目でみる経済
物価高 お年寄り世帯ほど影響
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物価高が家計を直撃しています。今回の物価高はお年寄り世帯ほど影響が深刻です。総務省「消費者物価指数」は、世帯主の年齢別の指数を公表しています。生活実感に近い「持ち家の帰属家賃を除く総合」で2015年を100とした推移を算出すると、19年以降、若い世帯で下がり、お年寄り世帯で上がっています。18年まではどの世帯もおおむね同じ傾向でした。
年齢によって消費者物価指数の動向が変わるのは、消費傾向が異なるからです。子育て世帯は教育費がかかります。携帯電話料金も若い世帯ほど多くなります。お年寄り世帯は消費支出に占める食料費の割合が高くなる傾向があります。在宅時間が長いため、光熱・水道費の変動も大きく影響します。
19年10月、当時の安倍晋三政権は消費税率10%への引き上げを強行する一方、幼児教育の無償化を実施。菅義偉政権は携帯料金引き下げを目玉としました。これらが若い世帯の指数を下げました。一方、食料品やエネルギー価格の上昇は、お年寄り世帯に大きな影響となりました。岸田文雄政権はお年寄り世帯の生活を支える年金の支給額を削減しました。消費税減税と減らない年金の実現こそ必要です。(清水渡)