故・大杉漣さんの遺作となる映画「教誨師(きょうかいし)」が6日、公開された。大杉さんが演じる牧師と、6人の死刑囚との対話をひたすら描く異色の会話劇だ。取材をもとに脚本も手がけた佐向大(さこうだい)監督(46)は「死刑の是非が議論になるなか、制度を考えるきっかけになれば」と話す。

 気のいいヤクザの親分、関西弁でまくし立てる中年の女性、冤罪(えんざい)をうかがわせるホームレスの男性……。映画で牧師は、拘置所の教誨室で6人の死刑囚と向き合い、その言い分にときには戸惑いながらも、「魂は生き続ける」となだめる。

 一つの山場は、挑戦的な態度を崩さない若者との対話だ。「そもそもさ、国が国民の命奪うなんてありえなくない?」「なんの情報も公開しないくせに(死刑制度の)支持も何もないでしょ」。次々と問いを浴びせる若者に、牧師も翻弄(ほんろう)される。

 「社会復帰を手助けするのが教誨師のイメージだった。じゃあ死を待つだけの人に対する教誨は何の意味があるんだろう、と興味があった」と佐向監督。死刑を執行する刑務官を題材にした「休暇」(2008年公開)の脚本を書いた経験から、制度を取り巻く現状に対する関心が強くなった。

 「世界では廃止の流れがあるようだけど、日本では8割の人が容認しているという。なぜなんだろうと」。死刑囚の実態に近づくことで考えを深めようと、今度は教誨師に焦点を移した。複数の教誨師や元刑務官に取材し、実在の事件も参考に脚本を書き上げた。

 日本キリスト教団広島西部教会…

これは有料記事ですので、朝日新聞のサイトでは残念ながらここで途切れていますが、こちらのブログさんに、その続きが引用されていました。

日本キリスト教団広島西部協会の山根真三牧師(74)は映画について「なかなか報じられない死刑の一側面に光を当てようとした。社会的に意義のある取り組みだ」と語る。

これまで3人の死刑囚の教誨をした。

月1回、10年以上にわたって対話を続けた相手もいる。
「欲望は誰にもある。あなたと私はちょっとしか違わない」。
そんな話を続けるうちに、相手は自ら聖書の原典にあたり、洗礼を受けるほどだった。
変化を見せた末に、刑を執行された。

「彼は『死刑囚は公人でもある』と言ったが、社会に教訓を還元させる存在という意味では、その通りだと思う」と山根牧師。

「取り返しのつかないことをした人が、死んでいくまでに何をし、どう変わったのか。
映画は6日から東京、名古屋、大阪などで先行上映され、全国57か所の劇場で順次公開される。

(阿部峻介)

いろいろ差しさわりがあるので取材に協力したとは記事にはありませんが、この記事に登場するということは、たぶん何らかの形でこの映画に協力しているのだろうと考えます。上の記事での、「月1回、10年以上」教誨を受けた死刑囚というのが、津田死刑囚というわけですね。現在教誨中の死刑囚が誰かはわかりませんが、この記事を書いている2019年12月10日現在広島拘置所にいる死刑囚は、6名です。広島では昨年オウム事件の死刑囚の死刑が執行されています。

それにしても死刑となる犯罪というのもいろいろですが、ほんと前に記事にした宮崎の家族3人殺しやこの福山の誘拐事件は非常に残念な事件ですね。犯人は、特に素行不良はなはだしいとかサイコパスとかいうわけではない。事情はさまざまとしても、精神的に異常に追い込まれて論外の事件を起こしてしまい、宮崎のほうはまだ執行されていませんが、被害者ばかりか加害者まで法の名で殺されるのですから、まったくもってご当人の不徳の致すところとはいえ、実にむなしく感じます。加害者が、ほんのわずかでも冷静さを保っていたら、人を殺したり、自分が死刑になるよりははるかにましな解決方法があったわけで、まさに最悪の事態になってしまったわけです。

なお上で紹介されている「教誨師」という映画はなかなか面白かったので、興味のある方は是非ご覧になってください。

教誨師