宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

本年の診療が終了しました

2016年12月29日 07時27分53秒 | 日記
昨日、本年の診療が終了いたしました。
スタッフみんなで大掃除をして、カレンダーも掛け替えて、来年の準備が完了です

今年も、多くの患者さんとお会いいたしました。

私は皮膚科医師ですから、診断をして適切な治療をすることが仕事であるのは当然です。
でも。
そこにいつもこころがけていることがあります。

それは。

患者さん自身が、病気を正しく理解して、一緒に治していく気持ちをもっていただくように、ご説明するということなんです

たとえば、急性の皮膚病。
これは、原因をお伝えして、なるべく速やかに治療し、後遺症を残さないようにすることがポイントです。
ただ、お薬を処方するのではなく、患者さん本人がその皮膚病になった原因を理解することが、早く治すとともに再発を予防することになるのです。

くり返す慢性疾患。
この場合は、必ずしも原因が一つではなく、場合によっては原因がつかみきれないことも少なくありません。
でも、その場合こそ、病気を積極的に理解し、治療に取り組むことが大事なんです
私は患者さんとの会話の中から、偶然に病気の原因を見つけ出すこともあります。
患者さんと一緒に考え、一緒に治療に取り組むことが有効なんです。

当院では、石けんの使用の仕方や、化粧品のアドバイスも行っています。
それは、その部分を間違えると、治療がうまく進まないばかりか、薬の使いすぎにもつながるからなんです。

そういえば。

私の開発したオールインワンジェル、おかげさまで好評です
患者さん方は肌の敏感な方々がほとんどですから、そういった方々のご意見は大変参考になります。
肌の弱い女性はもちろんですが。
男性の患者さんが、オールインワンジェルの感想を長く丁寧にお伝えくださることが多く、驚きとともにうれしい気持ちです。
昨日は、家族中でお使いくださっているご家族の、小さいお子様自身が
「べたべたしない~~、つるつるになるぅ~~」
なんて言ってくれて、すごくうれしくなっちゃいました
ありがとうございます。

さぁ、今日から、冬休みです。
少々、疲れがたまっている感じがあるので、ゆっくりのんびりすごそうと思います

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乾燥のおそろしさ

2016年12月25日 09時58分06秒 | アレルギー
昨日は、年内最後の土曜日の診療でした。
年齢も性別も様々に大勢の患者さんが来院され、あたかも行楽地の賑わいでした

そんななか、診療しながらつくづく感じたことがありました。

それは。

暖房の過剰な使用が深刻になっているということです

夏から秋まではかなり調子が良かったアトピー性皮膚炎の方も、学校や塾や会社のエアコンががんがんきいていて、一日中暖かい室内にいるため、全身の皮膚がからからに乾いてしまい、どこもかしこもかゆみと湿疹がおこっているのです

日頃の診療の中で、気づくことがあります。
それは。
「暖房をかけていませんか?。」
とお聞きすると
「いえ、それほど暖房はつけません。」
とお答えになる方が、けっこう多いということです。

このところ、寒い日が続いていましたから、これはちょっと不思議です。
そこで
「では、部屋は寒いですね。室内で重ね着をされていますか?。」
とお聞きすると、それはしていないのです。
ん??ん??
それで、もう一回しつこくお聞きすると
「床暖房はつけています。」
「ホットカーペットはついています。」
「ファンヒーターだけです。」
などとおっしゃる方々の多いこと。
暖房とは、エアコンを強くつけることという理解なのでしょうか。
床暖房やホットカーペット、ファンヒーターといったものは、暖房ではないと思われている方が、少なくないことに驚きます

エアコンはもちろん、床暖房やホットカーペット、ファンヒーターといった、部屋全体をあたためる暖房が近年主流となっているのですが、実はこの生活には恐ろしい落とし穴があると、強く感じています

とくに、大人の感覚で部屋を暖めると、身体の小さな方から先に全身が乾きます。
つまり、大人の感覚で部屋を暖めると、赤ちゃんや子供がまず影響を受けるのです。

湿度の低い室内に長時間過ごすと、全身の皮膚および、鼻と目の粘膜、のどから気道が乾きます。
それが続くと、おそろしい影響があるのです。

アトピー性皮膚炎になりやすくなります
花粉症になりやすくなります
インフルエンザにかかりやすくなります
大切な成長期に、発汗の機能が正しく発育しにくい可能性があります

昔の子供は、室内の気温がそれほどは暖かくなく、こたつに入りはんてんを着たり、タイツや毛糸のパンツなどをはいていました。
室内でもたくさん着ているので、外にすぐに出て遊び回り、汗もかきました。
でも、最近の子供は室内が暖かくされているため、薄着で裸足で生活します。
薄着なので、たくさん着て外に出ることはおっくうになり、冬は室内でじっと動かずに過ごすことも多くなりました。
お正月など、真冬に屋外で子供が遊んでいる姿を見なくなってから久しいです。

こうした生活が当たり前になり、その結果、子供たちはアレルギー体質になっていきます

いったん、アトピー性皮膚炎や花粉症になったら、ほぼ一生体質改善は難しくなります。
また。
この体質はさらに、食物アレルギーを起こしやすくなります。
最近、野菜や果物のアレルギーも増加しています。
もはや、他人事ではありません。

私は、このブログで、様々な皮膚病のことを書いてきました。
でも、最近、つくづく思うことは、増加し続けるアレルギー疾患は、実は、予防できるのではないかというこです。

年内の診療もあと三日です。

あと三日間、しつこく暖房の注意をし続けるつもりです





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上手な暖房の使い方

2016年12月18日 18時38分51秒 | スキンケア
大学通りの銀杏の木に飾られたルミネーションがきれいです
今年は、一本だけ、カラフルに色が変化するイルミネーションに変わったのをご存じでしょうか?。

12月も半ばに入り、いよいよ師走が近づいてきました。
なんだか、気持ちがそわそわしますね。
後ろからせかされているような、なんとなく落ち着かない気分です。
やることがたくさんあるようで、どれから手をつけて良いかわからいような気分です

さて。

毎年、12月の半ばくらいから、お子様の患者さんが急増します

これは、理由があります。

寒さがどんどん厳しくなると、暖房を長くつけてしまいます。
お子様も、寒いので、外で遊ぶ時間が減り、暖かい室内で長時間過ごすようになるのです。
しかも、最近のお子様は、暖かい室内で裸足で薄着というパターンが多いのです。

薄着で裸足でいるので、いまさらまた重ね着をして靴下をはいて外に出るのは面倒なんです。
そのため、暖かい室内で長時間ゲームをしたりして過ごすため、全身の皮膚や鼻や目の粘膜などが、乾燥してしまうのです

こうした冬の生活をすると、全身の湿疹やアトピー性皮膚炎の原因になります。
さらに、春の花粉症になりやすくなるのです

そこで、上手な暖房の使い方のアドバイス

まず、室内では必ず靴下をはきましょう。
ベストやカーディガンなどを重ねて、薄着を避けましょう。
ネックウォーマーなどで、首を被うと体感温度がぐっと上がります。

こうして、まずは暖かい格好をしてから、はじめて、暖房を考えましょう。

エアコンは控えめに。
まめに切ることが必要です。
ファンヒーターのような温風の出る暖房は、ドライヤーのようなものですから、なるべくやめましょう。
床暖房やホットカーペットは、空気が汚れないからという理由で人気ですが、その上に座ったりするとものすごく乾燥が進むので、要注意なんです
温度を下げて使用し、足元だけをあたためる程度にし、室内の温度が上がるような使い方はやめましょう。

我が家の室温は、13度から16度くらいです。
私は8枚くらいの重ね着をします。
寒いときは電気ストーブを使っています。
近寄った人だけがあたためられるので、室温は上がりません。

冬はもともと湿度が低く乾燥していますし、発汗量は少ないので、肌は潤いません。
そこに暖房をかけると、からからに乾いてしまうのです。

まずは、何枚かの重ね着と、靴下。
これだけでも、ぜんぜん感じ方が違うのです。
その上で、かなり控えめに暖房を使用するようにしてください。

このところ、クリニックでは保湿クリームの処方量が増加しています。
全身のクリーム、ハンドクリーム、顔のクリーム、リップクリーム、かかとひび割れ用のクリームなど、様々な保湿ケアのクリームを処方しています。
お気軽にお申し出ください



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体感温度が変わる瞬間

2016年12月13日 07時28分56秒 | スキンケア
このところ、気づくことがあります
それは。

夏の間、皮膚の調子が良かった患者さんの中に、この一週間くらいで急激に悪化している方が少なくないということです

これはどうしてでしょう。

原因は、気温が急激に下がり、完全に冬の気温になってきたからです

寒くなってきたので発汗が下がり、皮膚の潤いが減少しています。
また、空気もかなり乾燥しています。
昨日のクリニック内の湿度は、暖房をかけていないのに、なんと27パーセントしかありませんでした

でも、この自然の乾燥に加えて、一番問題なのが、暖房の使用なのです。

悪化した患者さんには、共通したことがありました。
「会社が全館暖房で、暑いくらいです。」
「塾の暖房がきついです。」
「家の室内を、床暖房をかけてあたためています。」
「ホットカーペットとエアコンを両方つけています。」
「ファンヒーターをずっとつけています。」
つまり、最近、いきなり暖房を長時間かけているということなんです
このように暖房で室内を暖めると、驚くほどに湿度は下がってしまいます。

ところで。

今朝、おきて、このブログを書いているこの室内は13度です。
空気はヒンヤリ気味ですが、私は5枚の重ね着とネックウォーマー、アームウォーマー、レッグウォーマーをつけているので、それほどでもありません。
でも、やはり、少し寒さを感じたので。
お腹と腰回りのために、腹巻き(長く伸びるビスチェタイプのロングの腹巻き)を、2枚重ねて身につけました。
そしてホットミルクティを飲んでいます

すると。

面白い位に、体感温度が変わります
すぐに身体が温まってくるのが、わかるのです

私はこうした方法で、エアコンを全くつけない冬を過ごします。
今年で7年目です

重ね着をして、あたたかい飲み物を飲むと、身体の内側からじわじわと温かくなってくるのが実感できます。
エアコンのような、外からあたためられて乾燥するのと比べると、身体の内側の血液があたためられる感触がとても気持ちよいです
それは。
たとえると、あたたかいぬくぬくのお布団の中にいる感じです

この方法は、自分の身体を自分であたためる工夫です。
全身の皮膚だけでなく、鼻や目の粘膜も乾かないので、皮膚のかゆみだけでなく鼻炎や結膜炎の予防にも有効です。

皆さまも、自分であたためる工夫をしてみませんか



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暖房に慣れてしまう怖さ

2016年12月09日 16時57分40秒 | 診断と治療
今年は、秋らしい気候が短かったように思います。

すっかり冬本番の気温が続いています

昨日、私は都内の会議室に行きました。
全館のエアコンが効いていて、暖房をつけない生活に慣れている私には、かなりつらい時間でした

暑い!!。
暑すぎるのです!!。

首回りや頭皮にも汗をかきました。
あり得ない暑さ。

「すみませんが、少々暑いのですが。」
とおそるおそる言ってみると、会場の方に
「全館のエアコンなので、調節が出来ないのです。確かに暑いので、扇風機を回しましょう。」
といわれ、4台の扇風機を回してくれました。

おかしいですよね。
真冬に扇風機をかけるなんて。
どんだけ電気代を無駄に払うんでしょう

でも。
これは、毎年、よくあることなんです。

まず。
冬になると、暑いくらいに暖房をかける。
そして、だれもそこには疑問を感じない。
むしろ、室内は暑いくらいが当たり前で、薄着で過ごすものと思っているんです。

さらに問題は。

この暑い部屋に長時間いると、だんだん慣れてしまうのです。
だから、気づいたときには、もう全身の皮膚も頭皮ものども鼻の粘膜もからからに乾いているのです

全身乾いたところに汗をかくと、かゆみや湿疹、アセモなどが出ます。
鼻炎や結膜炎にもなりやすくなります。
口が渇くと、風邪をひきやすくもなります。
良いことは一つもないのです

なぜ、暖房を消さないのでしょう。
なぜ、暑いことに疑問を感じないのでしょう。

つくづく憤りを感じた一日でした

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エアコンの危険性

2016年12月03日 20時20分30秒 | スキンケア
今年は、秋らしい季節が短かったように思います。

大学通りの紅葉も、例年でしたらソメイヨシノの赤、イチョウの黄色と黄緑、そしてそのほかの木の緑の色合いが入り交じって、様々な色調を楽しめる季節なのですが、急に冬のように寒くなったためにソメイヨシノがあっという間に散ってしまい枯れ木状態です

葉を落とした枯れ木の間に、イチョウの黄色がぽつん、ぽつんと際立って浮き上がって見えます。
いつも色とりどりを楽しめる自転車道路が、もはや寒々としています

こういった急激な気温の低下は、いきなりの暖房の使用につながります。

電車もビルもデパートもオフィスも学校も・・・・・あらゆる場所で、エアコンががんがん効いています

暑いです。
正直、暑いです

問題なのは、その場所にしばらくいると、暑く感じなくなることです。

でも、実際は、暑さに慣れてしまっただけなので、空気がどんどん乾燥していることに気づきません

そういった場所に長くいると、全身の皮膚が乾燥するだけでなく、鼻や目やのどの粘膜も乾燥するのです。

冬の間、こういった生活を続けていると、全身の皮膚の保湿能が低下し、かゆくなったり湿疹になりやすくなります。
静電気も強く起こり、ばちばちと不快です。
鼻や目の粘膜も潤いを失い、花粉症やアレルギーを起こしやすくなります。
のどの粘膜も乾くために、風邪をひきやすくなります

そうです。

エアコンの過剰な使用により、様々なアレルギー疾患やインフルエンザなどにかかるリスクが上がるのです。

エアコンだけでなく、ファンヒーターや床暖房、ホットカーペットも同じくリスクがあります

昔の生活は、家に多少のすきま風があり、暖房はこたつや石油ストーブでした。
こうした生活ですと、部屋がぽかぽかにはならず、ちゃんちゃんこやカーディガン、タイツなどを着て暖をとっていました。
でも。
実は、こうした昔の暖房の方が、アレルギーにはなりにくかったのですね。

暖房も、やり過ぎは病気の元なんです

私のオススメは。

身頃の重ね着。
私は、タンクトップを2枚、長袖のTシャツを2枚、さらに腹巻きを重ねています。
その上にあたたかいジャンパースカート。
あとは、カーディガンやフード付きポンチョです。
なんと、これで、8枚の重ね着。
あとは、ネックウォーマー、アームウォーマー、レッグウォーマーをつけて、動脈をあたためるともうばっちり、ぽかぽかなんです
エアコンいらずのぽかぽか生活。

空気が乾燥しにくいので、風邪もひきにくく、咳き込むこともありません。

重ね着生活・・・オススメですよ







































































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