評判の本。
画家アンリ・ルソーを巡る物語。
直木賞にもノミネートされた(受賞は逃したが)
かなり評判が良いので読んでみた。
とにかく前半が上手い。
読み始めて半分ぐらいまでが、とことん面白い。
あまりにも面白いので目線がどんどん上がっていく。
いったいどんな結末が待っているのかとワクワクする。
その結果、後半がまるで物足りない。
結末がまるでなっていない。
中盤から後半のダレ具合というか、とっ散らかりかたが、あまりにも激しくて、これが同じ小説かと思うぐらい。
勿体ないなぁ~というのが感想。
前半の面白さはハンパないのだ。
ルソーの画は正直僕にはよく分からない。
上手いか下手かで言うと、一見下手だ。
遠近法は無茶苦茶だし、人は地面の上に浮いていたりする。
でも作品によってはきっちり遠近法を使っているものもある。
だから、あの一見下手に見える遠近法すらなっていない素朴な構図はルソーの狙いだとも考えられる。
この小説で主題的に扱われる『夢』はもちろん、『眠るジプシー女』とか『戦争』などの作品は、たしかに一種悪魔的な魅力を持っている。
なんというか、一度見たら忘れられない絵なのだ。
思わずルソーの画集を買ってしまったよ。
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