柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

文化破壊

2008-05-13 08:42:03 | Weblog
昨日の朝青龍の相撲、すごいですねぇ、あんな大きい男(相手は外人のバルト)が宙に浮いてました。下手ひねりという決まり手ですが、タイミングが合うと浮くんですね体が。なんば走りで有名になった古武道の極意もここなんでしょうか、相手の力を利用する、相手の呼吸や重心の移動や気持ちやら。と、こうやってわかったようには書けるのですが、実際に見るとびっくりしますね。ああいう技は練習してかけられるようになるものでは絶対にないでしょう。天性の勘。朝青龍の優れた能力を見せつけられた場面でした。
 常用漢字、当用漢字の区別にはいつも違和感があって、それに粛々と批判なく従っている新聞やら公文書の見るも無惨なひらがな混じりの熟語表記(終えん、装てん、安ど、操だ、ざんきに堪えぬ、花き、ら致の類)の美しくなさ、不細工さには憤ってきましたが、相変わらず学者達は嬉々として使っていい漢字いけない漢字(いけないなんて言いませんでしょう、そういう定義じゃないって言うに違いないのですが)を選別してます。常用漢字に新たに加えるリストができたそうです。辞書繰ると、当用漢字とは日常使用される漢字の範囲を示したもの、常用漢字とは漢字使用の目安なんだそうで、昭和21年に政府が示したものなんだそうです。現在これを決めているのは文化審議会国語分科会漢字小委員会のお偉いさん達だそうです。昭和21年か。日本の恐るべきあの精神性は天皇を頂点とする全体主義とそれを支えた国家神道からもたらされたものであるから、ここをまず潰せというGHQの方針でした。つまり日本文化を潰せです。家族を潰せ、道徳を潰せ、教育を潰せ。その一環として漢字文化を潰せがあったに違いないのです、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い式の大敷衍、拡大解釈です、教育勅語やら詔勅に象徴される目も眩むかと思うほどの難解で字面の畏ばった漢字で綴られた文章、話し言葉が国民性を形づくっていると考えたのでしょう。明治維新がなった後、日本語表記をローマ字にせよって論が大まじめに出たり、廃仏毀釈が当たり前のように為されたりと同等の破壊です。時代が転換するときの通過儀礼のようなものなんでしょうが、これも狂気には違いないことです。長年積み重なってきた文化を「堂々と」破壊するのですから。学者達はこういう罪の意識が全くないのでしょうね。使える漢字を決めるなんて僭越至極!そんなことするより早く新聞やら公文書からひらがな混じりのあの不細工表記を一掃することを決めなさいってんです。難しい漢字にはルビをふればいいんです。そうやって人は漢字を覚えていくんですから。全くいつまで逆向きの文化破壊を続ける気ですかね。
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