剔抉

世の中の事勿れ主義、弱者強者の逆差別や不平等、Political correct （ポリコレ）の専横に噛みつくのは何も曽野綾子さんの専売ではないのでした。ローマもので有名な塩野七生さんです。昔から文藝春秋にコラムを持っていて（「日本人へ」）、ローマ在住であることも視点の違いになってバッサリ痛快に斬ってくれる人なのですが、今月号です。福島から転校（非難）してきた子をいじめてた横浜の事件がありましたね、それを採り上げて「最大の責任は加害者児童の両親、それも特に母親」とグサリと急所を刺します。両親ですよね、本当にそう思いますよ。文中に詳しいので是非ご一読いただきたいのですが、親が家であれこれ言うてるから子が真似をするんだと。全くその通り。小学生が賠償金がどうのこうのなんて思いつきませんから。別にそうやって教えたつもりはないとか言い訳するんでしょうが、声高に悪しざまにけなしていたら子は覚えます。子は背中を見てるとよく言いますが、日常の所作、言葉遣い、日常こまごましたことへの対応具合、どれもこれも見てるんです、それを総称して背中です。人の悪口言いつめれば子は真似します。叩かれて育った子は友達を叩き我が子を叩くとよく言うじゃありませんか。虐待された子は我が子にそうする。そうするしか知らないんですから仕方ないです。こう書きはじめるとせつないことですが、両親が悪い、これは正しいです。社会が、学校が、教育委員会がの話ではないのです。是非読んでください。