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ウガンダから来た気候変動問題の活動家のバネッサ・ナカテさんは、「ウガンダでは、人々が死んでいき、子供たちは学校に行くことができず、農場が破壊されている」と述べ、

2021-11-09 | 世界の変化はすすむ

「来年に先送りするな」進まぬ気候問題論議に、数万人の市民が街頭へ

登録:2021-11-08 07:48 修正:2021-11-08 10:41
 
[COP26グラスゴー通信] 
5日、グラスゴーでの気候変動問題の集会に数万人の市民が参加 
グラスゴーのケルビングローブ公園を埋めた人の波 
「今すぐ行動を」「石炭と石油、もうやめよう」
 
 
5日(現地時間)、グラスゴーのケルビングローブ公園を出発した気候ストライキ行進は、2.5キロメートルにわたりジョージ広場まで続いた=チェ・ウリ記者//ハンギョレ新聞社

 「私たちが願うのは?」「今すぐ気候正義を!」

 5日11時30分(現地時間)、英国グラスゴーのケルビングローブ公園とその周辺の街頭が、数万人(主催側推算)の人の波で埋め尽くされた。「未来のための金曜日」(Fridays For Future=FFF)などの気候変動問題の運動団体はこの日、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を迎え、世界の指導者たちに気候変動問題への行動を促すための「気候ストライキ」(Climate Strike)集会を開いた。市民たちは「石炭と石油はもうやめよう」(No more coal、no more oil)「グリーンウォッシング(欺瞞的な環境主義)はやめよう」(Stop green washing)「ごたくばかりを並べるな」(No more blah blah blah)などのシュプレヒコールを叫び、ジョージ広場までの2.5キロメートルを2時間あまり行進した。「今すぐ行動せよ」「地球は私たちの手にかかっている」「言葉ではなく行動が重要だ」「私たちは溶けている」「地球を殺すのを止めて」というプラカードも、そこらじゅうで目に付いた。

 
 
5日(現地時間)、グラスゴーのケルビングローブ公園を出発した気候ストライキ行進は、2.5キロメートルにわたりジョージ広場まで続いた=チェ・ウリ記者//ハンギョレ新聞社

 行進に参加するためにケルビングローブ公園に集まった人々は、子供から高齢者まで幅広かった。「絶滅反乱」(XR・Extinction Rebellion)のような気候変動問題の運動団体に所属する活動家だけでなく、地域の住民とみられる家族単位の参加者も多かった。英国の市民以外にも、チリ、フィリピン、ブラジル、ウガンダなどの遠い国から来た人々も見かけた。彼らは、水不足問題や海面上昇のように、それぞれが直面している気候危機の状況を伝えるシュプレヒコールを叫び、前進した。近隣の住民たちは、窓の外に体を突き出し、シュプレヒコールを一緒に叫び、デモ隊を応援した。様々な人々が一カ所に集まった大規模な祭典のような様子は、青少年や青年あるいは環境団体を中心に小規模な集会が行われる韓国での様子とはまったく違った。

 
 
5日(現地時間)、グラスゴーのケルビングローブ公園を出発した気候ストライキ行進は、2.5キロメートルにわたりジョージ広場まで続いた=チェ・ウリ記者//ハンギョレ新聞社

 市民の間からは、政府や企業の気候危機への対応が遅々として進まないという批判が主に出ていた。英国のデボンから妻と一緒にデモに参加したトムさん(69)は、「すでに私たちは、オーストラリアやマダガスカルなどの地で、決してありふれたことだとは言えない多くの異常気象を目撃してきた。これは決してありふれたことなどではない。重要なのは、指導者たちが何かをすることだ。私たちを代表する人々は、『来年、来年、来年』と先送りすることをやめて、今すぐ行動しなければならない」と語った。トムさんの妻のエリザベス・カリサーズさん(69)は「このようなデモは、英国では非常にありふれたものだ。それだけ気候問題が深刻であり、今すぐ行動しなければならないと考えているからだ」と述べた。

 
 
5日(現地時間)、グラスゴーで開かれた気候ストライキに参加したグラスゴーの大学生たち=チェ・ウリ記者//ハンギョレ新聞社

 気候変動問題の運動団体である「絶滅反乱」(XR・Extinction Rebellion)の活動家であり北アイルランドの住民のアダム・コードレイさん(38)は、「私たちの子供たちのためにここに来た」と語った。そして、「指導者たちが正直でないことが最大の問題」だと述べ、「彼らは企業や資本、自分自身の評判のために行動し、気候危機に直面した人々のためには動かない」と批判した。

 
 
5日(現地時間)、グラスゴーの気候ストライキに参加したアイルランドのコンピューターエンジニアのイーリング・キブスンさん。彼はグリーン・ニューディールが企業のためにだけ使われていると批判した=チェ・ウリ記者//ハンギョレ新聞社

 アイルランドから来たというコンピューターエンジニアのイーリング・ギブスンさん(60)は、グリーン・ニューディールはグリーンウォッシングだというピケットを持っていた。彼は「韓国のグリーン・ニューディールもそうだが、私たちも十分ではない。私たちの税金を気候危機への対応には使わず、企業のために使っている。それよりさらに重要な問題を解決しないでいる」と述べた。

 「No War・No Warming(戦争反対・温暖化反対)」と書かれたピンク色の布を背中につけたメリーさん(66)は、5時間かかる距離の都市から電車に乗ってこの日に来たと語った。戦争の過程でも多くの温室効果ガスが排出され、人権が侵害されているとして、この行進に参加した。

 気候デモは、単に気候変動問題への対応だけを求めるものではない。地球温暖化を加速化させた化石燃料に象徴されるこれまでの成長言説や現代史に対する総体的な問題意識が集約されている。そのため、戦争、資本主義、肉食文化、人種差別、男性中心主義に反対するなど、現代社会の構造に対する改革的な志向を持つ市民の解放区のような役割を果たしている。現場で配られたニュースレターやチラシなどを見ると、そのような問題意識が込められた文章が詰まっていた。

 
 
5日(現地時間)、グラスゴーで開かれた気候ストライキに参加したマチルダさん(8)と父親=チェ・ウリ記者//ハンギョレ新聞社

 幼い生徒たちも、家族とともにデモ現場を訪れた。妹と今回のデモに参加したエバ・パネルさん(14)は「政治家は気候を重要に扱わなければならず、私たちが彼らを動かさなければならないと考え、今回のデモに参加した。彼らはブラジルの森の破壊をやめ、炭素排出も止めなければならない」と話した。パネルさんはインタビューを終えた後、「石炭と石油はもうやめよう」というシュプレヒコールを叫び、前に進んだ。両親と初めてデモに参加したというマチルダさん(8)は、父親と一緒に行進に参加した。彼女はかわいらしい手で、地面に敷いた横断幕に「Help the Palnet」(地球を助けて)と書いた。グラスゴー西部地域に住む市民だというマチルダさんの父親は「今日は雨が降らずいい天気でよかった」と言い「COP26を通じて真の変化を成し遂げなければならない」と語った。

 
 
5日(現地時間)グラスゴーを訪れたチリの大学生のマリア・ベニテスさん(25・右側)と同級生たち。彼女らは若者と女性が気候変動問題への対応についての議論に参加しなければならないと述べた=キム・ミンジェ記者//ハンギョレ新聞社

 一部の参加者の間からは、青少年や女性が気候危機にともない大きな被害を受けるが、実際の政策決定の場からは疎外されているという声も出ていた。COP26を迎えデモに参加するためにチリからグラスゴーに飛行機で来たマリア・ベニテスさん(25)は、「若者、特に若い女性たちが気候政策を決める空間を持つことが重要だ」と強調した。ベニテスさんは「若い青年たちを写真を撮る時だけ呼ぶのではなく、実際に政策を論議する場に加えなければならない」とし、「そのための気候危機の解決策を探るよう要求するために、グラスゴーに来た」と述べた。ベニテスさんは、チリの女性の仲間4人とともに「水は人権だ」といったシュプレヒコールを叫び、ジョージ広場まで歩いていった。地元のグラスゴー大学で工学などを専攻するマルダさん(19)とジェニファーさん(21)、パイファーさん(19)は、橋の上に登り、祭りを楽しむかのように笑いながら「これはとても重要な問題」だと言った。

 
 
5日(現地時間)、気候ストライキに参加した「絶滅反乱」の活動家のコードレイ・アダムさんが絶滅反乱のロゴが描かれた旗を広げて見せている=キム・ミンジェ記者//ハンギョレ新聞社

 2時頃に行進が到着したジョージ広場では、「フライデー・フォー・フューチャー(未来のための金曜日)」のブラジル・パキスタン・アルゼンチン・コロンビア・パプアニューギニアの活動家たちが発言を続けていた。パプアニューギニアの活動家は「何が革新で開発なのか。石炭や鉱山のためにアマゾンの森が破壊されている。私たちは気候の犠牲者ではなくリーダーになる。そして私たちの生態系を保護する」と主張した。ブラジルの活動家は「ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領はここにはいない。彼はいつも嘘をつく。私たちは緊急状態で崩壊している状態」だと叫んだ。

 
 
5日(現地時間)、ウガンダの青少年気候活動家のバネッサ・ナカテさんがグラスゴーのジョージ広場で行われた気候ストライキで発言している=チェ・ウリ記者//ハンギョレ新聞社

 ウガンダから来た気候変動問題の活動家のバネッサ・ナカテさんは、「ウガンダでは、人々が死んでいき、子供たちは学校に行くことができず、農場が破壊されている」と述べ、「アフリカは世界の炭素排出量のごく一部だけに寄与しているが、気候変動の影響は主に受けている」と指摘した。この日世界各国から来た活動家たちが、拳を掲げ空に向けて突き上げると、人々は歓呼し、発言台の横ではスコットランドの伝統衣装を身につけた音楽隊が盛り上げる演奏をした。

 気候変動問題の運動と未来世代のアイコンとして浮上した気候活動家、スウェーデンのグレタ・トゥンベリさんの発言を最後に、5日の行進とデモは終わった。行進を見守っていた市民のカイルさん(33)は「短い時間で終わっても問題ない。デモ隊が望んでいることが何であるのか分かっており、同意している。トゥンベリさんに対しても肯定的な感情」だと述べた。

グラスゴー/キム・ミンジェ、チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

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