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『経済学・哲学草稿』(読書メモ)

マルクス(長谷川宏訳)『経済学・哲学草稿』光文社古典新訳文庫

マルクスが26歳のときに書いたとされる原稿。

タイトルに「草稿」とあるように、ノートのようなもの。それだけに、若き日のマルクスの息遣いが聞こえてくるようだった。

驚いたのは、マルクスは、先人の研究をかなり読み込んでいて、その上に自身の理論を打ち立てようとしていること。

学術論文を書くときには、まず「先行研究レビュー」(これまでどのような研究が行われてきたのかをしっかり記述すること)が欠かせないが、マルクスもその手続きを踏んでいる。

てっきりマルクスは、オリジナルの理論をパッと示したのかと思いきや、地味な作業をしていたことが意外だった。

もう一つ印象に残ったのは、タイトルにあるように、「経済学」を学ぶ上で、その土台として「哲学(ヘーゲル哲学)」を学んでいた点。

ヘーゲル哲学についての記述はちんぷんかんぷんだったが、マルクスの研究姿勢に感銘を受けた。

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