のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

嬉しさも中ぐらいなり梅雨明ける

2011年07月12日 | 夏の梨畑
やっぱり早々に先週の9日には今年の梅雨が明けてしまいました

小さい頃の「梅雨明け」というとまぶしいほどの青空が待ち遠しくて
これから始まる夏休みへの期待を膨らませたものでしたが
今年などは「えー! もう明けちゃったのー!」み・た・い・な

もっと雨がほしかったなあと思いながらも
ちょっと足踏みしているかなと思われたナシの実の肥大が
梅雨明け宣言に合わせたかのようにふたたび動き出して
中には果皮と実の中身の成長の歩調が合わず
写真のように破裂してしまうナシもあったりして

でも今年はこういう実(成育の悪い年に多く見られます)は少なくて
いつも急に大きくなる豊水にみられるような軸折れが…
「収穫まであとひと月
最終コーナーを回ってラストスパートです」み・た・い・な

このまま晴天が続くとなると果実の肥大や糖度は期待できますし
病気の心配もありません
代わりにハダニなどの害虫を心配しつつも
せっせとスプリンクラーで散水に精を出しながら
「昼寝でもして大きくなるのを待っていますか」み・た・い・な

あーぁ そんな暮らしをしてみたい

雲の峰こっちは雨なくセミがなく

2011年07月07日 | 夏の梨畑
5日の夕方 梅雨空にはふさわしくない積乱雲でしたが
このあたりには一粒の雨も落とさず南下していきました

予報では降るぞ降るぞといわれながら
ここ半月以上 雨らしい雨が降っていません
先日は砂埃の立つほどの大南風でした

今日も雨雲レーダーを見ると国中 関東以外雨模様なのに
箱根の山より東に行くと雨雲は急に南下 房総沖へ下っていました

このまま梅雨があけてしまうのだろうかとは
ナシ仲間の挨拶になりつつあったのですが
業を煮やした形で乾燥しやすいナシ畑から今日から散水を始めました

こんな乾燥気象に喜んでいるのはネギ農家
梅雨時にはいつも泣かされてきた赤さび病が昨年夏の猛暑でほとんど消え
今年も農薬を散布しなくともきれいな葉をしています


七夕の今日 ヒグラシが鳴いているのを初めて聞きました

去年は6月15日

その前は6月24日 その前年は7月1日 さらに前年は7月9日でした
毎年早くなっていたのがまた4年前に戻っています
さて 今年はどんな8月を迎えるのでしょうか

麦弱り米の喜ぶ梅雨らしき

2011年06月14日 | 夏の梨畑
水田転作の麦作が収穫期を迎えています
が このところの連日の雨模様で刈り入れ適期が少なくて大弱り

こんな天気でナシはどうですか なんてよく聞かれます
以前にも書きましたが
梅雨の時期は温度もさることながら雨の量が大事だから
雨の多いのは歓迎ですよって答えていたのですが
四六時中 露が切れないような雨模様ですとそれは行き過ぎ

ここにきてナシづくりの大敵「黒星病」が目につくようになりました
農薬が枝葉の隅々に行き渡るためにも
余分な枝葉を切除(ピンチ)しなければならないのですが
その作業時間も足りないくらいです

梅雨入りは早いし寒いしでも育つ

2011年06月01日 | 夏の梨畑
例年より早く梅雨入りしたうえに
連日 寒い日が続いています
暑い夏と省エネに対応すべくせっかくの衣替えも寒々しく
「スーパークールビズ」ならぬ「スーパークールツユ」の様相です

たしかに植物の花や育ちが例年より一週間ぐらい遅れている
という声を聞きます
ナシはどうかと聞かれるのですが
きちんとしたデータで確かめてはなく感覚ですが
開花後日数での肥大はそれほど悪くはないのではと見ています

概して不安定な春でしたが運よく開花中はよい天気に恵まれ
交配が順調であったからではないかと思います
梅雨の間はむしろ雨量の方が気になります
肥大や糖度は梅雨明け後の夏の天候に左右されるのではないでしょうか

もっとも近年の消費行動は大きな実を好まない傾向にあるようですから
これくらいでちょうどいいのかもしれません

ただ不順な天候の影響か
今年は未熟な?新梢が目につきます
写真で果実の右側に出ている枝です
本来は「徒長枝」と呼ばれるようなすいすーいと伸びやかな枝になるのですが
伸びようか伸びまいかどうも縮こまっています

日当たりや風通しを良くするためこういう枝を切除(ピンチ)するのが
これからのナシ畑の作業になります

地中より空に水やるような夏

2010年08月30日 | 夏の梨畑
このところまったく雨がありません。
高い気温に加え、この乾燥状態が農作物に与えるダメージは
経験したことのないレベルで想像もできません。

潅水できるナシ畑ではもうひと月以上も散水を続けています。
50mmホースにスプリンクラーを設置し、
十日に一度くらいの割合で夕方から5,6時間散水しています。

散水していても地表面は乾燥しますし、地割れも見られます。
地中の塩分が出てくるのか、
地表が白くなっているところもみられます。
湿ったのちに乾燥するので
かえって地表が固められるような気もします。
それでも水をやれない畑のナシの木よりも
葉が生き生きしているようにみえます。

一度、散水をはじめるとそれを前提とした根の状態になり、
散水をやめられなくなるともいわれます。

どのように散水すれば効果があるのか、
やらないよりは効果があるだろうと
よくわからないまま試行錯誤が続きます。

変わり目はいつも後からわかるもの

2010年08月11日 | 夏の梨畑
ナシの収穫は先日から始めたのですが、
ふたまわりしたところでストップです。
昨日は収穫作業自体をお休みにしました。

連日の猛暑と乾燥によりたしかに糖度はあるのですが、
種子がまだ白いものもみられました。
多くの実はまだ青く、大きな実になっています。
盛りになるまでもう少しお待ちください。

台風4号が対馬付近を通過して日本海を北上しています。
7月の対馬滞在中は三日間とも穏やかな日でしたので、
台風がきたならあそこはどうなっているのだろうと考えながら
水田の畔草刈りをしていました。

週間予報ではまだ猛暑が続くようです。
でも、北へ流れる雲を眺めていましたら、
もしかしたらあんな猛暑は無いんじゃないか、
本当にもう秋になるんじゃないか、なんて思えてきました。
全くの個人的な勘ですが…

楽あればしっぺ返しもある生の理

2010年08月01日 | 夏の梨畑
収穫前のこの時期、忙しくならないうちにと
子どもが小さい頃はよく海へ連れて行ったりしていました。

だいたいそうことをすると、
出荷の準備が遅れたり、園内の管理に目が届かなかったり
よくないこと、つまりはしっぺ返しがありました。
ここしばらくはそういう家族サービスが必要なくなったので
粛々と農作業にいそしんでいました。

ところが今年は、ここ数日のブログで紹介しているように
先週末、3日ほど家を留守にしておりました。
後継者君もいるので大丈夫だろうと。

でもやはり、しっぺ返しがありました。
ハダニの出現です。
猛暑が続いて乾燥していましたから危ないなとは感じていました。

たった三日で多発ゲリラ状態に。
致し方ありません。殺ダニ剤を散布することにします。

              

ハダニというのは葉について葉を枯らしてしまいます。
主に葉の裏側につくのは雨・水に弱いからです。
暑くても連日、夕立でもあるとそんなに広がらないはずですが、
今年はなかなか雨も降りません。

              

小さなムシで、視力の弱くなると確認しにくいのですが、
指先で葉の表面を擦ると、
ハダニがつぶされてハダニの体液が線を描きますので、
薬で退治できたかどうかもそれで確認しています。

              

この穴のあるじはお主か濡れネズミ

2010年07月22日 | 夏の梨畑
なんの変哲もないナシの株元ですが…

              

勢いよく水を吹き付けてやると、ぽっかりと穴が出現。

              

さらに周辺まで水を吹き付けて、ドロドロ状にして落ち着いたところ。

              

これで株元の空間(ムロ)は無くなり、
好気性の病菌モンパ菌の活動は抑えられ、
発根も期待されます。

乾燥気味の一つの畑全体でこういう処理をしたのですが、
そのうち2か所から、それこそ泥の中から野ネズミが飛び出してきました。
てっきりモグラの仕業かと思いましたが、
こりゃまた、失礼。

カビ去ればムシの心配 梅雨明ける

2010年07月17日 | 夏の梨畑
ようやく梅雨明け宣言がでました。
ゲリラ豪雨で被害のでているところがあれば
当地のようにほとんど雨量がなく、
もしかしたらナシ畑の潅水が必要かもと思われるところもあって
なかなか思うようにはいきません。

ナシ畑もこれまでは病菌の広がりが心配されましたが、
今度はハダニの心配です。
いつも出てくるようなところにはすでにコロニーができていました。
なんとか殺ダニ剤を使わなくとも抑えられるとは思うのですが、
目が離せません。

このころのナシ畑の虫といえば気になる虫がいます。

              

白い花が咲いたような羽?尻尾?を持っています。
捕まえようとするとするっと指先から飛んで?跳ねて?行ってしまいます。

蝋のようなすべる粉をかぶっていることから
カイガラムシかなにかの成虫でもあるのかと考えていたのですが、
ちょっと調べてみるとアミガサハゴロモの幼虫のようです。

カメムシやウンカの仲間のようです。
そういえばウンカに似ているアオバハゴロモの成虫は良く見ますし、
その幼虫はこのアミガサハゴロモとよく似ています。

             

             

百姓のやればやるほど暇はなし

2010年06月03日 | 夏の梨畑
ナシの授粉から40日余り。
幸水なんか生育期間の1/3が過ぎてしまいました。

これまでの生育状況をみると
やはり交配期の悪天候の影響か、
全般的に生育は良くないようです。

そんななかで飛びぬけて丸々とした実がところどころで見受けられます。
どうやら今年試した「交配機」の効果のあらわれのようです。

まわりの実が横径20mmぐらいなものもあるなかで
30mmぐらいになっています。
(写真のスケールはメモリ部分が欠落しています)
果軸も太くてこれからの生育も期待できます。

これを見ると、
実の生育には交配時の花粉量だということがわかります。
だから昔から一生懸命人工交配をするわけです。

七つの子お前らに罪はないけれど

2010年05月29日 | 夏の梨畑
先日の雨の降った日、機械小屋を整理していましたら
出てきました、出てきました。
七つの子ならぬ8匹の生まれたての子ネズミ。
たびたび大きな親ネズミがうろちょろ目ざわりでしたので、
致し方ありません。懲らしめてやりました。

話は変わって、ナシの株元の雑草をはぎ取っていると、
いくつもの穴がみつかります。
モグラの穴なのかネズミの穴なのか。
地中を風通し良くする点ではよいのかもしれませんが、
もしかしたらと思えることがあります。

もしかしたら、
このことがモンパ菌を元気づけることになっていないのか。

苗木を植え付ける際には十分な水を与えて空洞がないようにするとか、
モンパ菌を抑えるために株元を湿らせる点滴のようなものをしたらどうか、
というような話を聞いたことがあります。
確か嫌気性といわれるモンパ菌ですが、
いろいろありまして実は好気性でもあるのではという仮説のうえでの話です。

摘果作業等が一段落して雨でも降ったら
株元を勢いのついた水で洗ってやろうかと考えています。

あっ、
雨が降ったら元肥用のボカシづくりをしなければならないんでしたっけ。
やればやるほど百姓暇なし、ですわ。

黒い雲雷鳴遠くを確かめる

2010年05月13日 | 夏の梨畑
昨日の午後のことです。
ナシ畑にいると北から東の方へ黒い雲を伴う積乱雲が流れていきます。
雷鳴も聞こえるようです。
こっちに来るなと念じつつ摘果作業をしていました。

夜、ネット上で調べてみたら、
栃木県南部から土浦を経て成田方面に豪雨が移動していったようです。
今朝のラジオでは
その方面の聴取者から降雹の報告があったと伝えていました。
被害に会った方々にお見舞い申し上げます。

連休中の上天気からまた不安定な天候に変わっていますが、
そんな中でも結実したナシの幼果は日々大きくなっています。

今年は噴射型の交配器を使いましたが、
その結果はどうだろうと思いながら摘果をしていると、
いつもよりコロコロとした実が多いような、
つまり十分な花粉量をうけて授粉ができている気がします。
どうやら交配器の効果はあったようです。

ただ、去年と比べると
一花交配の成果は薄められたかもしれません。
梵天で一つの花だけにうまく交配できると、
実一つだけが大きくて、そのほかは小さい実ばかりになりますが、
噴射型ですと、大量の(梵天に比べて)花粉が一つの花に向けられ飛ばされ、
当然ながら周りの花にも花粉が飛ぶのでしょう、
周辺の実もコロコロ大きくなる傾向があるようです(写真上)。

どちらが良いのかは意見の分かれるところかもしれませんが、
現段階では噴射型交配器は好意的に受け止めています。

振り向けばえくぼが二つ薫る風

2010年05月09日 | 夏の梨畑
「えくぼ」というより「あばた」かもしれませんが、
4月17日のあられ?によるナシの被害の続報です。

写真は幸水ナシの幼果。
王秋など果軸の長い品種は果軸にまで傷ができています。

摘果作業は上向き仕事。
例年ですとまぶしいのでサングラシをかけての作業。
今年は、あられによる?傷がよく見えませんので裸眼で。
すると、どうしても太陽を背に作業をしがちです。

で、残した実を裏側からみると、傷が…
どうやら、あられは北側から降ってきたようです。

幸いなことに何箇所かある畑によって
被害の度合いが違うようです。

こういう被害を受けた時に幼果の段階のどの程度の傷が
収穫時にはどの程度の傷として残るのか、あるいはなくなるのか。

過ぎたるは及ばずより悪し実の数

2010年05月02日 | 夏の梨畑
花がたくさん咲いていいのはサクラで
ナシはそれなりの数さえあればいいのですが、
着果数は一層シビアな最低限の値で結構。

2週間前は実がつくかどうか心配していたのに
もうこんなことをいっています。

続いた寒気と降雨がナシの交配にどう影響するか、ご心配かけましたが、
十二分に着果しています。
幸水など(写真上)むしろ天候に恵まれたか、
ひと花ずつ人工交配した効果なぞまったく見られない始末です。
交配した花粉に問題があったかもしれませんが。
それに言い訳させてもらうと
主に交配した長果枝の実はまだ判別できるほど大きくなっていませんが。

             

こちらが豊水。
やはり悪天候の影響か、例年より着果数は少ないようです。
いいかえればあれほどの悪条件でもこれだけ授粉するということでしょう。

ところがところが、一難去ってまた一難です。
着果した実が育つにつれ判明してきたのが
例の降雪記録を出した4月17日の影響か。
あの日の朝、例のごとく、室内で団子づくりにいそしんでいましたので
気がつかなかったのですが、
雪になる前にあられが降ったようです。
当地より南部の市川・船橋方面ではあられだけだったようです。

そのあられによって実が傷つけられているようなんです。
くわしくはもう少し様子がわかってから。

そいつらはさすがのおいらも食えねえな

2009年07月29日 | 夏の梨畑
ナシ畑では最後の見回り、樹上選果をしています。
この作業はこのまま置いておくと
出荷できない果実まで熟して収穫することになるので
畑で選りすぐってしまうという作業です。

いまさら落とさなくともと思われますが、
傷ついていたり、小さかったりの実です。
収穫出荷作業の能率に結びつきます。
そのうえ畑全体を見回し、点検するという役割もあります。

そして、見つけてしまいました。
ハダニの寄生です。

減農薬に取り組んで十数年。
ハダニ攻略は天敵のハダニを温存するために
殺ダニ剤を使用しないことと悟り、実践してきました。
その結果、ここ数年は殺ダニ剤を全く使用しないで
ハダニの被害を防いできたのですが、
今年は減農薬を始めて最大の被害です。

ハダニは水に弱いといわれます。
今年は雨が多いからと油断していました。
なぜこれほど寄生してしまったのか。
もしかしたら日照不足で葉がうすくて
ハダニが寄生しやすい状態になったのでしょうか。