goo

『ファウスト』(読書メモ)

ゲーテ(手塚富雄訳)『ファウスト:悲劇第一部・第二部』中公文庫

巨匠ゲーテの代表作。
(第一部の冒頭にある「神様とメフィスト(悪魔)の会話」は、聖書のヨブ記を連想させる)

学者ファウストがメフィストと契約し、通常では考えられないような経験の旅に出る物語。

本書を読んでいる最中に感銘を受けたかというと、その逆で、退屈だった

なぜなら、ファウスト自身に魅力がないから。精神的な深みを感じられないし、世俗的である(美女好き)

ただ、第一部の、メフィスト(悪魔)との絡みは、まるで漫才を見ているようで面白かった。そして、純粋な少女グレートヒェンとの悲恋にはグッとくる。

しかし、第二部に入ると、わけのわからない展開が続き、「早く終わってくれ」と祈りながら読む状態。

なんだ駄作じゃないか」と思いながらラストシーンを読んでいたら、ゲーテは最後にちゃんと「オチ」を用意してくれていて「感動」である。

ファウストが世俗的である理由が分かり、「やっぱりゲーテは凄い」と思った。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )