宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

保湿剤の効果的な使い方

2013年12月08日 10時00分10秒 | 診断と治療
昨日、夕食ですき焼きを作りました
すき焼きを食べたのは、一年ぶりですね。
我が家は、あまり甘くない味付けです。

さて。

海外の文献で、アトピー性皮膚炎の治療として保湿剤が有効であるという実証がされました。
20年、保湿剤にこだわってきた私としては、日本でも海外でも保湿剤に注目が集まっているのはうれしいように思います。
でも一方で、最近、アトピー性皮膚炎だけでなく、日本人全体に乾燥肌が増加しているように感じて、これは心配なところです。

昨日は土曜日だったせいか、家族連れの患者さんが多かったです。
一家全員で受診されるということは珍しくはありませんが、気になったのは小さいお子様の深刻な乾燥肌です。
乾燥肌だけですまず、ひどいかゆみや湿疹にまで発展している場合が少なくありません。
かきむしって血が出ていたり、夜よく眠れなかったりという場合もあるようです。

これは、原因に、東京の湿度が年々下がっているという事実があります。
池、川、井戸、どぶなど、あらゆる水関係のものが地面に埋められ、アスファルト化していますし、土や木も減っています。
また、木造建築も減り、鉄筋コンクリートのビルなどが増え、私たちの環境から水分を含むものが激減しているのです。
さらに。
温暖化して、冬も昔より暖かくなっているのに、暖房の使用はどんどん増加し、電車やバス、ビル、デパート、住宅内のすべてエアコンなどで暖められています。
最近のお子様は、冬の室内が暖められているのが当然と思っており、室内で薄着が当たり前のようになっています。

そりゃ、全身乾燥しますわ

最近のパソコンの普及には目をみはるものがあり、私が子供の頃は自分の頭で計算していたのにそれが徐々に電卓が当たり前になり、最近は子供も勉強をパソコンで行うことが当たり前です。
こうした進歩は歓迎するところですが、一方で、昔の方が良かったのでは・・・と思うところもでてきました。
そのひとつが冬の暖房の使い方です。

寒さを我慢せよと言うのではありません。
私は、とても寒がりですし。
でも、寒がりの私が、自宅で暖房を極力減らしています。
もちろん寒さには耐えられませんから、室内での重ね着が必要です。
最近、ネット通販で「毛布パンツ」というものをゲットしました。
裏起毛の長パンツで、腹巻きがくっついていて胸の下から足首までぬくぬくです。
これをパジャマの下に着ると、もう~暖かくって快適

このように重ね着で、暖房を減らすと、入浴後に塗った保湿クリームの効果が長く持続します。
保湿クリームが効いているという実感は、とてもあり、まず皮膚の感触が柔らかく感じます。
また、静電気がおこりません。
これは、実に快適ですね

患者さんの肌がひどく乾燥しているのを見て
『保湿クリームを塗っていますか?」
とお聞きすると
「ちゃんと塗っていますが、乾燥してかさかさでかゆいんです」
と言われることがあります。
よ~くお聞きすると・・・。
お子様が寒がりで、ファンヒーターの風のそばに陣取っているとか、ホットカーペットの上に寝転がるとかしていることが少なくありません。

昔は、電気毛布というものがあり、この上で寝ている高齢者の皮膚がかさかさになっていましたね。
でも、最近は、むしろお子様の方が乾燥肌がひどいです。
この乾燥肌を続けていると、アレルギー性皮膚炎を起こしやすい肌質につながります
アトピー性皮膚炎にもなりかねません。

保湿剤を効果的に使うには、暖房の適正な使い方をし、昔ながらの重ね着を併用することがオススメです。
私の一押しは、肌に近い一番内側に綿素材を着ることと、綿素材の重ね着です。
このときの綿は、夏のぴらぴらの綿と言うより、肌に密着する伸縮性の良いやや厚地の綿が良いと思います。
私は夏も着ている、綿のちびTシャツを愛用しています。
保湿クリームを塗った上に、この綿Tシャツを着てから、いろいろと重ね着をしますね。
保湿クリームの効果はばっちりですよ

ぜひ、ご参考にしてください

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