リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

90年代の作品(10)

2021年10月23日 21時30分32秒 | 音楽系
17世紀中頃のディヴィジョン・ヴァイオリン(フルート)という曲集がありますが、これはオスティナートバスにメロディ楽器がどんどんディヴィジョンを重ねていくというスタイルの曲が入っています。その中にゴットリープ・フィンガーの作品があります。この曲のバスはとても特異なもので、セブンスで始まってずっとセブンスが続くというものです。

そのバスだけをお借りしてカノンを作ってみました。通奏低音のバスと3声のカノンからなっています。パッヘルベルのカノンをご存じだと思いますがそれと同じ形式です。楽器音は、リコーダー、トランペット、お琴と通奏低音で現実には多分ありえないというか生でこの編成は無理でしょう。

Canon

私が作曲するときはなんらかのインセンティブ(作曲料をもらえるとか、もちろん額が高い方がいいですが、少額でもいいです、とか期待している人がいるとか、まぁなんでもいいんですが)がないとダメなタイプです。作曲料が高くて締め切りまでの期間が短いときは最高で、依頼の電話を受けている最中から、私の頭の左上にいるミューズが曲を教え始めます。

でもこの曲は例外的で誰に頼まれるでもなく、もちろん自分で演奏するでもなく作った曲です。91年か92年頃の作品です。

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