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『友情』(読書メモ)

武者小路実篤『友情』新潮文庫

若き脚本家の野島は、友人の妹で美人の杉子に恋焦がれている。しかし、なかなかアプローチできない彼は、親友で、新進気鋭の作家・大宮に相談に乗ってもらい、励ましてもらう日々。

しかし、杉子が本当に好きなのは大宮である。

それをうすうす感じていた大宮は友を思いヨーロッパへと旅立つのだが・・・

解説の亀井氏も述べているように、本書の「文体は簡潔で明るい」。

若き日の友情や恋愛を扱ったストーリーも好ましい印象を与える。

ほのぼのとした気分で読み進めていったところ、最後の方で展開される結末は「驚愕」の内容だった。

ちょっと、それはひどすぎないか?」と思うのだが、武者小路実篤は、「これこそ人間の成長に大切なのだ」というメッセージを発しているようである。

友情にも、いろいろな考え方があるな、と思った。

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