〈平昌五輪〉
北南同胞と共に描いた「統一」/総聯同胞応援団の感想
2月9日から25日にかけて開催された平昌冬季オリンピックでは、開会式の北南選手の合同入場や女子アイスホッケー単一チームの結成など、北南の和解と団結を示す感動のシーンが広がった。
一方、在日同胞たちも第1次(8~12日)、2次(11日~15日)、3次(23日~27日)に分け、南朝鮮を訪問。民族の慶事であるオリンピックに駆け付けた同胞たちは現地での応援活動や北南の同胞たちとの交流を通して、在日同胞の統一への熱い思いを伝え、北と南がひとつになる未来に胸を膨らました。
第2次総聯同胞応援団
2月11日、金浦空港に降り立った第2次総聯同胞応援団が目撃したのは、「モンダンヨンピル」と「6.15共同宣言実践南側委員会」をはじめとする南の同胞たちの手厚い歓迎だった。

在日同胞を南の同胞たちが温かく迎えた(11日、写真はいずれも康英鶴)
朝青北海道本部の呉慶俊さん(25)は「はじめての訪南ということもあり、喜びと言うよりも緊張と不安の方が大きかったが、統一旗を振りながら『われらの願いはひとつ』を歌い、温かく迎えてくれる南の同胞たちの姿を見た瞬間、安心感が広がった。祖国は分断されているが、統一を願う心はひとつなんだと強く感じた」と語る。
在日同胞たちと交流の深い南の朝鮮学校支援団体「モンダンヨンピル」のメンバーは、これまで日本を訪問するたびに在日同胞たちの手厚い歓迎を受けてきた。今回、在日同胞たちが南の地を訪れることを知り、南でも朝鮮学校を支援し、在日同胞たちに思いを寄せる多くの人がいるということを伝えたいと空港に駆け付けたという。
第2次総聯同胞応援団は、滞在期間中、女子アイスホッケー単一チーム対スウェーデン戦(12日)とフィギュアスケートペアショートプログラム(14日)を観戦した。
アイスホッケーの試合が行われた江陵の関東ホッケーセンターでは南北合同応援団による力強い応援が行われた。北側応援団の「ウリヌン!(私たちは)」の掛け声に、「ハナダ!(ひとつだ)」と呼応する南側応援団。
朝青京都西陣支部の徐隆德宣伝文化部長(28)は「『ウリヌンハナダ』の大声援とはためく統一旗が競技場を埋め尽くす光景は、祖国が統一されていく過程を見るようで、心が震えた」とし、呉慶俊さんも「競技場の中には『分断』という感覚はなく、統一を願う皆の気持ちがひとつになった瞬間だった」と感慨深く振り返った。

同胞応援団と出会い、「また会いましょう」を歌いながら涙を流す北側応援団
フィギュアスケートペア競技後には、競技場の外で、同胞応援団と北側応援団が偶然遭遇する一幕もあった。同胞応援団と北側応援団は互いに手を振り「また会いましょう」を合唱。異国に暮らす同胞たちとの別れを惜しみ、歌う北側応援団の目には大粒の涙があふれ、「泣かないで」と声をかける同胞応援団もまたその姿に涙した。
滞在期間中、南の同胞との交流も活発に行われた。
14日には、「民族和解ハンマダン」がソウルの西大門区庁大講堂で開催され、250人のソウル市民とともに、第2次総聯同胞応援団のメンバー43人をはじめとする海外同胞たちが参加。「民族和解ハンマダン」では、女子アイスホッケー単一チーム「コリア」対日本戦のパブリックビューイングが行われた。パブリックビューイングの合間には、福岡朝鮮歌舞団が公演を披露した。
「チャンゴの舞」を披露した金妙穂団長は「民族教育を受け、祖国で舞踊を学んだ私が故郷の地で朝鮮舞踊を披露できたことは、忘れられない財産になった」としながら「統一した祖国で踊ることが幼い頃からの夢だった。オリンピックで膨らんだ統一気運をさらに大きなものにするために、私自身が何をできるのかを再度問い直し、行動していきたい」と語った。

14日、「6.15共同宣言実践南側委員会ソウル本部」が主催する在日同胞のための宴会が開かれた
また、同日夜には、「6.15共同宣言実践南側委員会ソウル本部」が主催する在日同胞のための宴会も開かれた。徐隆德宣伝文化部長は、「南の青年たちは『次は平壌で会いましょう!』と私たちを送り出してくれた。南を訪問する前は、こんな場面は想像もしなかったが、統一は遠い日ではないという実感を得た今は、その日が待ち遠しい」としながら「この興奮と感動をオリンピックだけのもので終わらせてはならない。一つになった祖国を見ることができず、この世を去ったハラボジ、ハルモニの恨を解くためにも、私たち若い世代が統一運動を力強く行っていきたい」と語った。
呉慶俊さんも、連日、統一について熱く話を交わした南の同胞たちの姿を懐かしんだ。「『統一を私たちの手で迎えよう』と固く交わした握手を私は片時も忘れないだろう。すべての民族の願いである統一が成され、共に『われらは一つ』を堂々と叫び、また固い握手を交わすその時まで、日本で統一運動に尽力したい」と語った。
第3次総聯同胞応援団
第3次総聯同胞応援団は、25日に行われたフィギュアスケートエキシビジョンと閉会式を観覧した。
京都の大学に通う鄭美栄さん(20)は、フィギュアスケートエキシビジョンで北と南の選手が肩を組み、仲睦まじく話す姿が印象的だったと振り返り、「平昌オリンピックを観覧し、統一の流れを直接感じることができたことが嬉しい。統一した祖国『コリア』を見る日が待ち遠しい」と感想を語った。
総聯鹿児島県本部の李清敏委員長(54)は「短い開催期間に南の大統領と北の高位級代表団が何度も席を共にした。金正恩委員長の新年の辞を契機に高まった統一の機運を肌で感じ、その場を共にできたことを誇りに思う」と話した。李委員長は、閉会式の場で「南北の選手と応援団の願いは統一の礎になるだろう」と語ったリ・フィボム平昌冬季オリンピック組織委員長の言葉や「北と南は平和のために共に行動した」と単一チームを高く評価したトーマス・バッハIOC会長の言葉を引用しながら、「北南の選手たちの平和と和解のための努力に深く感動した。オリンピック期間に培われた統一の機運をさらに高めていくためにも、平昌での経験を地域の同胞たちに広く伝え、愛国愛族運動を力強く後押ししていきたい」と語った。
(朝鮮新報)