新年を迎えると、収納棚に納めている貝殻を詣で新春を祝います。
特にタカラガイは “宝貝” 大変におめでたく、年初めの士気も高まります。
日本では子安貝ともいわれ、大型のハチジョウダカラは貴重な安産のお守りです。
古代、キイロダカラなどを貨幣(貝貨:ばいか)とした国もあったようです。
漢字の「貝」はお金に関する「財、貨、貯など・・」に使われています。
また沖縄では、キイロダカラの黄色は好運や幸福の縁起物で珍重されているとか。
日本の海域に生息するタカラガイは90種前後とのことです。
その中で、最大とされるのが左上のムラクモダカラ、隣が2番目のホシダカラです。
最も小型はヒナメダカラ、次いで画像の下左端のツマベニメダカラです。
10数年前は種子島におりましたが、島の海岸は打ち上げられた貝殻の宝庫でした。
画像は2時間ほどで拾い上げた貝殻、左の4列が種別に分けたタカラガイです。
貝殻拾いが半日、殻内の砂の洗い出しや撮影が半日、楽しく忙しい休日でした。
タカラガイは巻貝です。
幼貝や殻の割れた成貝を見ると、巻いている様子が分かります。
成長過程で殻の様子が変わり、打ち上げられた殻は摩耗で色が変わります。
拾い始めた頃は、この変化に惑わされ、種の見分けには大変に苦労しました。
その頃にカモンダカラとしたグループですが、右から3番目は別種でした。
タカラガイの図鑑の解説文によく出てくる、貝殻各部の名称です。
見分けの際にはこれらの部分の形、色、模様などを見比べます。
摩耗した貝殻のどこかに面影を見つけ、正体にたどり着いたときは満足いっぱい。
小さなカップに収納してある貝殻の代表1個を、手のひらに乗せてみました。
砂と波に擦れ、輝きを失ってしまった貝殻ですが、私にとっては宝物です。
それらの貝殻を方眼紙に並べてみると、殻の長さは1~2cmほどです。
背面、腹面、側面、前後端のいずれかに僅かな種の特徴を残しています。
海のない県で暮らして10数年、各種の貝殻の特徴も忘れがちです。
「池田等・淤見慶宏(2007) タカラガイ・ブック 東京書籍」などが頼りです。
1カ月ほどの予定で、小型のタカラガイ21種を復習してみようと思います。