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やりたくないことに励む力

盲目の大学者・塙保己一は、学者になることを夢見て、15歳のときに田舎から江戸に出てきた。

まずは、身を立てるために、盲人一座に入った保己一。しかし、「三味線」「琴」「あんま」「はり」の修行に励むものの、不器用だった彼は、一年経ってもまったく上達しなかった

将来に絶望した保己一は自殺を図るが、亡き母の形見である巾着が手に触れ、思いとどまる。

その後、師匠である雨富検校に、国学者のもとに通うことを許された保己一は、苦手だった「あんま」の修行にも身を入れてメキメキ上達し、「あんまの保己一」として評判になる。

最初の1年間の修行は、どこか気持ちが入っておらず、嫌々取り組んでいたのだろう。

やりたいことをやれる機会は、やりたくないことにも励む力を与える、といえるかもしれない。

出所:堺正一『塙保己一とともに』はる書房

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