宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

静電気とかゆみ

2013年12月06日 21時47分25秒 | 診断と治療
大学通りはイチョウがだいぶ散っています。

黄色い円錐形がすかすかになってくると、冬も本番という印象が強まりますね。

さて。

今日は、乾燥性湿疹の患者さんがかなり多く来院されましたが。
ほとんどの方が
「二週間前から悪化しています。」
とおっしゃいます。

二週間前というのは、納得です
この二週間ほど、ずっと雨がふっておらず、空気の乾燥がひどくなっています。
また、この二週間前から寒さが厳しくなり、暖房の使用も増えています。
さらに寒さのせいで代謝が落ち、発汗も減っているため皮膚の水分量が減っています。
つまり。
皮膚が乾燥する条件がそろってしまっているというわけですね。

そんな中。
私ごとですが。

暖房の使用を控え、綿素材をメインとしたたくさんの重ね着であたため、さらに全身の保湿クリームの使用のおかげで、例年になく全身乾燥せずに潤っています。
その証拠に。
今のところ、全く静電気がおきません

静電気は、皮膚のうるおいが減って乾燥肌になるとおこります。
また、化繊やウールを皮膚に直接着ると、いっそう悪化します。
ぱちぱちと静電気がおこると、そのたびに皮膚の状態は悪くなり、かゆみや湿疹の悪化につながります。
ですから、静電気が起こらないことはとても良いことです

静電気をおこさない素肌を作るポイントは。
入浴はお湯にゆっくりとつかり、発汗のするようにする。
入浴後は、全身にしっかりとむらなく保湿クリームをぬる。
素肌に直接着るのは綿素材、あるいは絹が望ましい。
暖房を控えるために、綿素材の重ね着をする。その際、できれば肌に密着するものがうるおいを逃がしにくく良い。
あとは、あったか下着やウール、アクリルなども一応暖かいので良いが、何枚かの綿の上に重ねると良い。
重ね着は、ベストやちゃんちゃんこ、腹巻きやポンチョ、膝掛けなどで工夫。袖の無いものを重ねると着やすい。
寒さを我慢するのではなく、電気ストーブやオイルヒーター、こたつなど、空気の乾きにくいものをメインにすると良い。

部屋をぽかぽかにして薄着や裸足ですごすと、全身が強烈に乾燥し、静電気もおこりやすくなります。
最近の保育園は、床暖房にファンヒーターなどで部屋中ぽかぽかで、お子様は薄着です。
当然全身かさかさで、かゆくなるだけでなく、風邪をひきやすくもなりますね

静電気は、肌の水分量のバロメーターのひとつです。
静電気のおこらないうるおいのある素肌をめざしましょうね




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