箕面市の給食~おいしい給食をいっぱい食べましょう!

箕面市の給食は
①卵、牛乳、小麦等を調理に使わない「低アレルゲン献立給食」です
②市内産の野菜を優先的に使っています

畑訪問より(止々呂美地区)

2024年08月24日 | 食育・地産地消

箕面市の学校栄養士は、月1回程度、給食に野菜を納入してくださる農家さんの畑をたずねて、いろいろなお話をうかがっています。
7月下じゅん、止々呂美(とどろみ)地区にある農家さんの畑を訪問しました。
こちらの農家さんは、だいこんやはくさい、さつまいもなどの野菜と、ゆず、ぶどう、キウイなどの果物、しいたけ、くりなど、たくさんの農産物をさいばいされておられる専業農家さんです。
子どもたちに農作業の楽しさと、自分たちが食べている食べ物の大切さを感じてもらおうと、いもほりや、くり拾いなどの体験ができる農園も運営されています。
なんと、市内でただひとつ、現役で使われている炭焼きがまもあります。

〈しいたけ〉
しいたけのさいばい方法には、クヌギなどの原木(げんぼく)で育てる「原木(げんぼく)さいばい」と、おがくずに米ぬかや水などを混ぜてかためたブロックで育てる「菌床(きんしょう)さいばい」があります。
空調設備の整った建物の中で育てて、1年中何度も、安定的にしいたけを収かくできる菌床(きんしょう)さいばいに比べ、通常1年くらいかけて自然の中で育てる原木さいばいは、気温やしつ度によって大きさや収かく量が変わります。
こちらの農家さんは、原木さいばいでしいたけを育てておられます。
しいたけハウスの中には、秋に向けてクヌギの原木が準備されていました。

しいたけを育てるために、毎年2000本のクヌギの原木を使っているそうです。
しいたけハウスの外にも、かり出したたくさんのクヌギの木が並んでいました。
これから、この原木にしいたけのきんを植えつけます。

これがクヌギの木です。

下の部分は太いのに、上のほうは急に細い枝になっていますね。
しいたけの原木や炭にするための枝を、ここで切っているからです。
切ったところから新しい芽が出て、また大きな枝に育っていくのだそうです。

細い枝になっているのは、人の身長よりも少し高い位置です。
そんなに高いところで切るのは、鹿に新芽を食べられないようにするためだそうです。
こうやって、山のめぐみを大切に守りながら、その一部を使わせてもらうのですね。

〈菊炭(きくずみ)〉
止々呂美(とどろみ)と言えば、箕面市の特産品でもある実生ゆずが有名ですが、実は炭の生産地でもあります。
止々呂美(とどろみ)地区で生産される炭は、断面がきくの花のような美しい模様になっていることから「菊炭(きくずみ)」と呼ばれ、お茶の席などで使われる高級炭として重用されていました。
昔は北摂(ほくせつ)地域の各地で生産されて池田市に集められていたことから、「池田炭」とも呼ばれています。

かつては盛んに行われていた炭焼きですが、現在は市内でこの農家さんだけが、現役で炭焼きを行っておられます。
地域に残る貴重な伝統を、子どもたちに実際に体験して学んで欲しいという想いで、毎年この炭焼きがまで、とどろみの森学園の子どもたちといっしょに菊炭(きくずみ)作りを行っているそうです。

〈くり〉
止々呂美(とどろみ)のもうひとつの特産品であるくりの木が、山に植えられていました。
見上げると、緑色のくりのイガが見えました。
今の時期の緑色のイガはまだやわらかいですが、秋になり、イガの中のくりが育ってくるころになると、中のくりを守るため、ツンツンととがって茶色く固くなります。

〈さつまいも畑とぶどうのビニールハウス〉

畑では、「紅はるか」という種類のさつまいもの葉が青々としげっていました。
秋にはいもほり体験にたくさんのかたが来るそうですが、一部、給食にも納品してくださっています。
さつまいも畑の向こう側に見えるのは、ぶどうのビニールハウス。
ここ数年、ぶどうのさいばいにもチャレンジされているそうです。

(キウイも大きく育っていました)

他の畑では、ちょうどとうもろこしの収かくが終わり、たい肥を加えて土づくりをしておられました。
8月に、はくさいの種をまく予定だそうです。
冬には大きく育ったはくさいと、くりと同じく山で育ったゆずを、給食に納品していただく予定です。
昨年の冬には、とても大きくてやわらかくておいしいはくさいを、給食に納品していただきました。
こちらの農家さんのはくさいは、毎年秋に開さいされる箕面市農業祭の農産物品評会で、賞をもらったこともあるそうですよ!

「おいしい野菜を作るコツはありますか?」とたずねると、「気合です!」とのこと。
このひとことに、土づくりやさいばい方法など、いろんな工夫を重ね、大切に世話をして作物を育てておられる毎日が「ぎゅっ!」とつまっていると感じました。
「今年も、農業祭に出品できるような、大きくておいしいはくさいを作って、学校にも届けたいと思っています。一所けん命気持ちをこめて作っているので、味わって食べてください。」とメッセージがありました。

訪問したのは午前中でしたが、数十分お話を聞いただけで、あせがふき出てきました。
実際に畑にうかがうと、夏の暑さの中での作業の大変さがひしひしと感じられます。
この異常なくらいに暑い中で、農作業をされておられる農家のみなさま、本当にありがとうございます。
学校に納品していただいた箕面産野菜は、大切に調理して、子どもたちみんなでおいしくいただきます!


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