ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

私も関係者なので、ALSでの著名人の死には心が揺さぶられる(瑳川哲朗氏の死)

2021-02-28 00:00:00 | 映画

俳優の瑳川哲朗氏(上の写真では、右から3人目)がお亡くなりになりましたね。記事を。

>「ウルトラマンA」竜隊長 俳優の瑳川哲朗さん死去

 NHK大河ドラマ「三姉妹」の近藤勇役で知られ、舞台でも活躍した俳優の瑳川哲朗(さがわ・てつろう、本名勝野忠孝=かつの・ただたか)さんが17日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)のため東京都内の高齢者施設で死去した。84歳。千葉県出身。葬儀は親族で行った。

 早稲田大を卒業。1959年入団の劇団青俳や東宝演劇部を経てフリーに。シェークスピア作「夏の夜の夢」など蜷川幸雄さん演出の舞台でも活躍した。

 67年の大河ドラマ「三姉妹」で近藤勇を演じたほか、映画「風林火山」やドラマ「大江戸捜査網」などに出演。特撮番組「ウルトラマンA」では竜隊長を演じた。

 洋画や海外ドラマの吹き替えも務め、クリント・イーストウッドさんらを担当した。89年に東京・赤坂に小劇場をオープンし、2008年の閉館まで代表を務めた。

上の記事にもありますように、瑳川氏はもともと舞台出身者でしたが、舞台だけでなくテレビなどにも積極的に出演していました。ウルトラシリーズでも、記事にも出てくる「ウルトラマンA」でのTACの隊長ばかりでなく、「ウルトラマンタロウ」「ウルトラマンレオ」のナレーションもつとめました。映画の出演は少なかったようですね。声優業もこなし、「刑事コロンボ」の第1話(パイロット版)である「殺人処方箋」でのジーン・バリーの声を担当したのが彼でした。なおこの音源はほとんど残っておらず、現在鑑賞できるのは、日本テレビ放送時に新収録された若山弦蔵が担当したバージョンです。ちなみにアニメ版映画の「ゴルゴ13」の主人公の声も、彼でした。

それで、氏は84歳とのことですので、こういってはなんですが、ご年齢としては正直お亡くなりになっても仕方ないかもしれませんが、私が驚いたのが、氏が難病筋萎縮性側索硬化症(ALS)でお亡くなりになったということです。そうですか・・・氏もALSだったのですか・・・。

ALSは、1年間に10万人に1人が罹患するとも言われます。そうすると自分が関係することは、非常に可能性は低いと思われるかもですが、人生80年でしたら1250人に1人はALSになることになります。また100年でしたら1000人に1人です。10万人に1人を超える数が罹患するとなると、もちろんこれより割合が高くなる。私たちにとっても決して無縁の病気というわけではありません。

前にも書きましたように、実は私の父もALSで死去しました。正直父がALSの疑いがあると医者から言われたときは、私も人生でこんなにおったまげたことはないくらいおったまげました。私が医者に行った際、初診の際にちょっと書類を書いて、父親がALSで死亡したということを記載したら、医者が「え! ALSで亡くなったのですか!!!」と大声をあげました。医者が絶叫するっていったいどんだけすごい病気なのだとあらためてALSのひどさを思い知りました。

父の死についてと、その関係の若干の感想

またいくつかの記事で、ALS関連について書いています。

世の中理不尽な災難にあうこともある

サム・シェパードの死で感じたこと

ALSが死因の有名人というと、たとえばデヴィッド・ニーヴン、そしてもちろんルー・ゲーリッグ川島雄三篠沢秀夫らがいるし、またこれは争議があるとのことですが、毛沢東もそうだったという説もあります。昨年、ALS患者への嘱託殺人も話題になりましたし、いろいろ世間を騒がせる病気ではあります。

瑳川氏は、報道によると高齢者施設でお亡くなりになったそうで、多分ですが、ご年齢もあり積極的な治療はしなかったのでしょうね。気管切開などをして呼吸を確保する場合もありますが、おそらくそれは選択をされなかったのでしょう。私の父の場合、あまりに進行が早く、本人に意思を確認する余裕もなくこの世を去ってしまいました。まったく子どもとしては、絶句にもほどがあるという感がありました。瑳川氏がいつごろから身体の変調を感じ、そして寝たきりの状況になったのかは現段階報道されていないかと思いますが、やはりご本人そうとう肉体は当然だし、精神的にもきつかったと思います。だんだんに自分の身体が動かなくなり、声も出せなくなる恐怖はすさまじいものがあるかと思います。芸能人やスポーツ関係の人など、姿や動きを見せるのが仕事の人であればなおさらです。非常に気の毒です。

ところでウルトラシリーズも、第1,第2シリーズでの防衛組織の隊長役の俳優さんでご存命の方は、「レオ」の森次晃嗣氏のみとなりました。「ウルトラマン」の小林昭二、「ウルトラセブン」の中山昭二、「帰ってきたウルトラマン」の塚本信夫根上淳、「ウルトラマンタロウ」の名古屋章の各氏が、みなお亡くなりになっています。森次氏も1943年生まれですから、今年78歳です。今から50何年前から40何年前に制作のドラマですから、隊長役の方はお亡くなりになるご年齢ですよね。ウルトラシリーズは、主人公はみなさん現段階全員ご存命ですが、「ミラーマン」(1971年~72年)での主人公役だった石田信之氏は2年前の2019年にお亡くなりになっています。

瑳川哲朗氏のご冥福を祈ってこの記事を終えます。下の動画は、2014年収録とのこと。

Ultraman Leo ウルトラマンレオ 울트라 맨 竜隊长、瑳川哲朗 Blu-ray映像特典 BD

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情報(祝!!! 幻の映画であった篠田正浩監督『夜叉ヶ池』が鑑賞できることになった)

2021-02-27 00:00:00 | 映画

昨年こんな記事を書きました。『夜叉ヶ池』という篠田正浩監督による1979年の作品についての記事です。

未ソフト化、CSをふくむテレビ放送なしだが、封印作品ではないようなのでチャンスを待って観てみたい(篠田正浩監督作品『夜叉ヶ池』)

たまたま読んだ本にこの映画のことが書いたあって「封印作品」であるとのことで、それならぜひ観てみたいと思ったのですが、実際のところは「でも私が生きている間に鑑賞するチャンスがあるかなあ」くらいの気持ちでいました。完全封印作品というのでもないようなのですが、YouTubeにゲリラ的にアップロードされるのを観るか、映像を持っている人から譲ってもらうくらいしか、鑑賞するのが難しかったということです。

Wikipediaから引用しますと、

>劇場公開後はテレビ朝日系の「ゴールデンワイド劇場」で1回放送(1981年11月2日放送)されただけで、それ以降一部の権利者がソフト化を拒否する等、権利関係の調整が難航しているため、DVD発売等の二次利用の見通しは立っていない幻の映画(封印作品)となっていた

のですが、

>2020年に篠田と坂東が再会、現代を生きる人々に観てもらいたいという思いが一致したことで、2人の全面協力による監修のもと音や映像のきめ細やかな修復作業を何度となく行い、4Kデジタルリマスター版が完成、2021年3月にCSの衛星劇場で篠田の生誕90年を記念しての2K放送を皮切りに、今夏に篠田監督特集上映として東京・ユーロスペースでジャパンプレミア上映されることが決定した。その後、全国で順次公開を予定しているほか、同時期にはブルーレイが発売される予定である

ということになったわけです。前の記事で私は、

>実際篠田監督も、すでに90歳近い(1931年生まれ)ですからね。彼がご存命のうちに、ぜひソフト化が実現できればいいのですが。

と書きましたが、正直ほとんど期待はしていませんでした。上の引用での「坂東」とは、もちろん坂東玉三郎のことですが、最初は「一部の権利者」とあるのに、下の引用では「篠田と坂東」とあるわけで、玉三郎がこの件で再上映、ソフト化を渋ったのが明らかになっちゃったわけです。もちろん公然の話でしたがね。前の記事でも書いたように、

>玉三郎と加藤剛のキスシーンがやばいとか(玉三郎は言うに及ばず、加藤氏もLGBTネタにはこと欠かない人物だしね)

とかいろいろあるのですが、このあたりは、玉三郎も篠田監督に敬意を表したということもあったのですかね?

1月28日付の記事を引用します。

篠田正浩監督×坂東玉三郎主演「夜叉ヶ池」4Kデジタルリマスター版で42年ぶりによみがえる
2021年1月28日 13:00

配給大手の松竹は、松竹映画100周年記念プロジェクトの締め括りとして、1979年10月20日に封切られた篠田正浩監督、坂東玉三郎(5代目)主演作「夜叉ヶ池」を4Kデジタルリマスター版で42年ぶりによみがえらせることを発表した。

(中略)

しかし、劇場公開後はテレビ朝日系「ゴールデンワイド劇場」で1度放送されただけで、現在までDVD発売などのソフト化されておらず、幻の作品と言われてきた。それだけに、100周年記念プロジェクトを契機に多くの映画ファンの目に触れる機会を得たことになる。

(後略)

まずは3月に、衛星劇場で放送されます。しかし洪水シーンなどはやはり劇場で観たいものです。とりあえず衛星劇場での当該作品の紹介ページはこちら。3月3日、13日、25日の3回放送されます。いずれにせよ大変楽しみですね。いやー、生きててよかったと思います。旅ですごいところへ行った時と、すごい映画を観たときの喜び、これはまさに人生の最高の瞬間ですね。というわけで読者の皆様も、ご興味があればぜひぜひご鑑賞を。最後に篠田監督と玉三郎のコメントを。

>篠田正浩監督
この新作「夜叉ヶ池」を観る人は、坂東玉三郎が、山崎努・加藤剛を相手に緊迫した現代劇を演じ、その果てに魔性の姫に変化する見事な<女形>と、世界を圧倒した大洪水の<特撮技術>のお家芸が出会った日本映画の奇跡を、その目で確かめてください。90歳でデジタル技術でよみがえった「夜叉ヶ池」の初日を迎える冒険を楽しみにしています。

坂東玉三郎
昨年の夏に篠田正浩監督と再会して「夜叉ヶ池」のデジタルリマスター化のプロジェクトが始まりました。デジタル化の作業で映像を確認して、撮影当時の1つ1つの出来事を鮮明に記憶していたことに気づきました。それだけ思いを込めて撮影に臨んでいたのだと思います。泉鏡花「夜叉ヶ池」の世界をデジタル化により美しくよみがえった映像で皆さまに是非ご覧いただきたいと思います。

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けっきょく人質の解放なんて金しだいということだ(拉致問題もご同様)

2021-02-24 00:00:00 | 映画

最近公開されているこちらの映画を観にいきました。

ある人質 生還までの398日

つまりIS(イスラム国 ISIL)に身柄を拘束されたデンマーク人の男性(フリーカメラマン)が、なんとかかんとか身柄を釈放されるまでの経緯を、身代金集めに奔走する家族や、人質解放のために動く業者(仲介者)の姿とともに映し出している映画です。

なかなか内容もハードだし、娯楽作品としても面白く観ることができました。読者の皆様にもおすすめです。ぜひどうぞ。

さてさて、この映画で描かれている1つのポイントは、男性が国籍を有するデンマークの政府が、身代金を支払うことを拒否したということです。しょうがないから、家族は自宅を抵当に入れたり関係者に頼み込んだり寄付を募ったり、最後は金持ちに頼むなどして、なんとか金を用意します。そしてその金を上にも書いた仲介者が先方に渡して、それで最終的にデンマーク人男性は解放されたわけです。

もうISによる外国人拉致やその殺害というのも数年前の話になり、私もやや記憶が遠くなっているところがあるので、地元の図書館で本を探しました。それで2冊借りました。

検証 「イスラム国」人質事件

ISの人質~13カ月の拘束、そして生還~

2冊目はこの映画の原作です。この本は、現在読んでいる途中なのでまだ論評できませんので、1冊目について取り上げます。この本では、2014年に身柄拘束されて15年に殺害された湯川遥菜氏と後藤健二氏の解放について日本政府がどのように動いたか(そしてどのような過程で最終的にそれに失敗したか)について記されています。

それでこの本を読んでいてつくづく感じたのが、日本政府がIS側に身代金は払わないなんていう態度をとった時点で、この2人が助かる可能性はなかったなということです。もともと彼らに対するも身代金の額(2億ドル)も法外なものであったし、期限(72時間)も限られていたのでどっちみち彼らの運命はきわめて過酷なものになるということは予想されていましたが、しかし政府なり自前なりでなんとか金を用意できた人たちは解放されたわけです。映画にも出てきますが、米軍が監禁場所を強襲して人質救出を試みたりもしましたが、これも失敗に終わっています。そして映画にも出てくるジェームズ・フォーリー氏ら米国人や英国人、日本人(つまり政府が金を出してくれない国)の人質たちは、処刑されてしまったわけです。

人質らの「自己責任」の問題はこの際問わないとして、けっきょく助かった人と殺された人とを分ける分岐点は、金が支払われたかどうかです。「政府が金を出すかどうか」ということの妥当性の議論はともかくとして、金の支払いがなければ、人質たちは殺されたわけです。

そしてこのブログの大きなテーマである北朝鮮・拉致問題についてこれをあてはめてみますと、これも全く同じですね。北朝鮮が日本に拉致被害者を返したのは、日本が拉致被害者を返すこととバーターで、国交樹立と経済援助を申し出たからです。そういった話を拉致被害者家族や反北朝鮮の連中は絶対認めませんが、連中が主張する北朝鮮への圧力の結果なんて話には何の論拠もありません。「なにがなんであろうが北朝鮮には絶対援助なんかしたくない」なんてことを主張するのであれば、「そうですか。じゃあ拉致被害者なんて絶対帰ってこないですね」というだけの話です。要は、金をだせば拉致被害者や人質も、帰ってくる可能性があるということです。そういう時に「泥棒に追い銭だ」とか下らんことをほざいていては、帰ってくる人も帰ってこれません。毒をもって毒を制すじゃないですが、しょせんこんなことはきれいごとで解決するものではない。巣食う会の連中が主張する自衛隊で拉致被害者を救出するなんて与太は、

馬鹿も休み休みいえ

デタラメほざくのもいいかげんにしろ

噓八百にもほどがある

というものです。愚劣にもほどがある。そんなことを可能とする軍事作戦なんか不可能です。

上の本の中でも、識者が大要「身代金の支払いをした国の人質が解放されている」という趣旨のことを述べています(たとえばp.201、p.210)。当たり前でしょう。そういう話をするといろいろなご意見はあるでしょうが、身代金を払ってくれない国の政府は、事実上自国の人質を見捨てているのと同じです。そう考えると、米国とか英国とか日本とかデンマークほかの国籍の人は、中東では人質にはならないほうがよさそうです。なかなか生きて帰れそうにない。しかし北朝鮮に関しては、何はともあれそういう話をしてくれたのですから、このあたりは日本政府も捨てたものではないなと思います。最近不祥事を起こしてなにかと評判の悪い森喜朗氏も、伝わるところでは北朝鮮に、第三国で拉致被害者が発見されるという方式はどうだというような打診をしたそうですから、そういう点では、(元)子分の安倍晋三みたいに口先だけの人間よりは、はるかにまともなことをしたのだと思います。

そう考えると、いいかげん拉致被害者家族も、対価を北朝鮮に出すべきでないといった考えを放棄すべきです。強硬策(?)で解決するのならいいけど、そんなのまったく見込みがないのだから、違う方法へアプローチしないといけません。日本だって過去キルギスの人質事件若王子事件などこういった事件でも金は動いています。ただたとえばキルギスの事件などは差しさわりがあるのでそういったことが大っぴらには言われていないだけです。

映画では、青年の家族が身代金集めに必死の姿が描かれています。またデンマーク政府に、身代金を何とかしてくれないかと家族が頼み込むシーンもあります。それは身内を助けるためなら当然の姿でしょう。で、日本の拉致被害者家族はどうですかね。政府が平壌に日本の連絡事務所を置くことすら否定的な態度です。こんな奇怪で馬鹿な話はない。こんな態度では、まさにいつまでたっても拉致問題なんか解決するわけがありません。同じようなことを何回でも書きますように、実に無様で無残な光景です。

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『ウルトラマンタロウ』でZAT隊員を演じた松谷紀代子が亡くなった?

2021-02-18 00:00:00 | 映画

あ、すみません。ガセネタならそれが何よりなのですが、確認できないのでちょっと記事を。

1973年4月から翌年4月まで放送された(4月まで放送が食い込みましたので、次の『ウルトラマンレオ』は51回の放送となりました)『ウルトラマンタロウ』でZATの隊員を演じた元女優の松谷紀代子のWikipediaを昨日(2月17日)閲覧したところ、「没年不明」とありました。

彼女は1952年生まれとのことですから、明らかにすでにご存命でない年齢というわけではありませんから、これは彼女が亡くなったということをどこかの人間が仕入れてそれで編集したんですかね。さっそく検索してみましたが、現段階彼女が亡くなったという信頼度が高そうな情報を得るにいたっていません。そういうわけで、ガセネタかもしれませんが、いちおう明らかにしておく価値はあるかと思いますので記事にします。

松谷さんは、『タロウ』出演が終わった後『秘密戦隊ゴレンジャー 』第1話「真赤な太陽! 無敵ゴレンジャー」で、 幼稚園の先生役で出演をしていて、これが彼女の確認できる最後の芸能活動のようです。この番組が放送されたのが1975年4月5日なので、けっきょく彼女は、『タロウ』終了後1年ほどしか芸能活動を続けなかったということになります。彼女の芸能界引退の理由はつまびらかでありませんが、やはり結婚ですかね。その後彼女は、『タロウ』の関係のインタビュー取材ほかにも応じていません。

それで話は少し飛びますが、第1期ウルトラシリーズは、桜井浩子ひし美ゆり子(菱見百合子)ともその後も(いろいろあったとはいえ)芸能活動を続けていますが、第2期は、『帰ってきたウルトラマン』(71年~72年)でMAT隊員を演じた桂木美加、『ウルトラマンA』(72年~73年)に主演した星光子やTAC隊員の西恵子、『レオ』(74年~75年)で主人公の恋人役を演じた丘野かおりらは、番組終了後早いうちに芸能界を去っています。桂木は74年までで芸能活動が確認できず、星は1975年、西は1976年、丘野は番組を降板した75年中に芸能活動を停止しています。そして桂木、松谷、丘野はその後の消息も定かでありません。星はその後芸能界に復活しましたが、西は喫茶店経営に専念、19年末に閉店しています。

もちろん『タロウ』の朝加真由美などその後も活躍している人もいますが(当時は「あさかまゆみ」。彼女のデビュー作でした)、やはりそれだけ芸能界というのも厳しい世界なのかなと思います。個人的には、すでに消息がつかめない方々も、インタビュー取材などには応じていただければ・・・と思うんですけどね。

この件でなにかわかりましたら、また続報を書きます。本日はとりいそぎ情報を。

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クイズ(回答編)

2021-01-29 00:00:00 | 映画

昨日の記事の答えを。

はい、この女の子の正体は、伊藤つかさでした。この番組は、『バーディー大作戦 』です。「第33話 ジングルベルは殺しのテーマ」です。タイトルで分かりますようにクリスマスを意識した回で、1974年12月21日に放送されました。

1967年2月生まれの彼女は幼少期に「劇団いろは」に加入し、1973年からテレビドラマ中心に活動をしました。順調に出演を重ね、Wikipediaから引用すれば

>1980年、「3年B組金八先生」でクラスのアイドル的女子生徒・赤上近子役を演じた。

1981年9月1日に徳間ジャパンより「少女人形」でアイドル歌手としてデビュー。1980年代に一世を風靡した。八重歯がトレードマークであった

というわけです。前に記事にした冨永みーなと同級生ですね。70年代はテレビドラマでも子役が非常に多く起用されていた時代でした。冨永みーな(「ウルトラマンレオ」出演時は、本名の「富永美子」で出演)と同じ「レオ」に出演していた新井つねひろ杉田かおるも、金八先生の第1シリーズに出演していましたから、この番組も生徒役は充実していたと思います。伊藤が出演したのは、第2シリーズです。

子役時代の彼女の出演したドラマを確認すると、かなり彼女が子役として重宝されたことがわかります。このドラマでも、なかなかいい演技でした。

最後に写真をご紹介。

2枚目は、事務所のプロフィール写真ですかね。大人になってからは、人気を得るためには少し個性が足りなかったかもですね。

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クイズ(この女の子は誰?)

2021-01-28 00:00:00 | 映画

1月になってからCSの東映チャンネルに入っています。有料チャンネルですが、どうしても見たいドラマ(の回)があったので、1か月加入してみたわけです。東映チャンネルには、以前『透明ドリちゃん』を観ようと思って加入したことがあります。

それで今回は、お目当ての番組(これについては、また記事を書きたいと思います)以外で、「あ」と思ったことを。1人の女の子のことです。

それではクイズを1つ。この女の子は誰でしょう?

番組名を書いちゃうとすぐ調べられて誰かわかっちゃいますので、番組名は解答を書く明日に一緒に発表するとして、多少ヒントを書いておきます。

番組は1974年の放送です。この女の子は、ある時期は一世を風靡したといって過言でないくらいの人気がありました。現在も現役の芸能人です。歯に注目。ヌードも発表しました。

少しヒントが多すぎるかな? 

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ヘルムート・ニュートンについての映画が公開される

2020-11-17 00:00:00 | 映画

ドイツ出身でオーストラリア国籍を後に取得したユダヤ系の写真家であるヘルムート・ニュートンに迫る記録映画「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」が、12月に公開されるそうです。では予告編を。

「ヘルムート・ニュートンと12人の女たち」予告編

ずいぶん昔、2005年にベルリンに行った際、「NEWTON」というカフェがあったので、入ってみたことがあります。その店で、「NEWTONは、ヘルムート? アイザック?」と聞いてみたら、「ヘルムートよ」と答えて、壁の写真を見て、と促されました。そこには、ヘルムート・ニュートンの写真が、壁紙のようにはってあったわけです。私が持っていった(いまも手元にあります)「ロンリー・プラネット ベルリン」(英語版)には、大要サー・アイザックにちなんで名づけられたとありますが、現在はあくまでヘルムートの店なのでしょう。なおヘルムート自身は、私がベルリンを訪れた1年前の2004年に不慮の事故で亡くなっています。遺灰は、ベルリンに戻ってきたとのこと。

私もこれまたずいぶん昔からですが、ヘルムート・ニュートンの写真は大好きでした。露出度が激しく、またきわめてデカダンで、私のようないかがわしさだとかデカダンとかが大好きな人間には、きわめて好みに合う写真家だったわけです。

それでそのヘルムートも、1920年10月31日生まれなわけで、つい先日生誕100年になったわけです。

日本でも彼の写真集は数冊発売されています。私が持っているのはこちら。

ヘルムート・ニュートン写真集 BIG NUDES 

ほかにも石田えりの写真集とかもありますが、これは彼にとって「黒歴史」だと思うので、紹介するのはやめておきます。

それでニュートンの写真の有名なモデルの1人が、女優のシャーロット・ランプリングです。映画にも出演するようですが、彼女はニュートンにとって格好のオブジェでした。

ほんとはバシッと大胆なヌード写真をご紹介したいのですが、gooから「やめてくれい」と言われているので、服を着ている写真にします。ヌード専門のサイトでも、他社で開設するか。読者は、作ったらヌードを見に来る?

そんな話はともかく、映画,comからこの映画の紹介記事を引用します。

>長年にわたって一流ファッション誌で女性を撮り続けた世界的ファッションフォトグラファー、ヘルムート・ニュートンを描いたドキュメンタリー。1920年にドイツで生まれたニュートンは、50年代半ばからヴォーグ誌などのファッション誌にユニークで衝撃的な作品を次々と発表。ワーグナー歌劇に登場する女神のような女性たちや、バロック趣味のインテリアに覆い尽くされた独特の作品世界は、着せ替え人形のようなモードを見慣れていた読者に強烈な印象を与え、賛否両論を巻き起こした。映画ではシャーロット・ランプリングやイザベラ・ロッセリーニといった女優たちをはじめ、米国版ヴォーグ誌の編集長アナ・ウィンター、モデルのクラウディア・シファーらのインタビューを収録。「20世紀を最も騒がせた写真家」とも呼ばれたニュートンの作品世界を、12人の女性たちの視点から捉え直す。

2020年製作/93分/PG12/ドイツ
原題:Helmut Newton - The Bad and the Beautiful
配給:彩プロ

引用からお分かりのように、この映画はPG12(12歳未満は、親など保護者の助言等を必要とする)指定です。映倫によると

>裕福なユダヤ人の家庭に生まれた写真家、ヘルムート・ニュートン。本人と実際に撮影に参加したモデルたちのインタビューをもとにした、ドキュメンタリー。簡潔な女性ヘアおよび男性フルヌードの描写がみられるが、親又は保護者の助言・指導があれば、12歳未満の年少者も観覧できます。(1時間33分)

とのこと。ヘルムート・ニュートンを扱った映画ですから、当然女性のヘアをふくむヌードは出てきますので、そのあたりはご承知のうえで劇場へどうぞ。子どもと一緒にこの映画を観にいく人もあまりいないでしょうが、いる場合はその点もご留意を。私ももちろん観にいきます。

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橋田壽賀子が文化勲章をもらえるのなら橋本忍だってもらうべきだと思うが、やはりあの映画がまずかった?

2020-10-29 00:00:00 | 映画

まずは記事を。

>橋田壽賀子さんら文化勲章 功労者に西川きよし氏ら
2020年10月27日11時37分

 政府は27日、2020年度の文化勲章を脚本の橋田壽賀子さん=本名岩崎壽賀子=(95)ら5人に贈ると決めた。文化功労者には漫才の西川きよし氏=本名西川潔=(74)、作曲のすぎやまこういち氏=本名椙山浩一=(89)ら20人を選んだ。

 文化勲章の親授式は11月3日に皇居で、文化功労者の顕彰式は同4日に東京都内のホテルで行われる。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、天皇、皇后両陛下が受章者らを招かれる茶会は行わない。
 文化勲章を受けるのは他に、工芸(人形)の奥田小由女さん(83)、日本文学の久保田淳・東京大名誉教授(87)、物性物理学の近藤淳・東邦大名誉教授(90)、彫刻の澄川喜一氏(89)。
 他の文化功労者は、科学哲学の伊東俊太郎(90)▽応用数学の大石進一(67)▽スポーツの加藤沢男(74)▽撮影の木村大作(81)▽マクロ経済学の清滝信宏(65)▽放送文化(テレビ)の今野勉(84)▽作曲の三枝成彰=本名三枝成章=(78)▽音楽文化振興の酒井政利(84)▽文化振興の鈴木幸一(74)▽美術一般の高橋秀=本名高橋秀夫=(90)▽パブリックアートの滝久雄(80)▽物性物理学の十倉好紀(66)▽文楽三味線の鶴澤清治=本名中能島浩=(75)▽メカトロニクスの原島文雄(80)▽能楽ワキ方の福王茂十郎=本名福王輝幸=(77)▽発生遺伝学の堀田凱樹(82)▽工芸(染織)の森口邦彦(79)▽社会学の山口一男(74)の各氏。
 脚本、人形、物性物理学の分野での文化勲章は初めて。文化功労者では漫才、パブリックアートなど9分野で初の顕彰となった。

やはりどこのマスコミも、橋田壽賀子の文化勲章受章を中心に報じていますね。あとは、文化功労者の西川きよしか。西川は国会議員をやっていたので、それってどうもなあと個人的には思います。いや、別に私は、彼にうらみはありませんが(苦笑)。

さてさて、記事にもあるように、脚本での文化勲章受章は初めてだそうです。ただ実際には、すでに文化勲章を受章している映画監督の黒澤明新藤兼人山田洋次は、いずれもきわめてすぐれた脚本家でもあります。特に新藤は、自分の監督作品以外にも膨大な脚本を提供しています。彼の場合、脚本を書いたギャラで自分の撮りたい映画を監督し、また近代映画協会を経営したわけです。だから、橋田のWikipediaにも、

>2015年(平成27年)10月30日、日本政府より脚本家として初(監督作品も存在する脚本家を除く)となる文化功労者に選出されたことが発表された

とあるくらいです。

文化勲章というのも、やはりある程度先駆者がでて地ならしをしないとなかなか新しい分野からの受賞者は出ないわけです。黒澤が受賞するのなら、溝口健二小津安二郎らだって当然もらうべきでしょう。しかし彼らの時代は、まだ映画監督が受賞できる時代ではありませんでした。黒澤が受賞したのが1985年ですから、1898年生まれの溝口、1903年生まれの小津なら、1970年代半ばから後半くらいでしたら受賞できる時代だったかなという気もします(黒澤は1910年生まれ)。脚本家としてなら、溝口映画の常連依田義賢の受賞は難しかったかもしれませんが、小津の片腕である野田高梧は、長生きすれば受賞も可能だったかもしれません。野田氏は1893年生まれの1968年没です。

が、しかしです。脚本家として別格の存在という意味では、やはりこの方は図抜けているでしょう。橋本忍です。

橋本がいなければ、たぶん黒澤は文化勲章なんかもらえなかったかもです。彼の場合映画監督もしているので、橋田のような純粋な脚本家というわけではないですが(ついでに「橋本プロダクション」なんてのも経営していましたから、映画プロデューサーでもあります)、やはり彼は、脚本家としては他のすごい才能の持ち主たちよりも格の違う天才といって過言ではないのではないか。

が、しかしです。橋本は、1982年、彼の黒歴史となる作品を監督作品としても制作してしまいます。「幻の湖」です。

この映画は、Wikipediaの記述を借りれば

>「ネオ・サスペンス」と称し、雄琴ソープランド嬢の愛犬の死を発端とする壮大な物語が展開される大作であったが、あまりに難解な内容のため客足が伸びず、公開から2週間と5日(東京地区)で打ち切られることとなった。その際、その年の夏休み映画だったたのきんトリオの『ハイティーン・ブギ』(1982年)、『ブルージーンズメモリー』(1982年)が急遽再上映されることとなった。この映画の5週後に続いて公開されるはずだった映画は、橋本と共に『八甲田山』を作った森谷司郎監督、高倉健主演の『海峡』(1982年)である。都市部のロードショーのみで打ち切りとなったため、舞台である滋賀県の映画館では、同県の大津市内の映画館『教育会館』などでの地元先行公開だけで終わった。

以降、1996年に「映画秘宝」で紹介されるまで名画座でもめったに上映されず(1993年10月11日~13日、大井武蔵野館が封切り以来11年ぶりに上映。東宝がフィルムを出したがらなかったためと言われる)、ビデオ化もテレビ放映もされなかったという、文字通り「幻の」作品だった。また、日本を代表する脚本家であった橋本は、この作品の失敗で映画界での信頼を失ったとされ、1986年頃に2本の映画の脚本を執筆したがどちらも興行収入が振るわず、事実上の引退状態となった

というのものであり(注釈の番号は削除)、東宝創立50周年記念作品、第37回文化庁芸術祭参加作品という鳴り物入りの映画だったのですが、お話にもならない惨状でした。橋本は2年前の2018年に100歳でお亡くなりになりましたが、彼は1918年生まれで、この映画公開時点ではまだ64歳だったわけです。しかしWikipediaにもあるように、事実上引退、映画界追放、けっきょくオリジナルの脚本は2本くらいしか書けませんでした。彼がこの後もまともに脚本家をしていれば、たぶんですが、長生きもしたことだし文化勲章くらい余裕でもらえたんじゃないんですかね。しかし彼は、けっきょくは文化功労者にもなれませんでした。それがすべてだとまではいいませんが、やはりこの映画が非常によろしくなかったのは間違いなかったかと思います。いや、文化功労者や文化勲章なんかどうでもいいですが、この作品の最悪の評判は、橋本のその後の脚本家人生をも事実上奪ったわけです。それはいろいろな意味で、ご当人ばかりでなく私たち映画ファンにもとてもよろしくない影響をもたらしたと思います。橋本忍の死に際しては、次のような記事を私も書かせていただきました。

橋本忍氏が亡くなった(一部でカルト的知名度のある『幻の湖』を観てみようか)

橋田壽賀子の話から橋本忍の話にシフトしてしまいましたが、やはりトンデモの作品をつくるとこのような事態になるのだなということでしょうか。そう考えると、次なる脚本家の文化勲章受章者というのは誰になるのか、私は大変興味があります。Wikipediaの文化功労者の一覧を見ても、現段階脚本家では橋田以外にいないわけで、個人的には、倉本聰あたりはなってもいいような気がするんですが、やっぱり難しいんですかね? 文化功労者にならないと原則文化勲章の受賞はないので(ノーベル賞を受賞すれば話は別です)、当分の間脚本家の受賞はなさそうです。

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70年代の青春ドラマなどでの脇役が印象的だった森川正太氏が亡くなった

2020-10-14 00:00:00 | 映画

題名にも書いたように、70年代の青春ドラマなどの脇役で知られる森川正太氏が亡くなりました。記事を。

>おれは男だ!出演 森川正太さん死去67歳、胃がん
[2020年10月13日12時5分]

ドラマ「おれは男だ!」「飛び出せ!青春」などの青春ドラマで活躍した俳優森川正太(もりかわ・しょうた、本名・新井和夫=あらい・かずお)さんが12日午前8時30分ごろ、胃がんのため都内の自宅で亡くなった。67歳だった。

関係者によると、森川さんは2カ月前に体調不良のため病院で診察を受けたところ、末期の胃がんと判明した。すでに転移もしており、森川さんは通院しながらの自宅治療を選択。亡くなる前日の11日にも見舞い客に応対していたが、12日に容体が急変し、妻、2人の娘らに看取られて息を引き取った。

森川さんは児童劇団在籍中の64年にデビューし、71年に森田健作(現千葉県知事)が主演した「おれは男だ!」に出演した。72年に村野武範主演「飛び出せ!青春」、74年には中村雅俊主演「俺たちの旅」で浪人生の浜田大造(ワカメ)役で出演。77年にも「俺たちの朝」に出演するなどし、学園青春ドラマに欠かせない名脇役として活躍した。

15年には「劇団ケ・セラ・セラ」を結成。自ら演出・出演も兼ね、昨年は「港町ブルース」を上演した。今年も10月に公演を予定したが、コロナ禍もあって、来年6月に延期して上演する予定だったという。

発見された時点では、ちょっと医学的に手の施しようのない状態だったようですね。ご冥福をお祈り致します。

あんまり私も、昔のドラマとかをCSやソフトなどで観ているわけでもないのですが、森川氏の出演で私の記憶にあるのは、「ゆうひが丘の総理大臣 」の警官役(Wikipediaによると第33話とのこと)、あと「熱中時代」の刑事編 第10話「ニセ熱中刑事現わる」でのニセ刑事役(だったと思う)でしょうか。出世作である「おれは男だ!」は観ていません。Wikipediaの森川氏の出演作品の項目によれば、青春ドラマに出演する年齢を過ぎた80年代からは、時代劇の出演が多いようですね。最近私が思うに、昔は、時代劇というのが、ある程度の年齢になった俳優たちの居場所でしたね。時代劇は、若い俳優よりも中年以降の俳優が活躍する場です。それとあと、2時間ドラマがそういった人たちの受け皿だったのですが、現在どちらも壊滅状態です(苦笑)。2時間ドラマは民放が完全撤退、時代劇もご同様。古い作品は、CSなどでいくらでも鑑賞できますが、新作はどちらも現段階ほぼ特番でしか製作・放送されないので、このあたり時代の推移というのも冷酷だなと思います。

余談が過ぎました。森川氏というと、やはりあの容姿は印象に残ります。非常に武骨な、1度観たら忘れがたい風貌でした。演技力もあったから、いろいろなドラマで1度観たら頭に焼き付きます(笑)。子役からの俳優さんで、劇団こまどりに在籍していたそうですから、ということは冨永みーなの先輩ですかね。

売れない役者―あなたの知らない芸能界サバイバル

さてさて。私も前にご紹介した、森川氏の黒歴史を再び引用します。なにもお亡くなりになったばかりの方の恥のエピソードをご紹介しなくてもいいかもですが、森川氏もご著書にも書いているようですから(私は未読です)、やっぱりお読みください。Wikipediaより引用します。

>著書『売れない役者 あなたの知らない芸能界サバイバル』の中で、駆け出しの若手の頃、あるドラマの撮影中、スタジオの前で何時間も待たされ、イライラが募り「俺を何時間待たせるんだ」と周りに当たりちらしていたところ、同じように出番を待っていた年配の役者に「役者は待つのも仕事の内だから」と優しく諭されたことがあると記している。スタジオ入りすると、普段は現場に顔を出さないようなテレビ局の重役や監督、現場の撮影スタッフから、その年配の役者が最上級の扱いを受けている様子を不思議に思い、帰宅後、母親に事の顛末を話し、キャストの名前が記載されたシナリオを見せたところ、そこには森雅之の名前があり、母親は不世出の名優の前でさらした息子の悪態に絶句してしまったという。

森氏が亡くなったのは1973年ですから、これは70年ごろの出来事かもしれません。そのあたり私も以前確認しようと思ったのですが、該当ドラマを特定するにいたりませんでした。なお森氏のWikipediaにも、この件は書かれています。

それはたしかに、テレビ局からすれば、「拙局の拙ドラマに、森先生に出演していただいて大変光栄でございます」くらいのものでしょうが、周囲も「うわ、やばいなあ」と思っていたんじゃないんですかね(苦笑)。

なお上にも書きましたように、この森、森川両氏の邂逅の話は、下の記事で以前にご紹介したことがあります。2011年10月16日発表の記事で、偶然ながらちょうど9年前のほぼ同じ月日の発表でした。

昨日知った面白い(と私は思った)話

そういえば先日記事にした

(元)俳優の宮内淳が亡くなった(『太陽にほえろ!』で若手刑事を演じた俳優たちも、そろそろ亡くなる時期に来たのだろう)

での宮内氏ほかともだいたい森川氏は同じくらいの年齢です。事実森川氏も何作か「太陽にほえろ!」に出演しています。なお一番上の森川氏の肖像写真の出典はこちら

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TBSのCSチャンネルで、山口百恵の初連続ドラマが放送される(「顔で笑って」)

2020-10-07 00:00:00 | 映画

今年の7月初めにこのような記事を発表しました。

「赤いシリーズ」の山口百恵出演作品が、7月1日からTBSのCSチャンネルで放送されている(1日2話放送)

赤いシリーズ」の放送は現在も続いていますが、本日お伝えしたいのは、やはり大映テレビ製作のドラマ(世にいう「大映ドラマ」)の話です。12日月曜日から、山口百恵の連続テレビドラマデビューである「顔で笑って」が放送されます。放送局のサイトはこちら。内容を、同じサイトから引用します。

>永遠のスター・山口百恵の連ドラデビュー作。1973年に制作されたこのドラマで山口は、宇津井健と初の父娘役で共演している。本作の共演がきっかけで、翌年の1974年には大映テレビドラマの名作“赤いシリーズ”第1弾の「赤い迷路」が制作される。今でも根強い人気を誇る大映テレビドラマファンにとっては、まさに超お宝ドラマと言える作品。
百年あまり女系が続く鎌倉の外科病院を舞台に、院長に就任した有能な外科医とその家族、病院のスタッフ、そして患者たちとの日常を描いたホームドラマ。

【ストーリー】
鎌倉にある、百年あまりも女系家族が続いている「花田外科病院」。代々婿養子が院長を務め、現在の院長・花田誠一郎(松村達雄)も婿養子。養子という立場上、妻のきり(葦原邦子)、ひとり娘の秀子(倍賞美津子)、義妹の徳子(冨士眞奈美)らにまるで頭が上がらず、先代から勤めている婦長・岩崎千代(初井言栄)をはじめ、看護婦や医師たちまでもが院長を馬鹿にしている。誠一郎にとって味方は、花田家の主治医で後輩の内科医師の吉本(フランキー堺)と、お手伝い兼看護婦見習い・内田久利子(川口晶)だけだった。
ドラマはある日、院長・誠一郎が脳溢血で倒れたところからはじまる。知らせを聞いて東京から駆けつけてきた山田大吉(宇津井健)は、十年ほど前に妻と死別し、中学生の娘・悦子(山口百恵)とやもめを通している腕の良い外科医である。大吉は亡き父の親友・誠一郎の援助のお蔭で外科医になった。大吉はその恩師のたっての頼みで院長代理を引き受けた。妻のきりは世間知らずで、妹の徳子にのせられ、いいなりになっている。一人娘の秀子は男を男とも思わない大変なじゃじゃ馬娘。病院の経理担当責任者で事務長の徳子はケチのかたまりのようなオールドミス。医師の富田(橋本功)は徳子にそそのかされ次代院長の座を狙っている。婦長の千代は、同じ病院に勤める外科医の息子・明夫(水谷豊)のために、病院の実権を持つ徳子には決して逆らわない。これら数多い敵の中でも大吉にとっての最強の相手は、やはりもうけ第一主義の徳子。看護婦の悠木ひな子(春川ますみ)をはじめ、鈴木初恵(紙じゅん)、渡辺桃子(青山美樹)らたちと明夫は大吉の奮闘ぶりを面白半分で見守っている。この中で、はたして子連れの大吉は男の威厳を取り戻すべく、どこまで奮闘できるのか?

解説を読めばお分かりのように、このドラマは、まさに赤いシリーズのプレプログラムとでもいうべきものであり、まさに導入部です。宇津井健と山口百恵の黄金コンビ(赤いシリーズでは、宇津井健はまさに別格の扱いでした)の始まりは、まさにこのドラマだったわけです。

内容を読むと、赤いシリーズのようなえげつないといっていいくらいの濃いストーリーではなく、かなりホームドラマの色彩の強いものです。このドラマも大映テレビ制作の「大映ドラマ」なのですが、たぶん現在赤いシリーズが「大映テレビ劇場」で放送されているので視聴者も百恵の連続テレビドラマデビューに関心があると考えたのでしょうが、、別の時間、すなわち

>10/12(月)から10/28(水)まで 毎週(月)-(金)午前7:00〜午前8:40[2話ずつ]

で放送されます。1日あたり2話の放送予定で、これは大映テレビ激情と同じです。10月に放送されるのは、やはりこの10月が、山口百恵引退40周年だからですかね?

キャストを見ると、「赤い疑惑」で百恵の祖父を演じた松村達雄や、赤いシリーズ(赤い激流)にも出演していた水谷豊が出演していることが目を引きます。倍賞美津子フランキー堺など、のちの大映ドラマ出演者とはちょっと毛色の違う人も出演しています。倍賞さんは、前に記事にした映画と同じ年の出演ですね。

三波伸介も、やはりシリアスな方向へもシフトしようという意思があったのだと思う(ご存命なら今月90歳)

ちなみにフランキーさんは、大映ドラマでは、「ポニーテールはふり向かない」に出ていました。伊藤かずえ演じる娘(主人公)にドラムを指導する父親役でした。このドラマははるか昔観たことがありますが、あんまりまじめに観なかったのでよく覚えていません。たしか最初の方に出演しただけの特別出演みたいな形式だったはず。フランキーさんといえばドラマーですから、まさにうってつけといえばこれほどの役はないはず。

ほかには、春川ますみもこの時代のドラマでは大常連さんですね。何回か記事に書いている「ウルトラマンレオ」でも、MAC全滅後の40話以降において彼女はレギュラーだし(金がなくて予算削減のためにレギュラーを主人公と子役1人をのぞいて切ったのに、当時引っ張りだこだった彼女を起用するあたり、さすがウルトラシリーズということでしょうか)、高倉健主演の連続テレビドラマ(彼が、連ドラに主演したのは、この1回のみ)にも出演していました。また、大映ドラマでは、岡崎友紀主演の「なんたって18歳!」では、主任格のバスガイド(岡崎ら新人バスガイドを厳しく教育する指導役)を演じていて、彼女がそういう役をやると、ほんとそういう人に見えます。「レオ」でも、看護婦長(当時の呼称)そのものという印象がありました。ほんとうまい女優さんです。

ともかく注目すべきは、この初ドラマで早くも宇津井健と山口百恵による親子が実現していることですね。それで前年の1972年に放送された「シークレット部隊」で芸能界デビューした三浦友和に、大映テレビの野添和子にあやかって(野添は、「シークレット部隊」と「顔で笑って」両方のプロデューサーでした)「友和」という芸名をつけているのも宇津井ですから、友和も百恵も、宇津井には頭が上がりません。この2人の結婚の際の仲人が宇津井夫妻だったのも当然というべきものかも。

それで思うに、このドラマはのちに(1981年)TBSで制作された宇津井主演の連続ドラマ「野々村病院物語」の下敷きみたいな性格がある程度あるかもしれませんね。たぶん意識はしているのでは。いや、私は「野々村病院物語」は観ていないので(もちろん「顔で笑っても」観ていない)めったなことは言えませんが。コンセプトが似ているのは確かです。なお制作会社は、「野々村病院物語」はテレパック(TBS系列の会社)ですので、大映ドラマではありません。

この作品自体は、大映ドラマ独特の、異常なまでの濃いストーリーとはまた別ものだと思いますので、軽く楽しみたいと思います。視聴できる環境のある方は、ぜひご覧になってください。私ももちろん楽しみに観ます。なおTBSチャンネル2での「大映テレビ劇場」での放送は、本日(10月7日)で「赤い激突」が終了、明日(10月8日)から「赤い嵐」ですが、能瀬慶子じゃちょっといまいちやなというところはあります。いやべつに能勢さんにうらみはありませんけど。ていうか私も1日2エピソードの放送スケジュールについていけず、現段階「赤い衝撃」の25回目あたりを見ている段階です。が、やはりこうなったら「赤いシリーズ」全作品全エピソード制覇をしたいので、最後まで見つづけます。見終わったら記事にしますが、はたして今年中に可能か? ましてや「顔で笑って」を観ていたら、さらに遅れそうです。

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