまで伸びるライムギが
今年はせいぜいひざ丈

木々たちがあわてて子孫を残そうとしているのには
それなりの理由があるのでしょう
今年の天候も油断なりません


この春はムシの出る出ぬ境界線

2012年05月19日 | 春の梨畑
今年は農作物にアブラムシがなかなかつかない
もしや例の無主物の影響?
なんてことが知り合いの家庭菜園仲間の話題に乗っているとか

ここにきて伸び出したナシの枝先端の葉が縮れ
アブラムシさまの登場です
単純に気温が低くてなかなか姿を見せなかったのではないか
という仮説をたててみましたがはたして…

それに対してシャクトリは例年までと大差ない傾向
絶妙な気温の境界線

八頭の一頭を残し春惜しむ

2012年05月04日 | 春の梨畑
もう立夏というのにナシ畑では
春仕事の最後 摘果作業をようやく始めています

交配から約2週間
花粉を十分受けた実は10mm近くまで育っています

ナシは一つの花芽に8つの花が咲きます
今年 定点観測してきた花芽も8つの花が咲き7つの着果しました
枝に近い方から「一番果」「二番果」…と呼びます
一番果には一番果の 八番果には八番果の性格がありまして
中では三から五番果の性格がよいとされています

ということで
実も一番大きくて三番果の実を残して
残りの実を摘み落としてしまいました

              

摘果しないでそのまま置いておくと
ゴルフボール大ぐらいまでしか育たず樹勢も大弱り
小さなヤマタノオロチのごとく大暴れしてしまいます

並び立つ折合い探す夏立ちぬ

2012年05月02日 | 春の梨畑
ナシの花の交配の際には大活躍してくれたニホンミツバチ
開花終了後
ナシ畑に殺虫剤を散布したのですが
わが家のミツバチたちはまだ元気です

殺虫剤ですから昆虫の仲間のハチも影響を受けるでしょうが
最近はミツバチに影響の少ない農薬も出始めています。
花の交配はムシに頼っていながら
一方で殺虫剤を散布しなければならないという果樹農家ゆえのジレンマ

数年前 世界規模でミツバチの数が減っていて
その原因は農薬の使用にあるというニュースが盛んに流れ
果樹農家としてはまことに居心地の悪い思いをしていました

わが家では毎年殺虫剤を使ってきて
それでも毎年ミツバチが花が咲くと集まってくれるという事象を見てきました
数が減っているのは西洋ミツバチで
天然のニホンミツバチはそれほどの影響を受けないのではないか
西洋ミツバチの数が減ったのは農薬の影響ではないのではないか

そんな仮説を検証するため
ってそんな大げさなものではないのですが
この春からわが家の庭で2群のミツバチの巣をあずかっています


虫と人の共生という話題では
住宅地に置いていたニホンミツバチの巣を
近隣の方からのクレームで撤去をせざるを得なくなったという話を聞きました

その方は去年からニホンミツバチを養ってきて
この春初めて分蜂したそうです
たまたまその分蜂の塊がお隣の庭にいってしまい
お隣はびっくり

このハチは人を襲ったりはしないと理解を求めたのだそうですが
納得してもらえず
不在時に殺虫剤を散布されそうになったこともあったとか

毎朝 娘さんが巣箱から出入りするハチを楽しみに観察していたそうです
家から巣箱を運び出す時 涙を流して別れを惜しんだといいます

“養蜂”という言葉があります
ハチは人間とペット以上の関係にあるといえないでしょうか

ひと寄れば青葉若葉のしじまかな

2012年04月30日 | 春の梨畑
世の中は大型連休だそうで
街へ山海へ海外へ多くの人たちが行楽に出かけているのですが
農家は田んぼへ畑へ大忙し
田んぼも苗が植えられ始めました
わが家はナシ畑の作業が目白押し

交配が終わったら農薬散布
次は降雹対策に多目的防災網を広げるのですが
わが家はその前の一仕事
緑肥用のライムギの刈り取りです

            

ひと月前にはまだ膝下だった背丈が1mを越し
出穂もしてきました

緑肥として刈り取る適期です
トラクターとモア(刈り取る機械)を止めた時
地上も樹上もいのちのしじまのなんと饒舌なことでしょう

済みてなおあるべきを知る花散りぬ

2012年04月29日 | 春の梨畑
今年のナシの花の時期が終了しました

大半は寒い日や雨模様の日が続いて開花期間は例年より長かったようです
寒くても花は少しずつ開花していきますので
交配のタイミングがうまくとれるか心配しました
人工交配に適した日和は最後の二日間ぐらいだったかもしれません

わが家では人工授粉による交配は最低限の作業しか予定していませんが
ちょっと気温が上がると虫たちが雨の中でも動きまわっているのをみると
少し気分も楽になります

早く咲いた花はもう元の方が膨らんでいますので
こんな天候でも交配は順調のようです

写真は農薬散布をした機械の上に落ちた花びら
朝日があたって最後の彩りを見せていました

展くのもそろりそろりと春炬燵

2012年04月22日 | 春の梨畑
幸水の開花日より4日 満開の状態です
まだ豊水も新興も王秋の花も元気です

ここ数日 寒い日が続いていることから
花持ちがよくて交配条件もよいようですが
あまりにも寒くてハチも動かない
はたして交配できているのかできていないのか

いろんな品種の花が一時に咲くようなときは
一日ぐらい上天気な日があってあとはさっと散ってしまうようなのが
理想的なんですがそうもいきません
人まで風邪をひいてしまって春炬燵ならぬ春ストーブ
薪の一掃セールです