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靖国神社は、歴史に目をつむり、日本の侵略戦争を「自存自衛」「アジア解放」の“正しい戦争”だったと主張する施設です。閣僚の参拝は、靖国神社と同様の侵略戦争肯定の立場を示します。

2024-08-17 | アジア各国から

2024年8月17日(土)

主張

防衛相の靖国参拝

“新たな戦死”を想定する行為

 「戦争する国」となるには戦場で戦う兵士が必要です。誤った国策の犠牲となり、他国への侵略に駆り出され、無残な死を遂げた兵士を「国のために尊い犠牲となった」と美化し、無駄死にだったと思わせない―。米国に付き従い「専守防衛」を踏み越えた戦争を想定する者にとっては、それがいま必須なのでしょう。

 「終戦の日」の15日、自民党の木原稔防衛相ら3閣僚が靖国神社を参拝し、岸田文雄首相は自民党総裁として玉串料を納めました。軍隊である自衛隊を指揮監督する現職防衛相の参拝は重大です。海外での戦争に備え、戦死を栄誉と思わせ、再び「防衛」の名で「国に命をささげる」ことを求める動きを座視できません。

■侵略戦争に無反省

 靖国神社は、歴史に目をつむり、日本の侵略戦争を「自存自衛」「アジア解放」の“正しい戦争”だったと主張する施設です。閣僚の参拝は、靖国神社と同様の侵略戦争肯定の立場を示します。二度と侵略戦争を起こさないというアジア諸国への誓いを踏みにじり、侵略戦争を認めないという戦後国際政治の到達を否定するものです。

 戦前、靖国神社は、「お国のために」命を捨てることを国民がいとわないようにさせる精神的支柱でした。その反省から、戦後の憲法は「個人の尊重」を規定し、「信教の自由」を定め、国およびその機関は「いかなる宗教的活動もしてはならない」としています。参拝や玉串料奉納は宗教行為であり憲法に反します。

 靖国神社に祭られているのが「国のために命をささげた英霊」というのも事実ではありません。祭られているのは明治維新以降「天皇のために」死んだ軍人・軍属だけです。

 不正義の戦争で自国民やアジア諸国民に多大な犠牲を強いた責任者であるA級戦犯も「英霊」として祭られています。ここにも、靖国神社が日本の戦争に無反省なことが示されています。

■平和構築への逆行

 過去の誤りに無反省な者は同じ過ちを繰り返す多大な危険があります。

 木原防衛相は、自衛隊員が靖国神社に集団参拝していたことが問題になっても「私的参拝」だとごまかしてきました。そのさなかにあえて大臣として参拝したことは、政教分離の原則に立ち宗教施設への部隊参拝や宗教的行事への関与を禁じた防衛省自身の通達を公然と否定し、旧日本軍との連続性を示すもので、許されません。

 自公政権の「戦争する国づくり」のなかで、複数の元陸上幕僚長が昨年相次いで、安保3文書を念頭に自衛官が戦死した場合の処遇検討を求める文書を公表しています。一人は「近い将来…戦死する自衛官が生起する可能性は否定できない」とのべ国家施設としての靖国神社に祭ることを求めており、見過ごせません。

 戦争に備えるのではなく外交によって北東アジアの友好と平和を図るべきです。そのためには、日本が過去の植民地支配と侵略を反省し根本的な清算にすすむことが不可欠です。閣僚の靖国参拝はこれに逆行し、平和構築を妨げます。

 新たな戦死者を生み出す「戦争する国づくり」の動きを止めることが緊急、切実に求められています。


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