宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

子供の乾燥肌

2011年11月29日 19時57分01秒 | 診断と治療
空気が乾燥しています

異常乾燥注意報が続いています。
皮膚の潤いがどんどん失われてしまいます

私が診療の中で、ホットカーペットや床暖房の危険性をお話しすると、とても意外に感じる方は少なくありません。
それは、当然ですね。
だって、どちらも、風が出ないので空気も綺麗ですし、ほこりも舞いません。
安全な暖房器具と感じておられるはずです。

確かに、大人にとっては、どちらも素晴らしい暖房です。
足もとをぬくぬくと暖めてくれるし、とても気持ちよいですし。

でも。
大人は、床暖房で暖まるのは膝下なのです。
ですから全身が乾燥することはありません。
また、大人はホットカーペットの上で長時間座ったり寝ころんだりもあまりしないのです。

ところが。
お子様はよく、床暖房やホットカーペットの上で長時間あそんでいたり寝ころんだりすると思います。
これでは、あっという間に全身の水分が失われ、ひどい乾燥肌になってしまうのも当然です。

全身が乾燥肌になると、まず白っぽくかさかさになり、やがて赤いぶつぶつが出てきます。
そこをかくと、だんだん赤みは広がり、湿疹も悪化してしまいます。

床暖房やホットカーペットの温度は少し低めにしましょう。
熱くする必要はありません。
ぬるい程度で十分です。
寒く感じないよう、室内の重ね着をさせておきましょう。
その上でさらに、一日に何回か保湿クリームをぬってあげましょう。
そうすれば、湿疹はかなり予防出来るはずです

実は私の自宅にも床暖房があります。
温度は少し低めに設定しつけています。
大事なことは、膝下に保湿クリームをまめに塗っておくことです。

湿疹が出ては何にもなりません。
ちょっとの工夫をして、快適な生活をしたいものですね

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シモヤケ

2011年11月28日 17時08分54秒 | 診断と治療
いきなり・・・という感じで、大学通りが紅葉しています。

昨日まであまり気づきませんでした。
今日、大学通りのさまざまな木がいっせいに紅葉していました。

晴れた日の紅葉も、色が鮮やかに見えてとても素敵ですが。
今日のように、薄暗い曇り空でも、その灰色の空に紅葉の赤や黄色が滲んでいくようで、なかなかおもむきがありますね

もう11月も終わりに近づいています。
本格的な冬の気温になってきました。

そのせいで。
シモヤケの患者さんがそろそろ出始めています。

シモヤケは、手足などの末端の血液の循環が悪くなり手足が冷たくなることが原因でおこり、その後強いかゆみや腫れがおこります。
手足が冷たくなる人全員になるわけではなく、やはりなりやすい体質の人がいるようです。

予防としては。
手袋、暖かい靴下、耳を覆う帽子。
これらを身につけて、冷たい風から皮膚を守りましょう。
室内でもルームソックスをはきましょう。
身体を温めるものを飲んだり食べたりしましょう。
例えば、ショウガ茶を飲む
料理にもショウガやにんにく、辛子などを入れて、身体を温める食事をとるようにしましょう

当院では、ショウガの入った漢方薬を処方しております。
また、循環を良くするマッサージクリームの処方も行っていますので、ご相談ください。

いったん、ひどいシモヤケになってしまうと、しっかりと治す治療をしないと良くなりません。
ですから、大切なのは、やはりひどくならないように予防することでしょう。
もし、ひどくなってしまったら、ほおっておかず、お早めにご来院ください

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昨日の続きです

2011年11月26日 17時16分18秒 | 診断と治療
当院は、毎年、冬になると、小児科のようにお子様の患者さんがたくさん来院されます。

夏は、アセモ、ミズイボ、トビヒ、虫さされなどでお子様が多いのですが、まあ、これは当たり前ですね。
でも。
なぜ、冬にこんなにもお子様が多いのでしょうか。

それは。
昨日も書きましたが、都会の冬の生活スタイルに原因があるのです

こんなに冬のお子様の皮膚トラブルが増加したのは、特に16年前に大きな原因があります。
16年前。
阪神淡路大震災が発生いたしました。
地震そのものよりも、火事による被害が大きく、火災の予防が重視されることになったのです。
その結果。
暖房のスタイルが、ストーブからホットカーペットや床暖房といった火事を起こさないものへと移行していったわけです。

私が幼少時は、暖房といえば、石油ストーブとこたつでした。
石油ストーブの上にはヤカンがおいてあり、しゅんしゅんと蒸気がでていて、室内を加湿していました。
エアコンやファンヒーターはまだ無かったので、部屋全体が暖まることはなく、寒いとストーブの前に手を当てていたことを思い出します。
室内はひんやりとしており、子供は室内でタイツや毛糸のパンツをはかされていましたね。
そのころは、皮膚科に子供が受診することは稀だったのです。

しかし。
最近の都会の冬の生活スタイルといえば。
部屋全体をエアコンやファンヒーターで暖め、さらに床暖房やホットカーペットをあわせて使うことも珍しくありません。
その結果。
冬の室内はかなり暖かくなり、お子様は帰宅後靴下を脱ぎ、薄着一枚で過ごす・・・ということが普通になったのです。
でも、そのために、お子様の皮膚がかなり潤いを失い乾燥肌となりました。
そして、かゆみや湿疹をおこしてしまうのです。

提案です
室内で、お子様に靴下をはかせましょう。
そして、ベストやはんてん、カーディガンなどを重ね着させてください。
この様に、しっかりと着せると、お子様はそれほど寒がらなくなります。
その結果、暖房をつけすぎの予防になり、ファンヒーターの前に行ったり、ホットカーペットの上に寝転がるということも減らせるのです。

こういうことは、まさに、習慣です。
重ね着で暖をとり、暖房を控え目に押さえるという生活スタイルを工夫しましょうね


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薄着教育の間違い

2011年11月25日 19時36分42秒 | 診断と治療
このところ、急激に冬の気配が濃くなってきました。

自転車に乗っていると、手袋が必要と感じます。

さて。
今日は、お子様の身体に湿疹が出た方がたくさん来院されました。
何故、今、この時期に、いきなり身体中に湿疹が出たのでしょうか。

何人かの方は「原因は食べ物でしょうか」と心配されていました。
でも。
私は、お子様の肌をじっくり観察して、その共通した状態に気づきました。
それは。
皮膚がものすご~く乾燥して、白く粉が吹いていたのです。

「使用されている暖房は何ですか?」
これが、私が皆さまに確認した質問です。
そして、やっぱり、ほとんどの方が、私の心配しているような暖房の使用をしていたのです。

ホットカーッペットの上に座る、または寝ころぶ。
床暖房の上に直接座ったり、寝たりする。
ファンヒーターのそばに座る。

これらは、ものすごく皮膚を乾燥させてしまいます

最近のお子様の生活スタイルに、共通した問題点があります。
それは。
室内を暖めて、薄着で裸足でいる子供がすごく多いことです。
最近は、保育園も、薄着教育といって、半袖に裸足で過ごさせるところが多いのですが、暖房をがんがんつけてポカポカに暖めてその中で薄着でいれば、皮膚が真っ白に粉を吹くほど乾くのは当然なのです。

このような生活をしていると、皮膚は乾燥し虚弱になりやがてかゆみや湿疹がでてしまいます。
同時に、空気が乾燥しているので喉も乾燥し、風邪をひきやすくなります

私のお奨めは

室内での、重ね着と靴下の使用です
私は、室内で5枚の重ね着をしていますよ。
お子様は、袖が重なると動きにくくいやがるので、ベストや綿入れはんてんもようなもので身体を暖かくしてあげて下さい。
靴下をはかせると、暖房の必要性はぐっと低下します。

加湿器を使うのもお奨め。
加湿器だけで、暖かさを感じますので、暖房を少なくできますよ

マイブームは、遠赤外線ストーブです。
風が出ないので乾きすぎず、湿度も下げないので喉が痛くなりません。
電気代も少なくて、まさに節電の今年にピッタリですね

お子様は、身体の体積も表面積も小さいので、大人よりずっと早く乾燥します。
くれぐれも、お気をつけください






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今日は休日

2011年11月23日 12時46分34秒 | インポート
穏やかな休日を過ごしています

テレビで映画を観ました
「風が強く吹いている」という邦画です。

あまり期待せず、のんびり画面を見ていましたが。
予想より良い映画で、感動しました。

内容は。
人数の少ない弱小陸上部が、気持ちを合わせて箱根駅伝を目指す・・という一見地味な内容です。
はじめは心がばらばらだった陸上部の大学生が、少しずつ心を開き合い、最後は皆がそれぞれの持ちうる力を出し合って頑張るのです。
キーワードは「おれたちのてっぺんを目指そう」です。

この映画の「てっぺん」は、他者との比較での一位ではなく、それぞれの最大の力を出す・・ということ。
私は、ここに共感しました。

昨日、NHKで「新型うつ病」の特集がありました。
最近の若者に増加している現象で、「楽しい楽な事は元気で出来るが、嫌なことや仕事にはうつになる」という現象です。
これは、実はだれにでも、どの世代でも当たり前に感じる感情です。
ただ、最近の若者はこれが極端で、少し注意されると極度に傷つき、嫌になって仕事を辞めてしまうというのです。
小さい頃から甘やかされて怒られてこなかった子供が、成人して、自己愛の強い極端に傷つきやすい人間になっているとのことでした。

私は日頃からこう思っています。
それは。
人と較べて、競争して一番になる必要はないということです。
その人なりの目標を持ち、その中で自分のてっぺんを目指すことが、充実感であり幸せにつながると思うのです。

人は皆、社会の一部です。
私も微少ながら、社会の中に還元できる力を持っている存在だと信じています。
そのために、努力はしていこうと思っています。
自分の出来ることを少しずつでもする。自分だけが出来ることを頑張る。

何気なく観た映画で、そんなことをつらつらと感じました


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乾燥肌の予防

2011年11月22日 19時05分45秒 | 診断と治療
空気の冷たさが、いよいよ本格的になってきましたね。

気温の低下とともに、皮膚の乾燥トラブルが増えてきました。

顔のつっぱり。
クチビルのかわむけ。
手のかさつき。
指のヒビワレ。
カカトのかさかさ。
腰回りや、肩、太ももやふくらはぎのかゆみ。

これらが、大変多く見られるようになりました。

乾燥肌の原因は、もちろん、空気の乾燥です。
冬になれば、湿度はどんどん低下してきます。
これとともに、皮膚の水分量も低下します。

今日、乾燥肌の患者さんが急増し、みなさん、かゆみを感じていました。
その中に、いくつか、みなさんがうっかりする原因がありました。
それは。
暖房の使用です。

床暖房に足をおろしていると、カカトがかさつき、ふくらはぎがかさかさになります。
ホットカーペットに座ったり寝ころんだりするお子様の全身が、かさかさになり、湿疹が出始めています。
ファンヒーターは温風なので、風を浴びるとあっという間に全身が乾燥します。
エアコンも同じですね。

皮膚の弱い方や、アトピー性皮膚炎の方、乾燥肌の方などは、暖房を控え目にしないといけません
私は、そこで、室内で重ね着をお奨めしています
まず、皮膚に直接ふれる部分には、綿などの天然素材のものを着ます。
その上に、もう一枚、薄地の綿の長袖のものを重ねます。
その上に、暖かい素材のセーターやカーディガン、トレーナーなどを着ます。
さらに、その上に、綿入れベストなどの、暖かい重ね着をすれば、ばっちりですね
足には、もちろん、厚手の靴下をはきます。

このように、室内でたくさんの重ね着をすると、暖房をつけずにすむ場合があります。
また。
暖房をつけるとしても、温度を下げて控え目におさえられますね。

ユニ◎ロのCMで、室内用のダウンというものがありましたが、これもナイスです

私は、最近室内で、5枚重ねていますよ

ついつい、暖房をつけて暖めていまい、室内で薄着の裸足・・というお子様がいますが、乾燥肌まっしぐらです

今年は、節電の冬ですよ。
ぜひ、スキンケアとともに、工夫してくださいね





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やっぱり保湿!!

2011年11月21日 16時47分58秒 | アトピー性皮膚炎
昨日、NHKでアレルギー特集をやっていました。
ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

番組は3つの構成になっており、はじめは食物アレルギー、そのあと花粉症、そしてアトピー性皮膚炎でした。

そこで、アトピー性皮膚炎のお話。
私のよく存じ上げている先生がお話しになっており、とてもわかりやすい内容でした。
治療のポイントは・・・。
まず、ステロイドの塗り薬を自分勝手には使用せず、医師の指示通りきちんと使用し、安全に治すことの重要性。

そして。
やはり、何よりも大切なのは、保湿ケアを怠らないことでした
赤ちゃんの頃から保湿ケアをはじめると、アトピー性皮膚炎や鼻炎、喘息なども予防できるとも言われています

保湿ケアはやりすぎて悪いことはひとつもありません。

保湿ケアのご相談だけでも大丈夫ですから、ご来院くださいね

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この時期のスギ花粉症(その3)

2011年11月20日 18時37分49秒 | 花粉症
昨日の冷たい雨の後の、今日の暖かさ。

本当に体調を維持するのが大変です

さて。
こんな症状はありませんか?

目がかゆい。
鼻の中がかゆい。
耳の中がかゆい。
特に発疹がないのに、顔や身体のあちこちが無性にかゆい。
喉がむずむずする。
熱はないのに、咳だけでる。

こういった症状は、最近飛んでいるスギ花粉による症状の可能性があります。

これらには、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤の内服の必要があります
やや長めに内服する必要があります。
これらの症状が出ている方は、ご相談ください

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この時期のスギ花粉症(その2)

2011年11月18日 18時05分50秒 | 花粉症
このところ、花粉症の患者さんが急増しています

風邪と思っていたら、いつまでも鼻水がとまらないとか、乾いた咳が長く続くとか。
目のかゆみの方も多いです。

今日は、特に、顔の湿疹と頭の地肌のかゆみを訴える方が多かったようです。
空気が乾燥してきたため、顔や首や頭の地肌も乾燥がめだってきました。
そんな乾燥した肌に、スギ花粉がついてかぶれて湿疹やかゆみをおこすのです。

顔や首はこれまでよりさらにしっかりとした保湿ケアが必要です。
また。
頭の地肌の乾燥の対策も必要です。
マイルドなシャンプーを使うとか、地肌を潤すローションを塗るとかの工夫も大切ですね。

顔を潤す乳液や顔のクリームをアドヴァイスしています。
また、頭の地肌を潤すローションや乳液の処方も行います

暖房をつけるようになると、肌の乾燥はいっそう増します。
今のうちに、保湿ケアを気をつけましょうね

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この時期のスギ花粉症

2011年11月16日 18時43分24秒 | 花粉症
一日一日と気温が下がってきました。
今朝の冷え込みは厳しかったですね

急な気温の低下による風邪などの体調不良が増えてきているようです。
洋服で上手に調節しましょう。

さて。

11月に入って、毎年のことですが、スギ花粉症の患者さんが来院します。
え??、もうスギ花粉??と思われる方もいるでしょう。
でも、毎年、この時期、スギ花粉が飛ぶのです。
今年も例外ではないわけで。

もちろん、春に較べれば、飛散量は少ないです。
でも。
アレルギーが敏感な方は、少量のスギ花粉でも発症します。
鼻水やくしゃみ、目のかゆみ、喉のいがいが、咳など、春と症状は同じです。

皮膚にも花粉症はでます。
これは、乾燥肌が目立ってくると、花粉にかぶれるわけですね。
目のまわり、クチビルや口のまわり、ほほや首、耳の周囲、頭の地肌などにかゆみや湿疹がでますね。

春ほどではないですが、やはりお洗濯ものや布団は屋外に干さない方が賢明です。
顔や身体をお風呂で洗ったあと、花粉がたくさんついたタオルで拭いたりすれば、やはりかぶれやすいですね。

来年はスギ花粉が少なめという報道もありましたが、今の時期にもけっこう症状が強く出る方もいますから、やはり油断はできないかもしれませんね。

大切なのは、保湿ケアです
静電気も花粉を寄せ付けるので、身につける下着や洋服はなるべく化繊を避ける方がよいと思います

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