そこそこの放送作家・堀田延が、そこそこ真面目に、そこそこ冗談を交えつつ、そこそこの頻度で記す、そこそこのブログ。
人生そこそこでいいじゃない



放送作家を稼業にしていると、毎日が、締め切り、締め切り、締め切りの連続なワケだ。

今朝も、某番組のスタジオ台本を書いている。
今日の昼が締め切りだ。
あと5時間弱。
まぁ、何とかなるだろう。

で、今までの放送作家人生でどのぐらいの数、文字を書いてきたのか、ふと気になった。

この仕事を始めて、17~8年経った。
1日平均して何文字ぐらい書いてきただろう?
おそらく、平均1万字ぐらいだろう。
400字詰めの原稿用紙にして、1日25枚。
台本、ナレーション原稿、企画書、その他もろもろ何だかんだで、1日平均そのぐらい書いてきたはずだ。

計算してみることにする。
1日1万字だとして、1年間で365万字。
18年間だと、6570万字だ。
げげっ!?
これだけたくさん書いてきても、まだ日本の人口の半分に過ぎないのか?
逆に言えば、日本人っていかにたくさんいるのかってコトだ。
そりゃあ宝くじも簡単には当たらないはずだ。
その上、こんなにたくさん人がいるのに、僕には彼女の1人もいないわけだ。
どうなってんだ!って話だ。

小説の世界では、10万部も売れればベストセラーだ。
しかし、10万部といっても、人口比で言えば日本人の1300人に1人しか読んでいないことになる。
200万部を突破したベストセラー、リリー・フランキー氏の「東京タワー」にしたって、読んだのは65人に1人だ。
これをテレビの視聴率に換算すると、1.5%に過ぎない。
それに対し、速水もこみち主演の月9「東京タワー」は平均10%ぐらいの視聴率だった。
要するに「東京タワー」は、ほとんどの人が、本を読まずにドラマだけ見て感動しようとしていたことになる。
ふーん。
なんだかなぁ、だ。

僕がやっている番組の中で一番視聴率がいいのは「あいのり」だ。
毎回18%ぐらい取っている。
これって、すごいことだ。
2340万人も見ているのだから。

「あいのり」ではここ数年、たまに「あいのり講座」というコーナーを入れている。
世界を旅しつつ、そこで出会った世界の現実を、視聴者に分かりやすく説明するコーナーだ。
アフリカの飢餓問題や、経済格差の生まれる理由、捕鯨問題、ナチスのしたこと、移民問題、その他もろもろ。
恋愛バラエティの合間にこういったコーナーを挟み込むことで、普段あまりそういったことに興味を持っていないであろう若い世代の情操教育に少しでも役立てば、という目的だ。
そういうスタッフの心意気が「あいのり講座」には隠されている。

と、つらつら書いているうちに、締め切りまであと4時間チョイなワケだ。
しかも、眠くなってきた。
まずいぞ。
でも少し仮眠取っちゃおっか。

……要するに、締め切りギリギリまで書きたくないのだ。
そして、結局のところ締め切りを破ったりする。
その結果、会議に遅刻する。

ある後輩作家が、ある日、会議に遅刻してきた。
そのときのいいわけ。
「僕、歩くの遅いんですよねぇ~」
さすがにこれにはみんな、笑って許した。

コメント ( 0 ) | Trackback ( )



« 彼女ももうす... ご近所さんが... »