宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

次々にアレルギー

2015年05月24日 12時53分29秒 | アレルギー
このところ、過ごしやすいお天気が続いています
一年中、こんな気候だったら・・・とも思いますが。
そうなると、季節感がなくなり、市場の景気も悪くなるのかもしれないな・・とも思います

さて。

そんな、気持ちの良い季節ですが。
私は、あまりにも疲れすぎて、このところブログを更新できずにいました。
それは、イネ科雑草の花粉のアレルギーの患者さんがあまりにも多いからです

毎年、5月になると雑草のアレルギーの患者さんは来院されますが、年々多くなるようです。
今月も、新患の方がとても多く、とくに今年からはじめてこの時期にアレルギーになったという方が増えているのです。
花粉アレルギーといえば、ちょっと前まではスギ花粉だけだったのに、その後ヒノキ花粉のアレルギーが増えてきており。
最近は、ブタクサ花粉やヨモギ花粉も有名になっているのです。

そして。
10年くらい前は、6月は当院は比較的空いていたのに、この数年前からはイネ科雑草花粉のために真夏なみに混んでいるのです

このように、一種類の花粉アレルギーだけでなく、次々に違う花粉のアレルギーの方がどんどん増加していると思います。

私は、20年以上前から、一年中洗濯物を屋外に干すのをやめています。
でも、そのころは、まだ花粉症がそれほど騒がれていなかったために、ちょっと珍しいことをするという目で見られました。
私の親世代の方々からは
「お天道さまに干さないなんてありえない!!。」
とおしかりを受けたこともあります。
でも。
そのころから、文献上は、都会に住んでいれば花粉のアレルギーは起こりうるということはわかっていました。
でも。
正直、ここまで、一年中花粉のアレルギーの患者さんが、前年齢層に増加することは予想をしていませんでした

問題は、一種類のアレルギーを起こす方は、次々と別のアレルギーを起こす可能性があるということです。

近年、果物のアレルギーの患者さんも増加しています。
リンゴやイチゴやバナナや桃など、おいしい果物を食べられない方が増加しています。
花粉症との関連がわかっています。
本当に残念で、こわいことです

これらの原因は。
排気ガス、ストレス社会、環境の湿度の低下などです。
これって。
都会に住む現代人に避けられないことばかりですね

そこで、私は患者さん方にアドバイスしています。
それは。

できるできる・・・と思って、無理をし続けないこと。
ちょっとずつ、休み休み続けることを意識する。
そして、とにかく睡眠をとること。
あとは。
冬の間、暖房をひかえること
とくに、部屋全体をあたためる暖房をさけ、こたつや電気ストーブを使うことをオススメします。

冬の間、エアコン、ファンヒーター、床暖房やホットカーペットなどで、部屋中をあたため続けて生活していると、全身の皮膚、鼻や目やのどの粘膜が乾燥してしまいます。
すると、防御機能が低下し、春になってさまざまな花粉や黄砂などの進入を容易にしてしまい、皮膚炎や鼻炎、結膜炎や喘息をおこしやすくなるのです。

都会の暮らしで、湿度の低下は深刻です。
真夏は猛暑のため、アスファルトからの照り返しは、下からヒーターを浴び続けている状態に似ており、汗をかいても乾燥肌になっています。
そこにクーラーで乾かされ、全身の乾燥肌は悪化します。
子供はプールの塩素も加わり、乾燥肌は深刻です

夏も保湿ケアが必要なことは、もうおわかりですね

これからの季節も保湿ケアをしないと、次々に花粉のアレルギーによる湿疹は起こります。
都会人の常識。
毎日、保湿ケアをして、快適にすごしたいですね

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ひとりごと

2015年05月17日 07時45分00秒 | 日記
今日は久しぶりに、ひとりごと。
皮膚病以外のことをつぶやきます。

あの芸人が、三島由紀夫賞を一票差で逃しましたね。
なんだか出来すぎなくらいの結果ですね。いっそう話題が増したのでは。
実は私も読みました
繊細な人物描写が印象に残る、独特な個性を感じる一冊です。
自分の20代を思い出させられるようなちょっとすっぱい気持ちになりましたね。

話はかわって・・・。

私は、もう、10年近く前から、夏は短いソックスとサンダルです。
理由はふたつ。
サンダルのひもの跡のような日焼けがいやなこと。
素足だと汗で靴ずれしやすいからです。
でも、10年くらい前は、ソックスとサンダルは、ださくておばちゃんぽいとされていて、これをいかにかっこうよく着こなすか苦心していました
ところが、5年くらい前でしょうか。
有名なプラダのショーで、ソックスにサンダルのモデルがランウェイを闊歩するファッションが発表され、私は俄然自信を得ました。
そして。
昨日、10パーセントオフで有名なバーゲンに行ってきたのですが。
なんと、なんと。
短い靴下にサンダルのショップ店員ばかりだったのです
きた~~~~~
これまで集めに集めたたくさんのソックスが自信をもってはくことができます
もう、ださいとはおもわれませんよね。

ちょっと、長すぎる、ひとりごとでした

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台風と花粉アレルギー

2015年05月15日 22時36分31秒 | 花粉症
毎日、通勤は大學通りを自転車で走ります

これが、なかなか良いのです。
風を感じて走ることの気持ち良さはもちろんですが。
何より、毎日、季節や天気をはっきりと感じることが出来るからです。
春の桜の開花を楽しみにしたり、夏のセミの鳴き声が日増しに強くなることに少々うんざりしたり、秋はイチョウや桜の紅葉の色の移り変わりを感じたり、冬は雪が凍ってタイヤがすべったり・・・。

そこで今は。

大學どおりの雑草の成長の早さに、毎日目をみはります
一日で雑草の背丈が大きく変わるのです。
ついこの間、大學どおりの雑草を業者の人たちが大勢で機械を使ってごっそり刈っていたのに。
今日は、もううっそうと生い茂り、自転車通路にまで進入して道幅を狭くしています。

この成長たくましい雑草が、アレルギーの原因となっています

5月に入り、主にイネ科の雑草がアレルギーの原因となっています。
先週、季節外れの台風が日本を通過しましたが、そのおかげで強い風の日が数日続きました
この風が、雑草の花粉を大量に飛ばしたようです。

先週から今日まで、外来はアレルギーの方がかなりたくさんいらっしゃいます

この数年、感じることがあります。
それは。
いまや、花粉症はスギ花粉だけではないということです。

スギ花粉が終わるとヒノキ花粉、そして今から雑草の花粉。
秋もイネ科やブタクサなどの雑草花粉が飛び、その後ヨモギ花粉と続きます。
また、スギ花粉は秋も春も飛びます。
もはや、アレルギーの原因となる花粉は一年中飛んでいると言えます

先週の台風の頃から、目のまわり、くちびる、耳やあご、首、頭の中、胸回り、うでなどに湿疹やかゆみをおこす方が急増しています。
また、鼻水や目のかゆみ、咳などの症状が出ている方も少なくないようです。

強い風が吹いた時は、とくに要注意ですね

症状が出てしまった方は、出来るだけ早めに治療しましょう。
放置していると、6月にさらに悪化してしまうのです。
梅雨に入ると、雨のおかげで雑草はますます成長するからです。

それにしても。

私が子供の頃は、雑草でよく遊んだものです。
本当に、残念なことですね





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かゆみの種類

2015年05月12日 21時02分32秒 | 診断と治療
季節外れの台風が日本に接近しています
沖縄では、土砂災害や農作物の被害がおこり、関東地方でも強い風がふいています。

つくづく、環境はどんどん変化しており、
「昔はこうだったのに・・。」
と言っても、もはや自然の変化への順応を余儀なくされているように思います

私が子供の頃は、夏の日射病はそれほど多いものではなかったのに、この数年は猛暑による熱中症による死亡もそれほど珍しくなくなっています

皮膚科的に言えば、さまざまな花粉によるかゆみや湿疹ももはや珍しくはありません。
今日も、イネ科雑草の花粉による湿疹の患者さんがとても多かったです。
頭や顔や耳や首や胸回りやうでの湿疹が特徴的です。

さて。

この時期、顔や身体がかゆい…という方はとても多いのですが。

大きく分けて、かゆみには三種類あります。

一つめは。
かゆみはあるものの、皮膚には一見異常はなく、触ってもとくにざらざらやぶつぶつはない場合。
この場合は、治療のメインは飲み薬です。
皮膚にかゆみがあっても、強い塗り薬を塗る必要はなく、しかし乾燥肌がある場合が多いので保湿クリームを塗る必要があり、あとはしっかり飲み薬を服用します。

二つめは。
皮膚を触るとぶつぶつ、あるいはざらざらしている場合。
この場合は、湿疹があるか、あるいは湿疹が隠れており、塗り薬をしっかり塗らないと治りません。
補助的に飲み薬を使いますが、塗り薬のみでも治る場合があります。

三つめは。
かゆくてかくと、虫さされのようにふくらんでくるもので、これはじんましんです。
15分くらいで引いてしまうものは、とくに治療せずとも放置して良いものもありますが、くりかえし膨らんでくる場合は、飲み薬でしっかり治療します。

春は、とくに皮膚にかゆみが起こりやすいように思います。

どのタイプのかゆみかを診断し、適切な治療を受けるようにしましょう


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丈夫な肌をめざそう!

2015年05月08日 18時40分28秒 | 診断と治療
みなさま、どのようなゴールデンウィークをお過ごしでしたか?。

今日は、当院は休み明けの初日。
やはり混雑は予想どおりでしたが、その中で目立って多かった疾患がいくつかありました。

それは。

1.イネ科雑草のアレルギーと思われる皮膚炎
2.手足の汗による異汗性湿疹
3.水虫
4.虫さされ

この中で、とくにとくに多かったのが、1番のイネ科アレルギーです。
これは、雑草の花粉による皮膚炎で、晴れた日にたくさん飛びます。
主に4月末から患者さんが増加し、ゴールデンウィークのお天気の良い日に悪化します。
こんなに気持ちの良い季節に、屋外で遊んだ後に発症するなんて、まったくやっかいな病気が増えてきたものです
でも。
この10年くらいでどんどん増加しています。
スギ花粉症の患者数の増加と足並みそろえているようにも感じます。

晴れたお天気の良い日に、お散歩したり、草むしりしたり、公園で遊んだり、旅行したり・・・さまざまな活動の後に発症します。
とくに多いのは顔や首の湿疹ですが、肩まわりやうで、すねなども多いです。
赤くなったり、かゆくなったり、ぶつぶつがでたり、ひりひりしたりします。

この時期に毎年くりかえしている患者さんも多いですね

こういった患者さんは
「毎年くりかえしてしまうのは、しょうがないのですか?。」
とがっかりした感じで質問されます。

確かに、アレルギー体質は簡単に治るものではありません
スギ花粉症でさえ、こんなに患者さんが多いのに、いまだ完治する方法が見つかってはいないです。

でも・・・。

大切なことは、原因を除去することだけではないのです。

一番、大切なことは。
丈夫な肌を作ることだと思っています。

長くなるので、この続きはまた次回にしましょうね

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アセモと保湿ケア

2015年05月04日 18時53分33秒 | 診断と治療
お天気に恵まれたゴールデンウィークですね

みなさま、どのようにお過ごしでしょうか?。

私は今日、友人のお子様のお買い物におつきあいしました。
おしゃれに目覚め始めた年頃のお嬢さんで、似合う洋服を見て欲しいと言われておつきあいしましたが、デパートを5時間歩き回りました
足の裏が痛くなりましたが、楽しかったです

さて。

今日は、アセモのお話です。

暑くなってくると、
「アセモが出ました。」
と来院される患者さんが多くなります。
アセモ、あるいは汗でかゆくなってきた・・・というご相談も多いです。

でも、ここでご注意ください

汗をかくことが原因なんでしょうか。

もし、汗が原因で、汗をかくことが悪いとしたら・・・。
スポーツ選手やお相撲さんはみんな汗による湿疹が出てしまうはずです。
でも。
お相撲さんは裸でもつるつるだし、長時間汗びっしょりのはずの羽生選手も内村選手にもとくに湿疹は見られません。
これは、どうしてでしょう。

それは。

皮膚の角質層の状態により、汗はたくさんかいても害にならずむしろ皮膚の味方になるのです。

皮膚科を受診されるひどいアセモの方や、少々汗をかいてもかゆみを感じる方は、汗が敵になっているわけです。
なので、そういう方は、汗をかきたくないと感じるようです。
でも。
汗は害でも敵でもありません。
皮膚のうるおいを保つためにかかせない重要な水分なのです。

アセモが出やすい方や、汗ですぐにかゆみを感じる方は、一年中角質層がいたんでおり乾燥肌になっています。
あるいは、すでに湿疹がずっと持続しており、角質層が失われているかもしれません。
こういった方々は、ちょっと汗をかくだけでも、汗が角質層をうるおすことなくむしろ汗にホコリや花粉や雑菌がつき、その結果アセモや湿疹が出てしまうのです。

では、どうしたら良いでしょうか。

まず、汗をかいたら帰宅後になるべく早めにシャワーを浴びて、ホコリや花粉や雑菌をおとします。
その後は、たとえ夏でも保湿クリームなどでスキンケアをしましょう。
こうして、角質層に毎日保湿ケアをしていると、汗を味方にするようになるのです

汗を乾かすパウダーをはたくのは逆効果です。
いっそう、乾燥肌になってしまうからです。

私は帰宅して、すぐにシャワーをあびて、保湿クリームをぬりました。
汗ばむから塗る必要はない・・・というのは、アセモや湿疹がでない丈夫な肌を持っている方だけです。
私は、もう、シャワーのあとに保湿クリームを塗らない日はありません
寝る前の歯磨きと同じくらい、しないと落ち着きませんよ。

さぁ、今日お出かけを楽しまれた皆さん。
おかえりなさい。
シャワーを浴びたら、忘れずに保湿ケアですよ

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5月になりました

2015年05月03日 09時42分54秒 | アレルギー
忙しくなるほど、どんどん自分を追い詰めて、さらに忙しく過ごすタイプです

このところ、クリニックはとてもとても忙しかったです。
なので・・・・・時間をみつけて、ストールを2本織りました
なんとか時間を作って、その合間に仕上げた作品ほど、勢いのある自由な作品となります
集中力なのかもしれません。
のんびりゆっくりしている時は、考えすぎてかえって作れないこともありますね。

さて。

この二週間ほど、目立って多かった皮膚病があります。
それは。

一つめは。
帯状疱疹です。
年間通してもみられる病気ですが、4月以降すごく多くなっています。
別に流行る病気ではありませんから、季節的なものでしょうか。
体力が落ちたり、疲労やストレスがたまるとなりやすい病気です。
年度替わりだったり、季節の変わり目による体力低下かもしれません。
これは、神経痛や筋肉痛を伴う皮膚の水疱です。
一生に一回しかかからない場合が多いのですが、近年は二回以上かかることもあるようです。
とにかく早めに治療を開始することが何よりも重要です
この二週間でかなりたくさん来院されたので、びっくりしています

二つめは。
花粉アレルギー皮膚炎です。
これは皮膚の花粉症ともいえる病気ですが、スギ花粉だけではなく、むしろ今頃からもたくさん来院されます。
ヒノキ花粉、イネ雑草花粉が主な原因ですが、これに黄砂などが加わり悪化します。
晴れた日に外出した場合におこりやすいので、紫外線が原因と思われる方も少なくありませんが、専門の医師が見ればその違いははっきりわかります。
これは、その方の症状に応じて、きめ細かな治療が必要です。
なぜなら、外出しないわけにいかないし、これからの時期は、屋外での活動がどんどん増えるからです。
まずは、症状にあった適切な治療をし、早く治してしまいます。
次に。
外出しても、再発あるいは悪化させないようにします。
これには、二つのポイントがあります。
外であびた花粉やホコリを適切に洗い流す習慣。
そして、毎日のスキンケアです。

次回は、ゴールデンウィークの間のスキンケアについてお話ししましょうね

最近、今話題の、ある芸人の書いた本を読みました。
これが、予想を裏切って(?)とても面白かった。
面白いといっても笑える場面は一つもなく、多くが複雑な心情をつづったものなのですが、地味なようで引き込まれる不思議な本でした。
面白いと感じたことが勘違いなのかどうかと思い、今、二回目を読んでします



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