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『かもめ食堂』(読書メモ)

群ようこ『かもめ食堂』幻冬舎文庫

映画にしようか、小説にしようか迷ったが、小説にした。

ヘルシンキの街で小さな「かもめ食堂」を開いたサチエ。38歳なのに、フィンランド人から「子供」だと思われてしまうところが面白い。

警戒されて客も来ない食堂に、日本オタクのフィンランド人トンミ、親の介護を終えた中年女性ミドリ、カバンをなくした旅行客マサコが集い、徐々にお客さんも増えてくる。

人生の大通りから少し外れた人たちが寄り添う場。それが「かもめ食堂」なのである。

客が少ない状況の中で語られた、サチエの言葉が印象に残った。

何とかなりますよ。まじめにやっていれば。どんな店だって最初っから、どーんと人が入るわけじゃありません。正直にやっていれば、ちゃんとどうにかなるんです」(p. 90)

そう簡単にはいかないのでは?と思ってしまったが、そうであってほしい、とも感じた。

まじめに、正直に」が基本である。


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